ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

このブログ運営者は産業と医療の中間領域のようなところでカウンセリングを行っている、世界の謎を解き明かす心理職です。

これまで司法、教育、福祉分野での心理職経験もあります。

このブログのテーマは僕が専門としている心理学に加え、スタートしたばかりの公認心理師制度の検証、カウンセリング全般についてです。毎日更新を目指しています。誰も読まなくても書きます。もし評判が悪ければ反省してやはり毎日書きます。コメントは他者の誹謗中傷でなければ掲載します。僕へのクレームは大歓迎。掲示板がわりに使っていただいて構いません。

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(注記:本稿は新型コロナウイルスに関する記事ですので抵抗がある方はそのまま読まずに閉じてしまうことをお勧めします。) 以前から日本を代表するトラウマ研究者として僕は精神科医西美也子先生Nishi-Shirakawa-Miyako先生(日本トラウマティック・ストス学会理事)に注目しています。先生の著作「赤ずきんちゃんとオオカミのトラウマ・ケア」(アスク・ヒューマン・ケア 2016)は絵本の体裁を取っていますが、トラウマケアについて大変含蓄がある奥深い示唆のある本です 。

先生が院長をされている「こころとからだ・光の花クリニック」のTwitterアカウントがあります。そこに掲載されていたDr. Ana Gomezの動画がかなり子どものトラウマケアに役立つと思いましたので紹介させていただきます。
 

この動画ではストップ・コロナウイルスで、コロナウイルスが可愛らしいキャラクターで描かれています。全編に歌が流れていて、気持ちの中に訴えかけてくるメロディ、そして幼児の姿があります。

「脳は知っているよ」というフレーズ、リラックスを促し、落ち着くことの大切さ、そして「また大丈夫、気持ちが回復する」というというメッセージが述べられていました。

脅威、怖さ、そしてその怖さは普通であること、こういった際には孤独感、自分が死ぬかもしれない、大切な人をなくすかもさしれない恐怖もあるのだと述べられています。

こういう時に役立つのはハグ、信頼、そして子どものEMDR (Eye Movement Desensitization and Reprocessing:眼球運動による脱感作と再処理法)は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に対して、エビデンスのある心理療法です。)によく使われるバタフライハグが紹介されています。(ただし、EMDR専門家がついていないバタフライタッピングは好ましくないという見解も強くあることは注記しておきます。)

この動画の最後を締めくくるメッセージです。落ち着いて考えること、世界は安全な場所、全てうまく行く。Sleep and have dreamsです。これは子ども向けの動画のようで、大人にも信じていて欲しい事柄がたくさん含まれています。

「脳は知っているよ」というのは、脳が確かにこの危機場面、についてなにが起きているのか、そして何が起こるのか知っているということでしょう。それは世界の終焉という意味ではないはずです。

この動画を作成したDr. Ana Gomez著「こわかったあの日に」2012年 東京書籍も絵本ですがトラウマ治療を扱っている名著です。

さて、トラウマ治療を受けなければならない人々は命がけです。治療を受けられない=死を意味する場合も本当にあります。そういう意味では治療も大切です。

光の花クリニックでは遠隔治療を行なっていますし、トラウマ関係のワークショップもまたオンラインで行なっています。世界中の子どものトラウマケアを行う団体はこの新型コロナウイルスCOVID-19対策を熱心に行っています。

例えばEMDREUROPEでは、
(英文)

ニュースソースの信頼性を確認すること、ニュースに暴露されすぎないこと、医療システムが示す衛生概念に従うこと、いつもと同じでいること、運動、休息、食事の大切さについて書いてあります。(意訳)

3.11の時も津波の映像を見て気持ち悪くなる人たちが続出したように、COVID-19のショッキングなニュースに触れ続けることは大人にも子どもにも危険なことです。

情報が正確になければ不安になるのは本当のことですし、そのために厚生労働省の正確なニュース源を参照するのは悪いことではありません。しかしその暴露時間は長ければ不安を、特に子どもには悪影響を与えます。

大人がCOVID-19について子どもにどんな情報、そしてどんな心理的な支援を行うかは大切なことです。大人が「不安だ、この世は終わりだ」というような破局的なメッセージを伝え続け、いろんなものを買い占めて家の中に積んでおいたら子どもはいったい何を感じるでしょうか?

