ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

このブログ運営者は産業と医療の中間領域のようなところでカウンセリングを行っている、世界の謎を解き明かす心理職です。

これまで司法、教育、福祉分野での心理職経験もあります。

このブログのテーマは僕が専門としている心理学に加え、スタートしたばかりの公認心理師制度の検証、カウンセリング全般についてです。毎日更新を目指しています。誰も読まなくても書きます。もし評判が悪ければ反省してやはり毎日書きます。コメントは他者の誹謗中傷でなければ掲載します。僕へのクレームは大歓迎。掲示板がわりに使っていただいて構いません。

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◯ 公認心理師お断り

心理職求人は様々な媒体で出ています。

公認心理師もかなり心理職の応募条件の資格の中に入るようになってきましたが、公認心理師は条件外で臨床心理士のみの募集もあります。

僕自身もそういった病院や事業所をいくつか知っているのですが、全く初めて知らないA病院に電話して聞いてみました。

なかなかの高待遇の条件でした。

僕「臨床心理士の求人をしているようですけれど公認心理師で臨床心理士資格がない人は応募できますか?」

採用担当者「公認心理師はできたばかりの新しい資格です。いろんな人が公認心理師にはなっていると思います。今後どうなっていくかわからないので応募条件には入っていません」

という回答でした。

他にも大規模事業所で公認心理師採用を見送ったところがあると聞いています。

知人の採用担当者から内情を聞きました。

いわく、臨床心理士は大学院卒、その後の職歴によって初任給の給与が計算できるので今まで採用してきた。

公認心理師資格のみの応募者だと学歴も職歴もどうやって評価したらいいのかわからない。

うちは週1のボランティアを職歴として認めることはできない。

浅い経験を「これまで心理の仕事をしていたから」ということでの給与加算ができない。

初任給給与計算が不可能。

ということでした。

全部の調査は不可能ですがいまの過渡期に公認心理師のみの資格で採用をしない事業所はかなり多くあると思います。

あとは国家公務員総合職や家庭裁判所調査官は、独自の採用試験を行うのでこれまで臨床心理士を採用しても待遇に何の変化もなかったように、公認心理師についても同様の扱いをすると明言しているところもあります。

資格の有無ではなく、試験点数、面接の加点で採用し、勤務状況によってこれら公務員のその後の処遇は決まるとのことです。

ちなみに地方公務員は資格職採用もしているのでどういった扱いになるのかはわかりません。

さて、公認心理師を採用しないと明言している応募先はGルート現任者の採用についてためらっているのでしょう。

新しい資格よりも院卒で心理教育をしっかりと受けている臨床心理士を優先しているわけです。

学校教員が教育相談を行った、相談室相談員(学歴不問)がその勤務実績から公認心理師取得もできたでしょうけれども病院や産業臨床で即戦力として働くのは困難でしょう。

私設心理相談室も定款がしっかりしていれば経営コンサルタントや人材派遣業務から横滑りした相談室相談員でも応募できた場合もあるかもしれません。

施設コード501産業領域で「会社で相談していました」901官公庁での「心理支援をしていました」の中身は怪しいということは以前に書きました。

企業でも官公庁でも名目上「◯◯相談員」という役職をもうけている場合があります。

実質上の機能がどうだったかの審査はありません。

かなり難しい試験だったことは事実ですが、心理学検定や現任者テキストをかなりしっかり勉強して国語力センスがあれば138点ちょうどでも合格です。

企業人事担当者で心理とは関係ない学部卒の人が合格したという話も最近聞きました。

さて、公認心理師ライセンスの価値はどうなるのでしょうか。

新しい資格だから様子見でまずは「お断り」している間に期間が徒過してそのまま公認心理師お断りになってしまう組織もあるでしょう。

組織は一度採用制度を定着させてしまうと変化しにくくなります。

そして5年後の公認心理師制度見直しの際に「価値が高くない資格だったね」と評価されることを危惧しています。

かなり成立するまでに難産だった、受胎期間50年(100年説もありますが)資格です。

資格成立をさせた諸機関は、資格ができたから終わり、ではなく公認心理師資格を形骸化させないため、各機関で円滑に公認心理師が働けるよう、定着にも力を注いで欲しいものです。
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第2回公認心理師出題委員の傾向を探る

昨日2019.2.25第2回公認心理師試験出題委員が発表されました。

1.医療領域

委員48人のうち医師(文系心理学大学教員を含む)が17人、つまり出題委員のうち35.4パーセントが医師ということで「医師が音頭を取る、心理専攻者だけに試験を任せないぞ」という意図を読み取ってしまいます。

まず赤木試験委員長が医学部教授、
本当に心理師の試験なの?と思ってしまいます。

公認心理師試験は精神科医師の出題委員が多くいるということで、脳科学、脳内伝達物質、精神薬理学、精神病理学はかならず出題されるでしょう。

終末医療、リハビリ、ALS 筋萎縮性側索硬化症専門の大生院長がいて身体医学、リハビリテーション医学もきちんと勉強しておかないとならないでしょう。

ALSのように必ず死に至る、ADL日常的生活動作水準が著しく低下する疾患のメンタルケアは必須です。

第1回試験では訪問看護チームに加わった公認心理師のアセスメントについて出題されていました。

難病情報センターでブループリントに掲載されている身体疾患についてはきちんとひととおり目を通しておいた方がいいと思います。

単に「医学教育」と専攻について書かれている医学教官もいますが、医学教育は公認心理師試験では出ないだろう、と看過してはいけません。

医学教育の基礎には医療倫理が必修になります。

インフォームドコンセント、医療情報取り扱い、医療事故防止、医療関係法(医療法、精神保健福祉法、精神科入院要件)など医療関係倫理と法律は必出なので総ざらえしておく必要があるでしょう。

