カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

専門学校から公認心理師になる方法

専門学校で公認心理師課程がある、ということが東京福祉専門学校のホームページに書いてあったので、受験区分Fルートにこれから専門学校生がなっていくのかなあと思ったのがひとつ、大学でなければならなかったのではなかったのかなあと思ったこともあり、東京福祉専門学校に問い合わせてみました。

僕が根拠として大学でなければならないと思っていたのは公認心理師第七条第一号です。

(受験資格)

第七条 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。

二 学校教育法に基づく大学において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者であって、文部科学省令・厚生労働省令で定める施設において文部科学省令・厚生労働省令で定める期間以上第二条第一号から第三号までに掲げる行為の業務に従事したもの

ただし、僕はこの条文に見落としをしていて、第三号

三 文部科学大臣及び厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定した者

もあります。

専門学校卒業後、2年の実務経験をもって公認心理師の受験可能という根拠は専門学校の担当の方からもうひとつ教えてもらいました。

厚生労働省及び文部科学省の平成29年9月15日の通知です。

「公認心理師法第7条第1号及び第2号に規定する公認心理師と
なるために必要な科目の確認について」

です。

公認心理師法(平成27年法律第68号)第7条第1号及び第2号に規定する公認心理師と なるために必要な科目(以下「必要な科目」という。)については、公認心理師法施行規 則(平成29年文部科学省・厚生労働省令第3号)において具体的な科目が規定されている が、大学、大学院及び専修学校の専門課程(学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11 号)第155条第1項第5号に規定する文部科学大臣が指定するものに限る。)が開講する 必要な科目の確認については、別添のとおり行うこととした。

※ 以下科目についての教示のため略

この通知で専修学校も科目が揃っていればきちんと公認心理師受験資格があることがわかります。

専門学校卒業後、公認心理師受験資格が付与されるというのは、ぼくは東京福祉専門学校のホームページを見て初めて知ったのですが、この通知に「専修学校」と書かれている以上、科目の授業が適正に行われていれば問題なく公認心理師資格を持てるということです。

今後、公認心理師養成専門学校が増える可能性は充分にあります。

実習先機関が今は公表されているものは僅少で、大学や院ではそれぞれのコネクションを生かして工夫をしていくでしょうし、東京福祉専門学校も自前の実習先があることがホームページにも明記されています。

僕は心理職はやはり研究家で実践家でもあると思っています。

今回Gルートで合格した非大卒者を含め、公認心理師になるならば、ペーパー資格としてではなく、きちんと研究、実践活動もして欲しいと個人的には思います。

特に福祉、看護、教育の専門家が入ってくるならば、その分野とコラボレーションできたならば研究の幅も広がると思います。

日本心理臨床学会が心理職国家資格を大学院卒のみにしようとしたのは重々承知で、専門性を高めて各領域の中で発言力を高めようとしたのではないかという意図はわかります。

この制度がどのように動いていくかはやはり5年後の見直しを待たなければならないでしょう。

どの分野でも新公認心理が十分に活躍し、その実力を社会の中で発揮している実績を作り上げて欲しいと僕は考えています。

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※ 知人の作品です。

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アプリが公認心理師を超える?

先日AIとカウンセリングについて書いたばかりですが、大塚製薬とアメリカの子会社及びアメリカのクリック セラピューティクス・インクがうつに効果的なアプリを開発、その承認を待っているという記事を読みました。

治験データでは被験者の短期記憶を改善することによって状態も改善したとのこと、大塚製薬は最大限2億7000万ドルを支払う用意があるということで、相当大規模なプロジェクトになりそうです。

短期記憶がうつに関係しているというのは僕は初めて知ったのですが、
この研究は
「うつにおける短期記憶と選択的注意」
Changes in directed attention and short-term memory in depression

Reg Arthur Williams, Bonnie M Hagerty, Bernadine Cimprich, Barbara Therrien, Esther Bay, Hiroaki Oe
Journal of Psychiatric Research 34 (3), 227-238, 2000

日本でも

記憶障害患者の復職可能性について

原寛美, 上田敏
総合リハビリテーション 11 (9), 709-713, 1983

論文があり、検証は他でもかなり行われているようです。

以前PTSDでfMRIを使った脳記憶断層状態測定で、快刺激と不快刺激を交互に与えてトラウマを除去する研究が内閣府で行われていることも書きましたし、脳科学的に快方に向かわせる試みは多分各地で行われているのでしょう。

思い出してみると僕自身が予備実験被験者として認知行動療法のストレス低減ソフトを使って「なるほどなあ」と効果を体感したこともあります。

日本、外国のアプリでも主として認知行動療法的な働きかけとして、通常カウンセラーがクライエントさんにホームワークとして実践してもらう「行動記録表」を書いてもらう、次回カウンセリングではそれを話題にするということはよく行われています。

