カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

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開業公認心理師領域シンポジウム 北川清一郎先生

初日の心理臨床学会、自主シンポジウムの北川清一郎先生の開業領域と倫理などについて、公認心理師法との関係について聞いてきました。

話題提供の開業の先生方の話も聞いてきたのですが、僕にとってはかなり興味深いテーマでした。

というのも公認心理師法42条第2項の「主治の医師の指示」と開業領域の先生方の見解について聞きたかったという理由ががあったからです。

オフィスKの北川清一郎先生ですが、ホームページサイトの写真を見ると幾分怖そうなスキンヘッドで「こいつには逆らっちゃなんねえ」というオーラがあったのですが実物の北川先生を見るととても笑顔が素敵で暖かく柔らかな先生でした

フロアからの質問時間があったのでかなり僕からの多数の質問をしました。

主治の医師の指示について、精神神経学会からは医行為と公認心理師の支援行為についてかなり細かなところまで言及されています。

そこで公認心理師がクライエントさんについて情報提供をすることが「医行為に当たらないか?」

という疑問です。

それから厚労省・文科省のガイドラインによると秘密保持義務と主治の医師の指示との拮抗が起こった際にはクライエントの「主治の医師からの指示の必要性等について丁寧に説明を行うものとする。」

とありますが、日本精神神経学会のこの運用基準に対するコメントとしては「7)「(要支援者が主治の医師の関与を望まない場合)主治の医師からの指示の必要性等について丁寧に説明を行う」という記載について(4-(5)。
公認心理師は、法の趣旨、主治の医師の責任性等を丁寧に説明して、主治の医師が関与 することについて、要支援者の同意を得なければならないと変更すべきである。

とあります。

あのねですね、「同意を得なければならない」というのはクライエントさんのマインドコントロールしなくちゃいけないワケ?

と思うのです。

厚労省ガイドラインでは公認心理師が服薬指導は行わないと書いてあるのですが、じゃ、何度も書いているのですが「あそこのクリニックの医者の言うことなんか聞かない。カウンセラーの先生にだけ話すけど薬全部捨ててる」と言われたらカウンセラーはどうしたらいいの?と思うわけです。

「ここだけの話」には心理職はクライエントさんから当然秘密保持義務で縛られます。

服薬指導はできない、でもその情報を伝えられない、それが主治の医師との連携を欠くということだと公認心理師法上では資格停止、剥奪要件に該当します。

何すりゃいいの?

というのが大きな疑問です。

この公認心理師法についてのパプリックコメントでは

主治の医師はどうやって指示を出す義務があるの?

という質問に対して行政は「公認心理師法では主治の医師に義務は課せられていない」ので医師は何の義務もない。

と明言されています。

公認心理師の行為と医師の指示に不服従、あるいは懈怠による不服従については公認心理師は民法上債務不履行、そしてもしクライエントさんが自死した際にはこの公認心理師法の規定によって不法行為による損害賠償責任が発生すると思われます。

と長々と質問をフロアから質問したのですが、北川先生はかなりクリアカットに服薬指導について対象関係論的な回答をしていただきました。

僕が思うのですが、処方は医師からのプレゼントです。

クライエントさんは薬の事を話したがる、それは確かに医師との対象関係を語ることだと思います。

いつもそう思うのですが開業領域は第6の心理療法の中核領域です。

そして精神分析学は心理職の必須学習分野です。

僕の長い質問にも嫌な顔ひとつせず笑顔で温厚にしていた北川先生はさすがと思いました。

ブログを始めてからリアルな心理職の先生との意見交換の場はなかったのでとても有意義な機会だったと思います。

公認心理師倫理も不分明な今、倫理についての北川先生のコメントはとても役立ちました。

以上、学会1日目の所感でした。

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◯ 臨床心理士制度は危ない

「何度も同じネタで書きやがって」と思うかもしれませんがまた別の情報源から聞いたので。

今日は心理職の集まりがあり、日本臨床◯士会の某偉い人からここ4年ぐらいの臨床心理士中枢部の話し合いの様子を聞きました。

結果としては「臨床心理士制度はとても危ない。今後どうなるのかわからない」とのことで、話を聞いていると僕もそういった印象を受けました。

そうすると、「うーん、やっぱり心理職の人たちは公認心理師ホルダーに乗り換えた方がいいのかなあ」

と思いつつ、Gルート現任者の中には心理職大学院卒でない人も多いわけで、心理採用側でそれを躊躇するところが多いのも事実です。

公認心理師試験Bルートの養成課程が始まったばかりでその学生さんたちが公認心理師になれた時が制度の本当のスタートになります。

そして制度見直しとなるわけです。

以前書いたように公認心理師誕生バブルに合わせて児童心理司の採用が増加、ギャンブル依存症対策やDV対策など臨床心理職が脚光を浴びつつあります。

今は他学部からの臨床心理院入学者で公認心理師が取得できない人にもチャンスが大きいですし、両資格の端境期という気がします。

実際、僕の周囲の心理職の人々は転職先を探しては放浪している人々も多いわけですが、転職市場では常勤⇔非常勤の流れがかなり良くなっているような気がします。

そう考えると臨床心理士ホルダーのみの人々は就活をして長めに働けるような職場を探しておくとキャリア形成のためには一番いいのではないかと思います。

偉い人も「臨床心理士制度が潰れる」とまでは断言していなかったものの、ごにょごにょ言っていたので、ちょい危なっかしいと思いました。

臨床心理士のみホルダーの人が素早く転身できるチャンスは多分公認心理師制度の見直しに入るこの5年の間なのではないかと思います。

今ならば臨床心理士という資格はどこに就職する上でもまだかなり大きなアドバンテージになっていることは確かです。

これが5年後以降だと「どうして公認心理師じゃないの?」と聞かれる可能性が高くなります。

もともと何の心理職資格も求められていない国家総合職、地方上級職の心理の人たちは今働いている職場をそのまま続けるべきでしょう。

公務員試験に受かる実力がある臨床心理士の人は頑張って試験に合格してしまえばそのまま一生働けます。

ちょっと小耳に挟んだオフレコ話なので詳細は書けないのですが、少なくとも今年から5年間は情勢を注視しておかないとならないようです。

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◯ 第38回心理臨床学会・公認心理師制度について等

(おうちでおいてけぼりお留守番になる千美梨ちゃんの心象風景を絵にしたもの。本人談)

