心理カウンセラー・ひなたあきらからのメッセージ

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata★gmail.com(★を@に変えてください。)

◯ 地方臨床心理士会が公認心理師協会に名称変更で資格更新困難に

都道府県臨床心理士会名称が都道府県公認心理師協会になる、ということは地方公認心理師協会研修に参加しても臨床心理士の従来のカテゴリーの更新ポイントとしては認められないことになります。

こういった制度変更になるだろうと思っていたわけですが、日本臨床心理士資格認定協会に確認のため問い合わせてみました。

(電話)

Q「都道府県で多くの地方臨床心理士会が公認心理師協会に名称変更になります。その場合は今までどおりの臨床心理士の資格更新ポイントとして認められますか?」

A「今までどおりの『臨床心理士会』としての第2群の研修ポイントとしては認められませんが、第4群「その他の研修」として、その団体が申請してくれば認められる可能性があります。」

(以上)

臨床心理士の5年ごとの資格更新は以下の6群の中で3領域にわたって研修ポイントを集めていかないといけません。

① 日本臨床心理士資格認定協会が主催する臨床心理士研修会か心の健康会議への参加

② 一般社団法人日本臨床心理士会もしくは地区又は都道府県単位の当該臨床心理士会が主催して行う研修会等への参加⬅︎⬅︎⬅︎ ※ ここが不可能になります。

この②には当該地方臨床心理士会が都道府県公認心理師会に名称変更をしていくと②には認められず、④「本協会が認める臨床心理学に関する研修会への参加」になるということです。

しかも6領域の中で①、②のいずれかは資格更新のために必須です。

今後「地方でやっている研修に参加したから臨床心理士更新ポイントゲットだぜ!」と思ってしまい、①②を取り落としているとアウトです。

ちなみに③は日本心理臨床学会を含む心理関係学会参加や発表、⑤はスーパーヴァイジー経験、⑥は著作、原著論文出版です。

例えばの話です。

さて、沖縄県臨床心理士会も沖縄県公認心理師協会に名称変更されます。

地元の臨床心理士などで行っていた④の自主研修会、全国学会や九州で開催される学会に飛行機で参加しつつ③の学会参加ポイントを貯め、②の沖縄県臨床心理士会の研修に参加しながらポイントをためて更新していた人はもうその手は使えなくなります。

①、②のうち、中央団体主催の研修会か他地方で公認心理師協会に名称変更していない研修会に行かないとならないわけです。

「いろんな学会や研究会にあちこちの地方に行けて楽しみ」と思っていて職場から学会参加費が全額出る人は少数です。

勉強しなければならない、資格更新ポイントも貯めなければならないという自己研鑽&資格維持のために参加しているわけです。

多分どの地方臨床心理士会でも名称変更になればこういう困難が生じることの説明を一般会員は受けていなかったものと思います。

どこぞの地方臨床心理士会は地方公認心理師協会に名称変更にともなって会費値上げになったと聞きます。

先日問い合わせた厚生労働省からは「公認心理師と臨床心理士は同じです」と言い切られてしまいました。

国家資格公認心理師アゲが続きそうな世間の風潮で、臨床心理士会がさまざまに自滅していきそうな苦境に追い込まれていて、「この先、臨床心理士制度は大丈夫か?」と思うのです。
にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ
146AB4E9-88E8-4007-AA5C-E07E0501E24C

◯ 公認心理師協会って結局・・・

1.現場心理職みなさま方の率直な感想

さて、先日北海道や関東、いろんな地域の心理職の方々と公認心理師団体登録についてそれぞれの立場からあくまで個人的感想と見解を聞いてきました。

10人ぐらいの人たちと話していてみなさん「様子見」という中途半端な結論?を出していました。

ちなみに残念ながら丹野氏創設の「公認心理師の会」に入ると断言していた登録待ちの人はいませんでした。

「公認心理師の会に入るんだったら特定の学会で公認心理師向けの研修をやりたい人たちだけでやればいいよね」というコメントがあったぐらいです。

2.日本公認心理師協会に入るメリットデメリット

メリットは

⑴公認心理師をめぐる法律の動きがわかる

⑵研修情報がある

⑶求人情報がある

というところです。

みなさん感じていたデメリットは「金がかかる」「資格更新なしなので入る意味がない」

というものでした。

選挙中の日本臨床心理士会ですが、いくら代議員候補が「共同路線」「相互協力体制」を強調していても双方の団体に同時に入る明確なメリット、根拠はよくわからないままでした。

