カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

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◯ 第3回公認心理師試験への厳しい見通し

僕に対して「こいつは下方修正論を主張したり、今度は厳しい見通しを言ったり、ふらふらしていて一貫性がないなあ」

と思われるのを承知の上で書きます。

今年の公認心理師試験受験者はほぼ予測どおり1万7千人でした。

第1試験から第2回合格率の激減は当局としてはいろんな説明のしようがあり、第2回試験の水準が本来のレベル」「今回はたまたま」「受験者の質なんじゃないの?」

などなどで、試験結果はもう二度と覆ることはあり得ません。

さて、今回の46.4パーセントという合格率は僕にとっては意外だったのですが、合格率という点では第3回試験結果はきっとさらに厳しいものになると思います。

ただし、「厳しい」というの意味は、試験が突然難化するという意図で言及しているのではありません。

多分、ですが試験そのものは今年と同じくらいの水準ではないかな?と思います。

合格率の低さ、そして周囲からの話を聞いていると公認心理師試験に惜しくも不合格だった方々が第3回にも再チャレンジするだろう、ということです。

それだけ国家資格としての心理資格は魅力的です。

ここでもカギを握るのがGルート再受験者だろうと思います。

第1回試験Gルート不合格者を試算すると4,658人

第2回試験Gルート不合格者を試算すると6,583人

になります。

Dルート受験者は心理専修大学院卒者、多分現在心理職として働いている人々でしょう。

Dルートのこの人たちは元々の心理プロパーなので第1回、第2回受験で敗退していたとしても再チャレンジで合格する確率は「多分」高いです。

Gルート受験者はかなりのコストをこの試験に費やしています。

受験資格を得るための現任者講習参加にかけたコストが7万円+交通費、宿泊費、仕事の休業逸失利益+受験費用28,700円、現任者講習テキスト、参考書、公認心理師模擬試験、通信講座、予備校などなど勉強すればするほど大きな金額が費やされています。

しかも受験回数が制限されていて、あと3回のチャレンジで終わりとすると、僕ならば何がなんでも受験します。

これはGルートに限ったことではありませんが、1度試験に落ちた人はまた試験に通らない確率が高くなってしまうという事実があります。

1回試験に落ちた、そこで奮起して猛勉強して再度チャレンジして合格したという人たちを公認心理師試験でも臨床心理士試験でもその他の国家試験でも数多く見てきています。

個別に見ればリチャレンジャーで成功する人たちは多いのです。

全体で見た場合、様々な複合要因で合格率が落ちてしまうことは様々な類似試験結果を精査すると確からしく思えます。

心理専修で学んで来なかった人たちにとっては今回の公認心理師試験は内容的にもかなり厳しいものだったと思います。

「心理統計はムリ」「基礎心理学はわからない」「心理テストは不勉強」で1点を落とすとその1点が命取りになりかねない試験でした。

今回不合格だった方々が同じ構え、学習方法で受験すると危ない試験です。

しかしわからない事柄をゼロから覚えるのは大変困難というジレンマもあります。

今回合格率が低下していたので次回受験者も今回同様の数値という予想も識者から出ています。

試験レベルは変わらない、しかし再チャレンジする人たちの労苦が選択式の試験で評価されるわけでもなく、合格率は全体として、ひょっとすると30パーセント台になる可能性もあると思うのです。

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◯ 公認心理師現任者Gルート受験者資格はなぜ曖昧なのか?

公認心理師現任者Gルートはあまりにも曖昧な受験資格なんじゃないの?

という批判は根強くあります。

公認心理師受験に必修の科目を大学院で修められなかった現任臨床心理士救済措置のために現任者ルートを確保していただけかというと、それだけではありません。

公認心理師カリキュラム検討委員会議事録を改めて読んでみると現任心理職数万人がいる中で、臨床心理士でなくとも、精神保健福祉士も心理相談業務を行う現任者として想定されています。

臨床心理士と精神保健福祉士の資格を重複して所持している人々が全体の4分の1〜5分の1程度で占められていることについて、精神保健福祉士の受験を認めないわけにはいかないだろうし、業務独占でない公認心理師制度は精神保健福祉士や精神科医が行う心理援助業務を否定することはできません。

公認心理師受験資格を臨床心理士に限らないということは議事録中には明記されています。

週1回、ボランティアでも反復継続的に心理業務を行っていたことが証明できればよいというのがカリキュラム検討委員会の考え方で、日本心理研修センターもボランティアを現任者として認めていて、Gルート受験資格はそれに沿ったものになっています。