さて、そうすると今後実際にはどういったかかわりが想定されるかというと、抗うつ剤などによる薬物療法や修正電気けいれん療法、そしてカウンセリング、もうひとつの手段としてアプリによる軽快化を目指すという時代も来るでしょう。

僕がNBM(物語りの古典的なセラピー)だけをを重視しているかのような印象を持つ人もいたかもしれません。

実際には認知行動療法で学会発表をしたり、役に立つものはなんでも使うのがいいという、節操がないと言えばそうなのですが、その人が信じているのならば宗教をテーマにして話す、キネシオロジー(代替医療的療法)も使います。

どんどん科学が進歩していく中で「あれはダメ」「こっちは自分の好みでないから信じられない」と精神療法の世界であまりえり好みをしてクライエントさんに自分の技法を強要することはよくないなと思うわけです。

公認心理師には心を扱う仕事でもある作業療法士も多く誕生したと聞きます。

精神保健福祉士も社会福祉士ホルダーも多いと思います。

さまざまな技法や他職種の底流にある理念をぜひ今後のカウンセリング
に生かしてクライエントさんのためになって欲しいと思うのです。

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公認心理師も高等学校指導要領から保健体育分野に切り込める可能性

新高等学校指導要領が平成34年度から施行されます。

文部科学省のホームページから閲覧できるのですが、全文650ページあるので探すのに骨が折れるのではないかと思い、要旨だけを記載します。

p178〜p179には保健体育分野で

「精神疾患の予防と回復 精神疾患の予防と回復には運動、食事、睡眠、休養の調和のとれた生活を実践するとともに、心身の不調に気付くことが重要であること。また、疾病の早期発見及び社会的な対策が必要である」と記載されています。

古い統計しかなかったので申し訳ないなですが、平成18年度で796人の高校スクールカウンセラー配置がされています。(誰か最新の数値を教えていただけると助かります。)

保健分野の教員がこの辺りの教育を行うよりも、心理の専門家が行う方が効率がいい、こういったなかなか表に出てこない統計数値が将来的な心理職の有用性を示すことにもつながります。

この心身の教育が保健体育分野に取り入れられたことは実に画期的なもので、考えてみれば産業分野でも運動指導者、栄養指導者、心理カウンセラーが六人衆の中に入っているわけで、食事、運動も心身の健康に寄与する、そうであれば保健体育分野において心の健康を取り扱うことはごく自然なことです。

これについては公益社団法人日本精神神経医学会はかなりポジティブな意見書を出しています。

これに先立って日本精神神経学会では平成27年にもこころの健康教育の必要性を文部科学大臣に提出、新学習指導要領については各種疾患の予防、インターネット、ゲーム依存などの行動嗜癖、中高生の自殺者数の増加について警鐘を鳴らしているものです。

日本精神神経学会ではこころの教育の必要性について注意喚起をしています。

さまざまな経緯はあったものの、医師団体は公認心理師制度そのものに反対しているわけではなく、法案通過については七者懇談会を通じて賛成していたわけです。

こういった教育指針の変化には自治体も敏感です。

僕もかつて委員として講演活動をしていたことがあるのですが、都道府県、市区町村には青少年健全育成協議会があります。

青少年健全育成協議会では定期的に講演をしていることが多いのですが、その中でスクールカウンセラーや心理職がこころの専門家として講師として招聘されることがあります。

ゲーム依存やスマートホン依存などはちょうどタイムリーな話題でしょう。

高校でも独自の予算があって、講演依頼をすることがあります。

高校の新指導要領には現状が反映されていることが多いです。

確かに高校の教育現場では校則を厳しくして教育をしていても授業中にスマートフォンを手にしている生徒さんは多いです。

依存の問題も喫緊でしょうし、自殺数増加は相当大きな問題となっています。

学校社会の中で外部性のある専門家としてのスクールカウンセラーへの期待は大きいでしょう。

これまで専門家としての臨床心理士に加えて公認心理師は国家資格としての期待をされることが多いわけです。

その一方で、「現任者として公認心理師になった人の中には心理プロパーでない人もいる。専門性は大丈夫か?」という声もあります。

新公認心理師は心理検査が臨床心理士とは違ってすぐにはできないだろう、というのがたいていの採用機関の一致した見解です。

そのかわりに福祉資格や看護師資格、保健師資格などを持っているフィールドワーカーとしての役割も期待されています。

高校を含む学校、教育の場は新公認心理師の絶好の活躍の場だと考え、先進の臨床心理士のノウハウを生かしながら協働協業体制を取れると可能性が開けてくるのではないでしょうか。

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