曰く「私はいつもあなたがいる間は紫を背景にした黒い嵐が渦巻いてるの、あなたがいない学会の間は青空に太陽が出ていて花が咲き乱れてるんだから」

僕「今年の学会は6日から横浜だなあ」

ちみ「いいなあ横浜、みなとみらいなんでしょ、私聘珍楼の飲茶に行きたい」

僕「僕1人じゃ聘珍楼は行かないなあ」

ちみ「そうね、あなた吝嗇心理士だからせいぜいコンビニね」

僕「うん」

ちみ「女とデートしちゃダメだからね」

僕「えっ、そんな予定ないし僕モテないよ」

ち「ふうん、謎のパワー使って女たらしこんだりするんでしょ、あなた女グセ悪いし」

僕「そんなことないよお」

ち「もう知らない、タウンシップ(まちづくり育成ゲー)で列車から注文受けたから私忙しいの、話しかけないで」

僕「・・・」

心理臨床学会は今のところ僕が年イチで行けている学会です。

ほかの学会にはちょこちょこ予算に応じて出ているという感じでしょうか。

去年は「ズルイ、私神戸牛!」というリクエストでちみちゃんと一緒に行きましたが、今回は単独です。

前回の学会は公認心理師試験直前だったので廃人同然でイラついていた僕を見てちみちゃんに「学会についてくる=コワイ」という負の条件付けをしてしまったのかもしれません。

学会は最新の心理臨床の動向を知るという点ではいつも勉強になります。

思えばそう言えば昔は福岡の学会に出たなあと思ったのですが、何しろ3万人近い大学会なので横浜パシフィコと神戸ポートピアぐらいしか会場が借りられなくて横浜を2年連続やってから神戸というローテーションになっています。

(ただし、次回、次次回は横浜なので今後横浜一択の可能性もありますが、そういった確定発表はないので先々はわかりません)

そういえば沖縄でやったこともあったなとか京都もあった、つくば大学もあったなあとかうろ覚えなのですが、今後この学会の行く末はどうなっていくのでしょうか。

仮説1としては

新公認心理師がこの学会に流入してきて学会は盛んになる

仮説2は

公認心理師ホルダーで臨床心理士を更新しない人が増えるとこの学会参加で臨床心理士ポイント申請する必要性がなくなるので学会を退会して衰退する

仮説3は

とりあえず研究熱心な人の層は変わらないから仮説1.2を踏まえても総数は変わらない

というところで、いい塩梅としては3.ぐらいで横浜開催がちょうどいいぐらいでしょうか。

総発表数を数えるのが面倒なので手元にあるここ3年間のプログラムを見てみるとほぼ同じ厚さなのでまあ発表数も同じぐらいなのかと。

ちなみに、心なしかポスター発表(模造紙みたいな紙に研究結果を書いて並べてある展示発表)が多いような気がして、大学の偉い先生の立派な研究がポスター発表というところを見るとこれは発表数が多過ぎてポスター発表に回されてしまっているのかと思い、学会に電話して聞いたところ「そのようなことは滅多にないです」とのことでした。

さて、僕の今年の学会参加の目的としてはなんといっても公認心理師関連のシンポジウム、発表などに参加することです。

一般公開学会企画シンポジウム

公認心理師養成における「心理実践実習」と「心理実習」の実際
-養成機関と関係団体、心理臨床現場とのコラボレーション-

は厚生労働省担当者、大卒後の実務経験施設として認定されている弘前愛成会病院院長、ソーシャルワーク専門家、心理実践実習および心理実習の実習指導マニュアルと実習記録ノートについてということで、かなり実務的な内容かつ養成機関への期待や問題点が語られることになると思います。

会員のみの参加資格を認められているシンポジウムや口頭発表については会員のみ情報なので詳細をここに記すのは控えます。

ただ、今回の学会では公認心理師関連のプログラムは多くなっています。

これは当たり前のことで、制度がスタートしたので今までは臨床心理士や公務員心理職(非臨床心理士を含む)、現職のなんらかの心理相談員が中心となっていた学会に公認心理師が多く入ってくる可能性があります。

これまで心理職を専門としてきた心理職に加えて、心理相談業務を従としてきた人たちも心理職資格を取って心理の世界が構成されていくわけですから世界は変わるわけです。

(余談)

A君「現任者講習会に出た時に福祉の人が『尺度ってナニ?』って言ってたって話したじゃん」

僕「うん」

A君「そのうち『サリヴァン(精神分析学者)って誰?』っていう時代来るかもね」

僕「公認心理師試験に出題されてたし、また出そうだけどね」

A君「全部知らなくても合格できるから」

僕「そうだね」

A君「そのうち『箱庭ってナニ?』とか『河合隼雄って誰?』って時代が来るかもね」

僕「あーわかる、『ロールシャッハってナニ?』とかね」

A君「ところで僕らの発表聞きに来てね」

僕「その時間は他の発表聞きに行きたいからヤダ」

A君「・・・」

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