そもそも組織率6割の日本臨床心理士会に加入している人たちも臨床心理士制度をより良いものにしたいという意識超高い系の人は少ないわけです。

「臨床心理士会の開催する研修に出ると5年後の更新ポイントになるから入っておこうかな」とか「みんなが入ってるからなんとなく」という、流行っているラーメン屋さんには特に理由もなしにに並んでしまう「バンドワゴン効果」で入っている人も多いわけです。

デメリットは「金がかかる」に尽きるわけですが、今度は「公認心理師が重視されるから日本臨床心理士会もやめちゃえ、ついでに両方とも入らないで節約する」という人たちも相当出るのではないかな?

と思うわけです。

3.そもそもの疑問

日本公認心理師協会の定款に目を通してみたわけですが、制定は平成26年12月17日、一次変更30年9月24日、二次変更31年1月14日、ネットに公表されているのは最終のものです。

さて、変更前のものを見た方はいるでしょうか?

見たことがないので、どなたか教えて欲しいのですが、僕にしてみると知らないうちにいろんなことがあれよあれよと決まっていたブラックボックスのような団体に信頼性を置けるのか?

と思ってしまうわけです。

4.日本公認心理師協会の準会員とは?

まだ正会員として、公認心理師を受ける意思がある臨床心理士、学校心理士、臨床発達心理士、特別支援教育士も入会を認められます。

会長挨拶だとこれらの民間有資格者は日本心理研修センターの研修を受けてポイント申請をしたことがある人たちだから共通点がある、だからみんな仲間だよ、という趣旨を述べていました。

心理職の集合、融和という点を力説したかったのでしょうが僕の感想は「根拠として弱い」というものです。

平成34年9月15日以降も公認心理師を取得しなかった上記資格所持者は準会員になれます。

準会員はちなみに日本公認心理師協会の総会の構成員にはなれません。

民間資格ホルダーが公認心理師受験をするのに何か有利になるわけでもなく、その後は準会員として扱われる、この協会に入るのに公認心理師資格を持っていない人は「誰得?」団体になってしまうわけです。

僕も自己紹介する際には「◯◯学会会員」というような資料を作りますが「準会員」だと格好つかないなあと思ってしまいます。

5.僕なりの結論

平成30年8月19日に日本臨床心理士会と公認心理師協会を合体させるという日本臨床心理士会発議は否決されました。

でもそれ以前の平成26年12月17日には見たことがない定款ができていました。

とても不明朗な経緯に不信感を抱きます。

様子見大多数の新公認心理師を引きつけるメリットや根拠を示していかないと加入者は増えない、数がなければ弱い職能団体になってしまうでしょう。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ

A8CEDCBD-CD7E-422B-B2C1-18CC56EFBDAA

◯ 公認心理師は児童、成人PTSD連鎖構造にどう対処できる?