国際疾病分類がICD-10からICD-11に変わりました。

新制度は定着するまでは国家試験では出題されない傾向があるのですが、触りだけでも目を通しておくといいでしょう。

ここまで医師の出題委員が多いと精神科領域の医師国家試験は少なくとも見て読んでおくといいと思います。

2.司法・産業

司法・産業は手厚いと思います。

元家裁調査官、保護観察官、法務省矯正局職員の大学教員が試験委員になっています。

公認心理師試験でひごろ自分とかかわりがない分野と思わずにきちんと学習しておかないと取りこぼします。

産業領域も手厚いです。

ストレスチェック制度、職場のメンタルヘルスについて5人程度の委員が担当しています。

医師国家試験は疾病についてだけでなく地域医療や福祉法制にかかわる部分も出題されていますので大いに参考になるでしょう。

3.福祉

地域医療、児童福祉、地域包括ケア、多職種連携、訪問看護などがテーマでしょうか。

4.教育

発達障害は医師の委員も心理学の委員もいます。

特別支援教育を認知行動療法的にどう扱うか、学習理論と教育との関係なども見逃せません。

4.心理療法

心理療法では認知行動療法専攻者の出題委員一辺倒です。

筑波大学沢宮教授の情動行動療法(REPT)はマイナーな精神療法ながら概略はつかんでおいた方がいいかもしれません。

出題委員の専門にかかわらず動機づけ面接は頻出の重要領域という気がします。

沢宮委員が動機づけ面接の専門家です。

フォーカシング研究者が2人います。

5.心理検査

心理検査は出題委員の傾向にかかわらず必ず出ます。

6.その他

出題委員にかかわらず、森田療法、各種心理検査、心理学史、基礎心理学は必ず出るものと思っておいた方がいいでしょう。

精神分析そのものは出ないかもしれませんがSullivanなどの後年の分析の流れをくんだライフサイクル論は出る可能性があります。

性格心理学も押さえておかないといけませんし、統計、実験法、調査法も必須です。

発達分野は言語発達、発達段階、老年期も見逃せません。

総じてブループリントの領域は全て必修ですが、出題委員の傾向もご参考まで。
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プロファイラー・犯罪心理学研究者で科学捜査研究所研究員の経歴がある萩野谷俊平博士の司法面接研究の被験者として参加しました。

※ 実験はPCとスマートフォンを使用して行うので完全に在宅で参加できます。 

萩野谷博士は多くの著作と論文の実績がある先生です。

公認心理師試験の出題領域としてブループリントにも記載されている司法面接は、通常の心理面接とは目的、手法が異なっています。

大人なら、被虐待経験者のクライエントさんに対してそれが過ぎ去ったトラウマケアということでPTSDに対する治療面接を行うことは想像に難くないでしょう。

児童相談所で行う面接もケアが入るので、厳密な司法面接とは異なります。

司法面接というのは、今まさに虐待事件が起きたばかり、まだ進行中であることが疑われる、そういった際に事実はどうだったのか「果たして虐待は存在したのか?」を対象児童から調査するための面接手法です。

児童面接をスクールカウンセラーや児童福祉施設や相談所で経験したことがある心理職も多いと思いますが、事実調査のための面接は通常の児童面接と違っていて特殊です。

さて、実際の司法面接トレーニングですが、児童がされた好ましくない内容を話していきます。

AIで作成された、子どもの顔をしたアバターと話していき、司法面接を行っていきます。

司法面接の難しいところは被害に遭ったショックを十分に言語化できない児童に対して事実をきちんと確認する、児童の心を傷つけてはいけないし、誘導尋問して実際には起こっていない虐待を作り上げてもいけないということです。

実験手法の詳細をここに記してしまうと今後実験に参加する人への先入観を与えてしまうのであえて書きません。

心理職としてはきわめて専門的な面接手法を学べた貴重な機会だったということについて感想を書いておきます。

クラウドソーシングとしてクラウドワーカー、ランサーズで「臨床心理士」と仕事検索するとトップにこのタスクが来るので興味のある臨床心理士の方はぜひ参加して欲しいと思います。

萩野谷先生によるとまだまだこの司法面接トレーニングとその効果測定実験に協力してくれる臨床心理士を求めていて、30人でも40人でも今後参加者を募集しているそうです。

こういった心理面接手法に関するトレーニングは外部で研修を受けても有料ですが、プロが懇切丁寧に指導してくれてしかも財団補助の研究なので実験謝金があり、実に勉強になりました。

興味のある方はぜひコンタクトを取ってみてはいかがでしょうか。

ちなみに萩野谷先生のブログ 「みんなの犯罪心理学」もご参照ください。

それから今回の実験については「Facebookなどを介してAmazonギフト券や口座振込の形で実験にご参加いただいております。」

とのことです。詳しくは
実験参加者募集案内pdfをご参照ください。
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