心理カウンセラー・ひなたあきらからのメッセージ

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata★gmail.com(★を@に変えてください。)

公認心理師試験問題再検証

試験直後にかなり公認心理師試験問題正解発表で各サイトで揺れましたが、筆者としても解答に疑問符がつくところがあり、いくつか検証してみたいと思います。

複数正解もあり得るのでは?と思います。

問15
E.H.Eriksonライフサイクル論、青年期には忠誠心が獲得されるという「3」を正解としているサイトは多いのですが、Eriksonの理論には各発達段階には必ず危機が想定されています。したがって「4」も正解として考えられるのではないかと思います。

問18
ケース・フォーミュレーション
確かにクライエントとの共同作業重視は大切ですが、その際安定性や全体性といった心理的要因もあってもいいと思います。
4?3?

問44
H.S.Sullivan「関与しながらの観察」に関する問題です。「関与しながらの観察」は(participant observation)が英語ですが、治療者が関与することで面接では観察だけをすることは不可能、したがって客観性を維持することを強調する「1」、道具として自己を利用して自己を治療場面に関与ささようとする「2」、観察に力点を置く「3」どれも可能性はあります。
僕の私見では2>1>3とこれも断定しにくいと思います。

問45
発達障害でも知能段階によっては軽度の知的障害と自閉症診断を受けていれば療育手帳は取得可能です。できない自治体もあり、自治体判断です。また、発達障害者支援センターもはっきりと検査、診断をしないと謳っているセンターがあります。
3(支援センターの業務に診断は含まれない)>1(発達障害者は療育手帳を取得できない)
どちらも正答の可能性はあります。

問49
ヒューマンエラーに関する問題ですが、ヒューマンエラーは

・やるべきことをやらない
・やってはならないことをする

ということなので、「3」周知されていなかったためスイッチを押さなかったというのがヒューマンエラーに当たらない可能性が高いです。

問52
開発的カウンセリング
ヒカリの公認心理師ノートでも迷っていますが、子どもの成長を促す上で行われる開発的カウンセリングは各研究者の論文内でもピアサポート、アサーショントレーニング、ソーシャルスキルトレーニングかあげられています。開発的カウンセリングを実施する中でソシオメトリーも無視できないので、チームティーチング以外の選択肢全てに正解の可能性があると思います。

問66
がん末期で緩和ケアを受けている男性の評価項目を問う問題です。

優先すべき状態としては「不安」「抑うつ気分」による苛立ちや不眠はどちらも考えられるでしょう。
2or5

問67
ひきこもり男性への初期対応
①訪問支援
は抵抗が生じてその後の支援に支障が出そうですがオーソドックスな手順です。
③精神医学的評価は支援計画策定のため必要と思います。
これも迷う問題です。

問68
学習できない男児は学業不振かもしれませんし、不注意優勢型のADHDの可能性もあると思います。
1or3

問77
復職支援問題です。
早く職場に戻りたいから手続きを進めて欲しいと望むクライエントがやって来た時に、人事課に連絡させるのは間違いのないルートですが、精神保健担当者が下打ち合わせをしてそこから人事や職場と相談を進めるのも間違いではないと思います。
1、2、5どれもが考えられると思います。

問78
公認心理師の地域連携
②自らの専門性向上も業務を通じて研究会、勉強会での連携⑤も間違いとは言い切れないのではと思います。

問95
ストレスコーピングの問題です。
これも各社で割れている解答です。
③コーピングしようとしてコーピングコストで疲労が蓄積する、④コーピング結果の評価も必要となりますので判断がつきかねます。

問110
反応性アタッチメント障害は認知、言語発達は正常となるとは思えないのでここは①と思います。
⑤は「養育者が行う心理療法」という文言に引っかかる人もいると思うのですが、セラピストがそれを促しているのかもしれません。

問118
適切な学習方法に関する問題です。
③「努力が足りない」④「学習方法に問題があった」どちらの内省が有効かですが、努力不足なのか学習方法を誤っていたのかによって解答は異なります。
ただし、がむしゃらに努力をすれば成績が上がるとは限らず、適切な方法を選択することが望ましいので筆者は④を選びます。

問136
学習実験についてです。
参加申込順に実験群と統制群と割り当てると、意欲の高い被験者だけが実験群に割り当てられますので②が正解ではないでしょうか。

問149
アルコール依存症。①関係者全員でAを囲んで問題を認識させるとさらにストレスがたまってアルコールに走ることを危惧します。③「絶対やめる」と約束したAさんが崩れるのは織り込み済みで一度だけチャンスを与える際に「最後だから」と通告しておくのも手段では?

以上各社解答が出揃ったところで、僕なりに考察をしてみました。

自己採点で「ダメかもしれない」と思っている人も正答が変われば点数が変わる可能性は充分にあります。


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公認心理師合格で年収アップにつながる?不合格で給料は減る?