患者さんはさまざまな事を感じながらこの世界の中を生きています。衝撃的な事を人生の中で体験し過ぎている人はもう何も感じないかもしれません。それは回避-麻痺のトラウマティックな状態なので好ましくありません。

または(精神に限らないのですが)ベースライン疾患を持っている人はこの状態で自分の病気と世界の状態の2つに怯えているかもしれません。

この記事を読んでいて、自ら恐怖をどうにもできないぐらいコントロール不能だと感じた人は<b>助けを誰かに求めてください。</b>それはトラウマケアの専門家であれば望ましいのですが、メンタルヘルス専門家、そうでなくともあなたが信頼できる先生、家族、同僚、上司、誰でもいいのです。

Vive hodie.(Latlne)
今日を生きよ

僕らの生きている世界は決して崩壊しない。だから明日を信じていたいです。byひなた
※ 写真はフォロワーのsoraさんのものを使わせていただきました。

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◯ 認知症

DSM-5は認知症を「神経認知障害群」NCD neurocognitive disordersカテゴリーに定義付けました。NCDはmajor NCD(従来型)とMCI Mild Cognitive Impairment(軽度)に峻別されます。厚生労働省の資料にDSM-5の診断基準が引用されています。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_recog.html

高次脳機能障害と同様に、一過性の意識混濁状態で、薬物や疼痛、ストレスなどが原因のせん妄と認知症は区別される必要性があります。

認知症は大きく分けて3種類があり、アルツハイマーAlzheimer型認知症(全体の50パーセント)、レビーLevy小体型認知症(10〜20パーセント)、脳血管型認知症(15パーセント)、ピック病(数パーセント程度)に分かれます。実際には認知症には70種類程度がありますが主な認知症は上記4種類です。

認知症カットオフ値はHDS-R20点未満ということは裁判所成年後見人制度のurlから以前引用しましたがMMSE-JだとMCIが27点、認知症は23点がカットオフ値となっています。

1.Alzheimer型認知症

アルツハイマー型認知症は男性よりも女性に多く見られます。症状としては記憶を司る海馬がダメージを受けるため、短期記憶が障害され、さっき起こった出来事を忘れてしまいます。

見当識にも障害が見受けられ、何月何日か、今の季節はいつなのかが分からなくなります。外出すると道に迷う、また実行機能障害として、今までできていた料理ができなくなることがあるのです。こういった認知機能障害から二次障害が起こり、物取られ妄想に発展する事もあります。不安、抑うつ症状が前景に出てくる事が多いです。

Alzheimerが中程度に進行するとさらに障害程度が進み、失行で着衣の着脱ができない、電話がかけられない。テレビの付け方がわからない。失禁してしまうなどの行為で、かなり自尊心が傷つけられます。徘徊を伴うこともあります。後期になると言語能力が失われて意思疎通はかなり困難になりますし、栄養を自力でとることも難しくなり、排泄はほぼ自力ではできません。

2.Alzheimerの治療

初期〜中期であればDonepezil商品名アリセプト、Rivastigmine商品名イクセロンパッチ、リバスタッチパッチ、Galantamine商品名レミニール、進行が進んだ場合にはMemantine 商品名メマリー(PTSDへの治験も行われています。)が薬物療法として使われます。

しかしどの薬物療法もAlzheimerの進行を遅らせることはできても根本的な治療薬ではなく、徐々に進行する疾患です。

2.Levy小体型認知症(DLB:Dementia with Lewy Bodies)

パーキソニズムの運動緩慢さ、歩行の障害を伴います。記憶障害、遂行機能障害の他、この認知症の特徴として幻視、錯視が起こり、合併症として妄想が発生することがあります。睡眠時異常行動も生起します。記憶障害の程度はAlzheimerより軽いです。

投薬治療に反応しにくく、むしろ少量でも精神薬で悪化することがあることから、環境を急に変えず、作業療法士や理学療法士が心理・運動機能面でのサポートを行うこと、明るい部屋として機能低下を防ぐことが推奨されています。