検討委員会の中で割と年配の委員(北村座長)が、もうまもなく心理職の職業人生を終えようとしている人はもういいかなあという人も多く、そういった人たちは受験しない。

それはそれで人生の選択なのでいいのではないかと思いました。

僕の記事を読んでいる方も指摘していたことですが、第2回試験のD2、大学院新卒ルート合格率58.5パーセントで、確かにこれは臨床心理士と同じぐらいの合格率なので、試験当局としては十分な説明根拠となる合格率で、この試験内容の正当性を主張できる根拠となりました。

カリキュラム検討委員会では定められた26施設のうち、職種としては児童相談所などを含む心理専門以外について取り上げられていました。

ただし実際に心理相談業務に当たっている看護師、教員、作業療法士などは言及されていませんでした。

それでもGルートだけで第1回、第2回試験を含めて2万7千人以上の合格者が出ています。

僕も一人一人について受験資格を精査することはできないと思いますが、本人からでも所属長からでも誓約書を出させればこれでもかなり「真の現任者」を絞れたと思います。

僕は心理業務専属者以外にもこの資格を付与して裾野を広げてもいいと考えます。

公認心理師の知名度や数が広まらないと公認心理師として活動していく実働人員は確保できません。

ただし、明らかな詐称はダメです。

結局このままだとよく勉強した非心理専門職が公認心理師試験では心理専門職を駆逐してしまうかもしれませんが、「大学院レベルの知識とセンス」は試験成績でしか推し量れないというスタンスということは事実です。

あとは試験が真っ当な心理職の知識とセンスを持った合格者を検出して選び出せることができるかどうか。

受験者ももちろん試験で試されていますが、試験のありようや出題内容、傾向、そしてこの資格の持つ意味合いも国民全体から見られているわけです。

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◯ 公認心理師不合格だった保健師E先生

E先生からスマホに着信

E先生「ひなたさん?私(別棟の)カウンセリングルームに今日は出勤してるんだけど、4時からの面接キャンセルになっちゃったのよ、こっち来ない?」

(僕のこの勤務先は複数の相談員がいます)

僕「はあい、僕これから面接だから終わったらそっち行きますね」

ー1時間後ー

僕「というわけで女性カウンセラーを希望しているクライエントさんなので先生にカウンセリングお願いしますね」

E先生「うん、わかった。でね、ひなたさんね、私公認心理師落ちちゃったのよ」

僕「えっ、E先生、保健師だし精神保健福祉センターでもキャリア長いからてっきり大丈夫かと思ってたんだけど」

E先生「3点足りなかったのよお。医学とか統計なんかは保健師の分野だからすらすら解けたけど」

僕「ふんふん」

E先生「ひなたさん悪いわねえ、参考書まで貸してもらったのに」

僕「いや、ごめんなさいね、こんなに難しいレベルになると思わなかったから。参考書もいろんな受験生の人たちからあとから聞いたら基礎心理学ばっちりの有斐閣の心理学とかナツメ社のテキストが良かったみたい。心理学検定は一問一答式もおススメらしかった」

E先生「ひなたさんも今回の問題解いてみたの?」

僕「うん、電話が途中で入ってきたり用事があってあちこち移動しながら問題急いでやってたらミス続出で、正答選択を問われていたのに誤答を選んでみたり」

E先生「そうそう、私司法とかはね、苦手分野だし、事例とかも曖昧な選択肢多かったじゃない?」

僕「うん」

E先生「私パニックっちゃってねえ、だからケアレスミスだけで5問ぐらいあって、あれがなければ良かったのに」

僕「うん」

E先生「で、どう考えてもわからない問題に引っかかって先に進めなかったり」

僕「普通の受験と同じですよねえ」

E先生「この年になってこんなに本格的に受験勉強するとは思わなかったわよー、でもね、第3回で私絶対受かるから。もしダメでもギリギリ5回まで粘る」

僕「はい、ぜひ頑張ってください」

※ E先生は数年来僕と一緒に仕事をしていますが、特に若い女性のクライエントさんに頼りにされているカウンセラーの先生です。

臨床心理士資格は持っていませんが十分に現任者と言える心理相談業務を20年以上しています。

受験動機は「私のところに来ているクライエントさんに安心して欲しい、信頼して欲しい、公認心理師の勉強を通じて専門知識を深めたい」

難しかった第2回試験に不合格だったからといって諦めずにまたリチャレンジするという姿勢は素晴らしいなあと思い、ぜひ第3回に再挑戦して欲しいなあと思いました。

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