某大学院(カリキュラム整備済み)では「公認心理師は国家資格でステータスup!」みたいな書き方をしていたのですが「それはないな」と思いました。

どこの学校でも少子化で必死です。

大事な認識は 「公認心理師制度が施行されて国家予算全体は(多分)アップしない」
ということです。

つまりパイの分け合い(食い合い)なので予算を精神保健福祉士や社会福祉士から公認心理師が奪うことはあり得る。

ただ、当該精神保健福祉士や社会福祉士も公認心理師を取得する人は多いので、複数資格ホルダーが多くなるだろうなと思います。

病院で公認心理師が施行しないと保険点数が取れない心理療法や心理検査は今後どんどん増えていくだろうと思いますが、受験勉強だけで学んだ新公認心理師が実施は不可能でしょう。

ストレスチェックテスト、福祉加算など多くの領域で公認心理師資格が必要になると、本当に厳しい話ですが即座に取っておかないと支障が出る、というのが事実です。

アメリカのサイコロジストは医師に次ぐステータスがあり、年収もかなり高いのですが、日本で公認心理師に一気に給料を上げることができる財源はどこにもありません。

さて、ここでもっと厳しい話になりますが、従前から検討されていた公認心理師の二階建て資格化の可能性もあります。

公認心理師活動領域の医療、教育、福祉、産業、司法の中で特に医療や教育では「医療公認心理師」や「教育公認心理師」として、試験を通る、研修に参加する、ケースレポートを提出するなど5年ごとなどの更新を要するもう一つの資格を取得する必要性も出てくる可能性が高いということです。

公認心理師はあくまでも入り口の資格として扱われる可能性があるということです。

保険点数適用になる、必要になるという意味では公認心理師資格は必須のものとなっていくでしょう。

しかもその上で別建ての資格取得、維持に時間、お金、労力が必要になるとうーんと思います。

元々心理職は年収が低く300万円、400万円とも言われています。

もちろん勤めている機関によって違いますし、一千万以上もらっている大学教員やⅠ種心理職もいます。

非常勤掛け持ちをして大変な思いをしている人も多いでしょう。

国家資格で必要とされるので公認心理師が常勤化される、給与の上昇はないとは言えません。

ただ、きちんと勤めている心理職が資格がないからと切られたり減給されたりということはすぐにはないでしょう。

雇用契約上もそれは問題だと思うのです。

政策的に今後ある程度の混乱は避けられないと思いますが、せっかくですから心理職がさまざまな領域で地歩を固めていって欲しいものです。


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公認心理師Gルート受験者は差別されるか

Gルートは本年度から限定5年間、心理職をやっていたという明確な証明があれば受験資格が与えられるというものです。(院卒者でも科目読み替え不可でこのルート受験者が多かったですね)。

民間カウンセリング事務所だと登記簿等の書類の審査で受験資格すら与えてもらえなかったと聞きます。

経験年数だけで受験資格を与えられるGルートは大卒者だけでなく、専門卒、高卒でもいいわけです。

それではこの5年間、2018年から2022年までに資格を取得したGルートホルダーは「ああ、あの時期に取った人ね」と差別されてしまうのでしょうか。

実際のところ、臨床心理を教えているかなりの大御所の先生だと科目整備がされていない昔なのでもうGルートしかなかった先生方も多いでしょう。

公認心理師の受験の手引きを見て「あれ?」と気づいて始めて疑問を持った人もいるでしょう。

その疑問とは、Gルートには出身大学、大学院の取得単位証明書、卒業証明書が不要ということです。

公認心理師資格は福祉資格と比較的近縁科目があるので、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士の人たちが公認心理師資格を取ることは多いでしょう。

ケアマネ、看護師、学校教員、養護学校教諭、福祉施設指導員、相談員とちょっと考えてみるだけでかなり多くの人たちが公認心理師受験をしたのだろうなあと思います。

心理職資格の高い専門職化を求めていた団体と医師団体の温度差が激しかったので現認者ルートができたのかなと邪推もします。

本当かな?と思ったのですが某地域で開催された現認者講習にはヒーラーが来ていたとかいう噂。

ヒーラーでも占い師でも人助けには違いないですし、心理学を知らずして合格は不可能なので一生懸命勉強したならそういう人たちでもいいか?

いや、そもそもカウンセリングと目的が違うし、証明書類も出せなかっただろうと思うわけです。

「今から現認者になって2022年に一発合格を目指そう!」としても年数が足りません。

上記のようにいろんな資格持ちのコレクターも今回いるだろう反面で、本旨は本当に現場で働いている人たちが現認者で、あくまでも現認者の人のための救済措置なわけです。

資格の話と学歴の話をごっちゃにすると本筋から外れそうですが、アメリカのサイコロジストは難関試験を突破した博士号取得者、州によってはサイコロジストが投薬もできます。

かたや学歴不問?その後も大卒者OKの資格ということで、指定単位読み替え可能だった新しい院卒の人たちよりもGルート取得者は軽めに見られがちという心配はあるかもしれません。

資格新設の移行期にはよくあることで、心理福祉に限らず、行政書士も宅建も一気に難関資格になりましたし、保育士は今や合格率20パーセントの難関資格です。

どんなプロセスで資格を取ったかではなく、その人の技量がものを言うのではないかと思うのです。

有名な話ですが、神戸大学の臨床検査技師、細胞学の権威鴨志田教授は短大卒、放送大学卒後に博士号を取得しています。

どこまで頑張ってキャリアを築いていくかは本人の努力と意志だとおもうのです。

初の国家試験でどのルートで受験したから合格率を低めにするということはあってはならないですし、上記の事情から、僕は「初年度公認心理師必要説」のようなものを信じています。

新設の資格はとかく運用面で力を入れてライセンスの位置付けをしっかりとさせていかないといけないでしょう。

そしてその重大な役割と責任は行政にあると思うのです。

ちなみに公認心理師はlicensed- psycologistと英訳されるそうですが、これも暫定的なものだそうです。


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