カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

52269793-D289-4A4C-82F0-E12D909BB594

第2回公認心理師試験はどうして難しかったのか?

「ブループリントには書かれていなかった用語ばかりが出題されていた」

「公認心理師用の参考書を読んでもムダだった」

という意見をよく聞きましたが、なぜ今回の試験がこれほど難しいと感じられたかについて考えてみました。

まず受験者側の要因としては、心理、教育、福祉系の人たちは文系出身者で統計は得意でないと述べる人が多いです。

問題数が少ないように見えても統計を捨ててかかると命取りです。

統計おける尺度とはどういう概念で、どんな時に使われるのか?

どんな場合に分散分析が必要なのか?

回帰分析とは?重回帰分析とは何か?

についても「実際に検定を行う際には統計的手法にどんな意味があってどの統計を使用するのがふさわしいのか?についてまで徹底的に理解しておく必要があるでしょう。

統計を実際に使用した経験が実際どの検定法でもあればいいのですが、たとえそうでなかともどんな時に判別分析を使用するのか、数量化Ⅰ類、Ⅱ類についても理解しておく必要があったでしょう。

統計を勉強する過程で自然に実験計画法も身についていたでしょう。

僕の後輩でも「統計は捨てた」と言って試験に臨んだ人がいましたが結果はかなり厳しかったと言っていました。

次に試験の内容について触れてみます。

1.心理テスト

心理テストは僕が職場で購入しているもの、使用しているもの10倍以上がテスト領域に出ていました。

以前勉強法のところで述べましたが心理テストは100種類ぐらいは網羅して心理テスト販売会社のカタログを読んで、それでもわからないところがあればきちんと当該心理テストの理論、測定対象、内容、利用法も理解しておかなければなりません。

ウィスコンシンカードソーディングやコース立方体検査はその用途に合った職場にいなければ使用しないテストですが、だから知らなくていいというわけではありません。

広く深くが心理テスト出題の要だったと思います。

2.基礎心理学

心理学史は公認心理師用のテキストをさらっと流し読みしただけでは間に合わなそうです。

基礎心理学書を数冊読んでおかなければならなかったのでは?

知覚、特に記憶は毎回の頻出問題です。

4.生理心理学、社会心理学、教育心理学

脳、神経系、生理心理学は独立分野として医学的、生物学的な理解が必要でした。

社会心理学や教育心理学も公認心理師テキストでさらっと読んでおいても得点できなかったと思います。

社会心理学も教育心理学もその専門学習のためのテキストを読んでおかなければならない難しさでした。

5.臨床心理学

毎回来談者中心療法から派生したフォーカシング技法創始者のジェンドリンが出ていますが、来年出るかはわかりません。

各心理療法の概要は必修だと思いました。

第1回はサイコロジカルファーストエイド、第2回はトラウマとPTSDがキーワードだったと思います。

次は?というヤマ賭けはできません。

緩和ケアやモーニングワークについては「理解した」ではなく深く理解してチームの一員になれる知識が必要です。

6.精神薬理学

副作用について多く出ています。

今回は筋緊張異常のジストニアが複数出ていましたが、賦活症候群、錐体外路症状(運動過少か過多の不快症状ジスキネジア、アカシジア)、口渇感、便秘などの抗コリン作用、乳汁の分泌や男性性機能障害の高プロラクチン血症、悪性症候群、セロトニン症候群も必須学習領域と思いました。

このあたりは一度覚えてしまえばおいしい得点源だったのだろうなあと思います。

7.関連法規・制度

教育、医療、福祉、労働は法とその解釈を読み流すのでは難しかったでしょう。

民法の家族法、家事手続法も出題範囲でした。

8.結語

「知らない分野は捨てた」ということができない試験でした。

ブループリント用語だけでなく関連知識、ひごろから5領域の知識やニュースに幅広く触れ、わからないところがあればどんどん深めて調べていく、この試験では能動的、活動的な心理職の姿勢が求められていたような気がしたのです。

このブログで読者の方からのご指摘を受けたとおり、試験に出なくてもその10倍の範囲の勉強が必要なのだと思います。

CE2A17A8-FBE6-4C24-9690-B189B2D01231

◯ 第2回公認心理師試験受験生の不満-2

合格発表まで日が押し迫ってくるに連れて今回の受験生のみなさんの不満、不安などはだんだんと一方向に集約されていっているようです。

タイトルには「不満」と書きましたが、実際には「絶望感」「怒り」というネガティブな感情すら入り混じっているような気がします。

以下それを挙げてみます。

1.どうして誰も聞いたことがないような用語ばかりが出題されるの?

