心理カウンセラー・ひなたあきらからのメッセージ

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata★gmail.com(★を@に変えてください。)

実務経験と公認心理師試験点数との相関関係

僕の周囲は駆け出しのけっこう若い人たちが結果が悪かったと言っていました。

大学院修了したばかりで知識が新鮮はという事とは関係ないようです。

けろっとして合格ラインだったよー、と教えてくれたのは元学校の先生、教育現場が長いので児童生徒を指導するのに慣れていた、また、自分も勉強するのに学習方法をつかんでいたのかなあと思いました。

僕の今知っている心理職の人たちのバックボーンは様々で、医療、福祉、産業、教育経験がそれぞれに長い人たちが多いです。

ただし、経験があるのと試験で高得点を取ることについての相関関係は薄く、純粋に知識獲得をするための受験勉強の方が優っていたようです。

以下、心理職としての経験を踏まえた今回の試験の自分語りになります。

面倒な方はここで読み飛ばして下さい。

僕自身は長いもの、(片手間のような)短いものを含めると司法、医療、教育、産業、福祉の五領域に実務経験があります。

森田療法の研究会に夜遅くに仕事終了後に出て、勉強会の修了ライセンスをもらって嬉しかった覚えもあるのですが、見事に森田療法の問題を外しました。

司法臨床にはけっこうどっぷりと浸かっていた時期があるので、経験値から解けた問題もあるのですが、勉強していなかった部分はダメでした(裁判員制度)。

福祉は本当に短期間しかかかわっていなかったのですが、現任者講習(現認者と書いてしまったのですが、親切な方から「現任者」が正しいという指摘をいただき、訂正させていただきます。どうもありがとうございました。)を下敷きにして積み上げたので未経験だから知らないからと必死に勉強したので少しはマシでした。

昔勉強した経験値があるからまあいいやと学習を疎かにした基礎心理学分野もダメでした。

今考えてみると高額だった現任者講習ですが、現任者講習を受けたから、ズバリその講習から問題が出たという科目は一問もありませんでした。

現任者講習テキストを細かく読み込まないと解けない問題がありました。

ブループリントについてもブループリント用語がそのまま出題されたのは重回帰分析ぐらいで(統計が苦手な僕は外しました。「尺度って何?」と聞いていた、現任者講習で一緒だった福祉職の方はどうだったのでしょうか?)、ブループリントを基に踏み込んで勉強しないとダメだったなあと思います。

医療分野は法律問題や精神医学、薬理学分野を除くとほぼ壊滅的で、身体医学か絡むと解けませんでした。

法律問題は全般的に「知らないから必死で勉強する」という姿勢で臨まないといけなかったようで、タカをくくっていた部分はダメでした。

産業分野もストレスチェックの説明会に研修で出たからいいやと思っていたら外しました。

労働法はもっとしっかりと学習しないといけなかったなあと思います。

何とかなったのは、以前の知識で常識化していた法律で、ここはなんとかなったのですが、心理実務に関係しているけど刑法や少年法問題では?と思いました。

ただし司法も復習はしました。

今回数多く出題されていて、受験者たちの心を危機に陥れたサイコロジカルファーストエイドは、数年前にみっちりと研修を受けたり、災害精神医学、心理学に興味を持っていて勉強したのが試験とは関係なくやっていたことですがたまたまラッキーでした。

教育現場にもいたのですが、これらの出題も勉強していなかった領域については歯が立ちませんでした。

僕がなんとか正答できた?全体的な総得点の中では経験値が半分、今回試験勉強して新しく得た、または再学習した部分が3割、勘で当てずっぽうにチェックしたらたまたま正解が2割ぐらい?というのが結果でした。

心理職の人の中には兼業主婦をやりながら、職場は忙しくて休み時間もなく、帰宅したら子育てと家事に追われていた人も多かったでしょう。

僕は完全に自学自習で試験に臨みました。

参考書もブループリントと現任者講習テキスト、辰巳のテキストだけを頼りにしましたが、もっと数多くの参考書を読んだ人の方がアドバンテージを得られたでしょう。

ただ、たくさん参考書があったとしても学習する時間がなかったのが事実です。

精神保健福祉士試験や社会福祉士試験の過去問をやるといいよと知人に言われ、僕はやらなかったのですが、やってみた人は成果はどうだったのでしょうか?

結論を言えば、経験値だけではムリのあるテストでした。

諸外国のサイコロジスト試験も基礎心理学分野を重視していて、5割くらい出題する国もあります。

基礎、一般心理学では「初めて聞いたよ」か忘れていた用語を問われた問題は壊滅的。

実務経験値ではなく、この試験にチャレンジするために必要なのは多くの学習時間でした。

僕は使わなかったのですが、通学、通信教育の予備校はきっと有効だったでしょう。

僕よりも臨床経験がはるかに長く尊敬に値する大学の先生たち(会議ばかり、学会世話役で忙しいとぼやいていましたが、激務の連続の中、勉強時間は確保できたのでしょうか?)や先輩たちの試験結果はどうだったのかなあと思いつつ、聞き辛いので連絡しないでいます。