父親が捕まった、千葉県野田市の心愛ちゃん(享年10歳)の事案は安倍総理が児童福祉行政に全力を尽くし再発防止をしていくと記者会見をしています。

児童相談所に対する批判が報道されています。

そして児童相談所が悲鳴を上げるほどの児童福祉司1人当たりの担当件数の多さや児童福祉司が限界を感じる状態に追い込まれていることも同時に報道されています。

報道、個人ブログやツイッターを見ているとそのオピニオンは様々で、行政や学校批判に終始しているもの、警察権力などの強制力介入を早期に行うべきだったという意見も出ています。

心理職はいったいどの時点でこういった事案や、その後の子どもの人生にかかわっていけるのでしょうか。

1.兆候を発見した心理職の動き

公認心理師試験で出題されていた「通告ゲーム」問題、あらゆる段階で児童の福祉、心身が害されていると認めるときには通報しなければならないというのが公認心理師試験出題者の意図です。

医療機関、学校で発見したら子どもの福祉を考えて真っ先に主治医、チーム学校であれば管理職に報告するというのは正答するためのセオリーです。

しかし現実はどうでしょうか。

実は児童にかかわる現場では今回の事案のようなことがらは数多く起きています。

手の回らない児童相談所が「報告ありがとうございます」と電話口で対応、当該児童福祉司もどの児童に緊急に対応するのか優先順位を決めかねてしまうほど児童相談所の現場は多忙を極めています。

通告を受理する、動かなければならない、保護しなければならないという法的に定められている事柄が当たり前にはスムーズに動かないわけです。

地域児童家庭支援センターで相談に当たる相談員の公認心理師も今後多くなると思いますが、児童相談所の全てを補完することは不可能でしょう。

2.発見者が迷う場合

確かにこういった事案のリスクは貧困、再婚の連れ子や子どもが持つ障害など親と子どもが抱えているあらゆる心理、身体、社会的な問題と密接にかかわっています。

療育相談に当たっている心理職なら「育てにくい」「どうしても手が出てしまう」という親からの相談に乗ることは多いでしょう。

救命しなければならない子どもの命がある一方で、親の心理相談に乗りながらサポートする、家庭に子どもを戻す家族再統合で円満に解決させる、施設内で子どもを社会的養護を行う、障害を持つ子どもであればその療育も考えなければならないわけです。

複雑なさまざまな要因が絡まり合う中でどうやってもつれた糸をほぐすか考えているうちに事案は起きてしまうこともあります。

社会的養護の現状を考えると家族再統合で平和に片付けばそれが一番です。

3.事案が発生

心愛ちゃんの身体にもアザが見えたという報道があります。

こうなるともう事案は日常的に連続的に起きていたわけで、緊急性は確かに高かったわけです。

弱い立場の子どもがいくら苦しんでいても、警察力は非常に入りにくい部分があり、10年子どもを閉じ込めていた、手ひどい扱いをしていたとしても親が何ら責任を追及されないことも多いです。

子どもは幼くしてすでに重篤なCPTSD複雑性慢性型PTSDを発症、こういった親が絶対に子どもを手放したがらないことはよく知られています。

親は子どもが可愛いから手放したくないわけではなく、支配する対象がなくなることへの抵抗を示している場合が多いです。

4.心理職の役割

厚生労働省発表で20代〜30代前半で有病率3.1パーセントから4.0パーセント、かなり莫大なPTSDの患者さんがいますが、治療できる機関はかなり限られています。

何年も(数十年の場合もあります)与えられ続けた心的外傷の精神療法は相当な困難を伴います。

行政は発見段階での対応のまずさに今回かなり強い批判を浴びせ続けられていますが、心理職は発見段階から始まって、社会的養護施設内で、自立してもう親の呪縛を逃れたCPTSDのクライエントさんの精神療法も担当します。

ある心理職の前にそういった患者さんが来たとします。

「私の話を聞いてください。助けてください。救ってください。生き延びたいのです。」

さまざまな事案が連続して発生し、行政、福祉だけでなく新国家資格公認心理師は相当に強くて重い期待がかかるでしょう。

「カウンセラーには何もできません」と言えないわけです。

もちろん日々心的外傷を受けている人々に接している僕自身もそうなのですが、心理職の人たちは相当の覚悟であらゆる段階で傷を負うクライエントさんに持てる技術と専門性の限りを尽くして対応して欲しいと思います。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 心理カウンセラーへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ

D30F1050-9D6F-47CA-966D-B271ADA10B78


↑このページのトップヘ