3.脳血管型認知症

脳梗塞で脳の血管が詰まるとその先の脳の各部分が挫滅します。脳の部分によってそれぞれ損なわれる機能が異なり、左後頭葉が挫滅すると右半側空間無視、右後頭葉が挫滅するとその逆になります。そうすると片側の認知ができず、歩行をしていても転倒の可能性があり、食事も半分認識している側だけ食べてあとは残してしまうこともあります。

前頭葉、頭頂葉に梗塞部が起こると短期記憶が阻害され、易怒的になり感情障害を起こし、何度も同じことを聞きます。

脳梗塞の再発予防のために血栓を作りにくくするWarfarinワーファリンやAspirinバイアスピリンが使われます。梗塞が起こりにくくなりますが、反面出血した時に止血しにくくなるという点が要注意です。

脳梗塞は血栓が詰まる病気なので心筋梗塞も起こりやすくなります。また、どの認知症でも同じですが、高齢者には糖尿など基礎疾患がある場合も多く、生活の質の改善のためにはベースライン疾患の治療が大切になります。

4.ピック病

ピック病は比較的若年者、早ければ40代でも起こる疾患です。前頭葉及び側頭葉前方に萎縮が見られます。特徴は情緒の不安定さ、さっきまで笑っていたかと思うと急に泣き出したりします。また、人格障害が見受けられるようになり、平常の精神状態からいきなり怒りだすことがあり、他の認知症の周辺症状でも起こりますが、ピック病だとさらにその傾向が強くなるようです。

ピック病では万引きで捕まるなど道徳性への影響もあります。常同行為を繰り返します。

5.診断

診断は脳の萎縮部分を確認するためCT、MRI、またSPECT (Single Photon Emission Computed Tomography、放射線同位元素を注射しての脳画像診断)でドーパン量の流れを見て異常を測定(Levy小体型認知症にも使われます。)PET(陽電子放射断層撮影:Positron Emission Tomography、脳血管障害の検査にも使われます。)で脳血流を調べます。  

Alzheimerは前述のとおり進行を遅らせる薬はありますがピック病にはありません。

認知症の周辺症状BPSD Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(認知症の行動と心理的症状=周辺症状)は主として知覚、感情障害で幻覚妄想、焦燥感、攻撃性、怒り出して暴力を振るう、抑うつ状態、睡眠障害、徘徊などです。

6.心理検査の例

・MAS不安尺度
・MEDE多面的初期認知症判定検査
・AQ日本語版
・日本語版LSAS-J
・EAT-26
・M-CHAT
・長谷川式知能評価スケール(HDS-R)
・MMSE

6.治療

根本的薬物治療はないのですが、精神療法としては「回想法」といって、昔話をするなど患者さんが好きな話をする、そして環境を整えることが奨励されています。患者さんが言うことを否定しない「バリテーション療法」、今日の日付けや季節を認識してもらうリアリティー・オリエンテーション(現実見当識訓練)もあります。

※ 写真はTwitterフォロワー𝚜 𝚘 𝚛 𝚊 ꕥ
さんのものを使わせていただきました。この写真の空のように全ての認知症の患者さん、ご家族、支援する方々の心に平穏が訪れますように。

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(フォロワーさん柊様画)
日本心理研修センターに同じような回答を得たのですが、ネットに掲載していいかどうか?と尋ねたところ、厚生労働省公認心理師制度推進室に尋ねて欲しいとのことだったので「厚生労働省さんがこんな多忙な中電話するのは悪いなあ」と思いつつも連絡してみました。

僕:「現状、コロナがこんな感じですが公認心理師試験延期とかあり得ますか?」

担当者:「今のところありません。発表どおり実施予定です。」

僕:「今後延期になるとか。北海道追試みたいに」

担当者:「それはどんな情勢でも同じですね。変更があればお伝えします。」

ということでした。

大変厚生労働省さんが忙しい中恐縮しながら電話したのですが、この情勢の中お気をつけてくださいとしか言いようがありませんでした。

以上

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