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また公認心理師受験者たちと話してみた・・・

もうそろそろ1カ月試験から経ち、試験の急性ストレス障害から立ち直りつある人もいるかもしれません。

難しい人もいるかもしれません。

たまたまちょっと僕が連絡係をやっているので、全国各地の心理職の人たちと電話で話す機会がありました。

やっぱり公認心理師試験の話にどうしてもなってしまいます。

お互い腫れ物に触るように「どうだったの?」と聞くのですが、若くて大学院修了間も無く学校で習った知識が新鮮な人たちが「・・・」

勇気ある人はそれでも自己採点をしてみて、結果として「6割なんてムリだった」という人は多かったようです。

別に僕の知っている心理職の人たちが周辺領域で働いていて心理の知識が薄い人たちというわけではありません。

みんなバリバリの心理系大学院卒業者で正に心理の仕事をしている人たちばかりです。

ここまで来るとなんだか「うーん」という感じですね。

辰巳に入力した人どころか別のサイトで採点していない人たちも多かったです。

今回の公認心理師試験にも出題された、サンプルの均等な抽出法に関する問題と同じですが、自ら入力、採点に臨める人はそういった意欲があるというだけで積極的というバイアスがかかっているように思えます。

何回か書いていますが、このままの基準だと公認心理師はいなくなってしまうのでは?

というぐらい悲壮な感じです。

僕の周りだけなんでしょうか?

こうやって結果を待つしかないというのも厳しいと感じました。

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※ 僕が好きな「アマチュア画伯」の絵(なんとか掲載了承済)

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公認心理師業務独占資格論

公認心理師が初めて誕生すると名称独占資格として、この公認心理師でない者が公認心理師、心理師を名乗ってはいけないことになります。

これに違反すると30万円以下の罰則を科せられるという規定があります。

(ここまでは受験した相談職の皆様が学習されたとおりです。)

さて、日心(日本心理学会)のシンポジウムでは「公認心理師の業務独占資格論」が一部から出ていました。

日心は今後の公認心理師のカリキュラム、シラバスを決めていく上で主導的な役割を果たすものと考えられるので、こういった主張にはかなりの重みがあり看過できないと思います。

ゆくゆくは業務独占資格としたいという主張ですが、今回法制化するに当たっても医師団体と心理職団体との激しいせめぎ合いがあった末のことです。

心理相談を全て公認心理師独占資格とするにはかなりの軋轢が生じるでしょう。

医師の医行為と心理相談との関連だけでなく、精神保健福祉士が行なう相談や、教育現場で行われている児童生徒の相談は業務独占との絡みでどうなるのかといった具体的な問題も発生します。

行政で実施している保健師の精神保健相談、看護師が初回面接を行っているクリニックもありますがそれはどうなるのでしょうか。

心理関係各学会、団体で独自に試験実施、認定している各資格との関係も考えなければならないでしょう。

「心理相談」とそれ以外の「医療相談」「福祉相談」「教育相談」とどう峻別していくかも難しい課題となるでしょう。

心理職が業務独占資格なのはドイツが典型で、心理療法士が8割開業をしていて、地域ごとに許可された場所に事務所を構えることができるという事情が関係ありそうです。

ドイツでは心理相談を心理療法士以外が行うと罰則が課せられます。

アメリカでもドイツでもそうですがサイコロジストになろうとすると教育にかかる費用は一千万円ぐらいを支払わなければならない、相当に高度かつ長期年数の教育を受けなければならない、資格試験が難しいという実情はあります。

公認心理師は法制化されて第一回の試験が施行されたばかりですが、日心シンポジウムのプレゼンテーションを見て大きな問題を投げかけられたと思いました。

今回の公認心理師試験でも心理団体からは受験資格を院卒者に限るようにするべきだ、また合格基準も試験の8割取得者に限るべきだという主張があったようにも聞いています。

多分来年から試験の難易度を上げるだろう、公認心理師取得のためのカリキュラムをかなり厳しく限定するだろうということは容易に予想されます。

専門性を高めていけば確かに待遇も良くなる可能性もあります。

ただし業務独占資格の議論が活発化するまでには多分日本では10年経っても相当厳しいという感触を心理の現場にいると感じます。

欧米サイコロジスト並みに心理職の専門性を引き上げていくためには相当の議論が必要でしょう。

サイコロジストとは別に学校で働くための比較的就職が容易なスチューデントカウンセラーを設けている国もあります。

司法領域では保護観察官になるハードルをある程度下げて人員を確保している国もあります。

日本では児童福祉にかかわる児童福祉司増員が予定されています。

児童にかかわる職員の専門性を向上させることも急務でしょう。

現状で児童福祉には全く人手が足りていません。

それでも一昔前のように誰でもいいから公務員を児相に児童福祉司として任用していて、営林署職員が素人で駆り出されて児童福祉司となっていた時代からやっとここまで来ました。

福祉資格に加えて公認心理師が児童福祉司には参入するでしょう。

専門性、人員確保の必要性というバランスから考えても業務独占資格論は大きなボールを投げられた思いはあるのですが、徹底した議論が必要となっていく事項となるでしょう。


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