ブループリントに掲載されている用語は予習した受験生の方々はきちんと調べて網羅して知識を身に付けたでしょう。

ブループリントの範囲から完全に外れているかというと、拡大解釈すればSOAP、マルトリートメントや各種心理検査も十分範囲内だと出題委員側は言えるでしょう。

それでも「なんでどの参考書や問題集を見てみても何ら掲載されていない範囲が出ているの?」という不満は頻出しています。

2.第1回公認心理師と問題の水準が違うじゃないの?

1回目の試験は合格率ほぼ8割、北海道追試は6割5分近く、北海道追試は本試験よりも難しかったんじゃないの?

という声も聞きました。

そして今回の試験はさらに難易度が高くて得点を取りにくかった。

それは僕も自分で解いて思いましたし、多くの方々からそういった感想を聞いたので「今回の受験生の質が低い」とは毛頭感じていません。

合格率はとても低くなるのでは?

という受験生側の危惧も聞いています。

3.出題委員側の説明責任

これについては説明責任は「ない」ということで終わるでしょう。

どんな国家試験もそうですが「どうしてこんな難題を出すの?」

という問いに答える必要はないからです。

ただし、どういう方針で第1回と第2回が変わったのかについては相当に疑念を抱いている人々が多いでしょう。

4.試験から見える公認心理師像の不明朗さ

実務経験5年以上Gルートは週1回のボランティアでもOKとしたほど基準は緩いわけです。

指定大学院を出ていることが条件の臨床心理士とは緩い割には試験はクセがあって難しかった。

それでは第2回合格率はどんな風になるの?

というのは誰もが気になるところです。

あまりに第1回と第2回の合格率が乖離していたら試験としての一貫性がないと思われかねません。

5.課題

結局のところ公認心理師試験の合格基準はほかの国家資格試験と違って「厳密に6割」とも「合格率を考えて部分点を与えようか、それとも合格点数を引き下げようか」など一切発表がないので疑念が膨らむわけです。

第1回公認心理師試験では2万8千人のうち未登録者が約4千人、今度の1万7千人の受験者層をどう扱うかは官の側の一存で、何もわからないという手探りの状態が気になっているのでしょう。

試験結果発表はもうすぐですが、結果にともなう首尾一貫した姿勢があるかないかは受験生でなくともこの制度に興味を示している人(つまり国民全体)ならば誰しも気になります。

E8CDC33E-7B57-49CC-8BB7-BA9C2A95592D

※ 各社から第2回公認心理師試験解答速報が出ています。

適宜最新の情報による修正なども行われていますのでご参考ください。

こころJOB
第2回公認心理師試験 解答速報実施のお知らせ
https://cocoro-job.jp/test/1026/

プロロゴス
公認心理師解答速報 2019.08.05版(08.10修正)

【公認心理師】LEC神戸版の解答をアップします(神戸) →New!

2019-08-11 03:51:52
テーマ:LEC公認心理師・心理系大学院対策
えいめい教育研究所(心理・M部門)神戸威行
https://ameblo.jp/gohdontake/entry-12504363322.html

IPSA
2019年(令和元年)公認心理師試験 解答速報
https://ipsa-yobiko.com/news/1424/

和光大学青年心理学研究室
高坂康雄先生
http://blog.livedoor.jp/kosakayasumasa/
※ 解答速報だけでなく各問題の解説もされているサイトです。

辰已法律研究所 &京都コムニタス
解答再現サイト
https://sinri-store.com/info/2019%e5%b9%b4-%e5%85%ac%e8%aa%8d%e5%bf%83%e7%90%86%e5%b8%ab%e6%9c%ac%e8%a9%a6%e9%a8%93%e3%80%8c%e8%a7%a3%e7%ad%94%e5%86%8d%e7%8f%be%e3%80%8d%e3%81%ae%e3%81%8a%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%9b/

↑このページのトップヘ