ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

このブログ運営者は産業と医療の中間領域のようなところでカウンセリングを行っている、世界の謎を解き明かす心理職です。

これまで司法、教育、福祉分野での心理職経験もあります。

このブログのテーマは僕が専門としている心理学に加え、スタートしたばかりの公認心理師制度の検証、カウンセリング全般についてです。毎日更新を目指しています。誰も読まなくても書きます。もし評判が悪ければ反省してやはり毎日書きます。コメントは他者の誹謗中傷でなければ掲載します。僕へのクレームは大歓迎。掲示板がわりに使っていただいて構いません。

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◯ 公認心理師で金儲け(法人営業編)

※ 以下、架空の話です。

僕「きんせいさん、凄くやり手ですねえ。お若いのにこんな都会の一等地のビルにすっごく狭い事務所構えてカウンセリング事務所経営しているんですから。いつもブログ見てますよ。メルマガも読んでますよ。」

金成「ああ、僕の苗字、かねなりって読むんだよね、ま、ハンドルネームなんだけどね、本名は図部沼(ずぶぬま)っていうんだけど、ほら、名前も大事だから。いちおう臨床心理士会と日本心理研修センターにはハンドルネームでいいかって、許可申請はしているよ。イメージって大事じゃん?」

僕「はい」

金成「あ、ちなみにブログもメルマガも自分では書いてないよ。2000文字250円ぐらいでクラウドソーシングに頼んでる」

僕「えっ」

金成「だって面倒じゃん。自分で書くの。安い金で文章買えるのは便利。それからね、どんなに狭くても大都会に事務所持つのはイメージ戦略として大事だね、このレンタルオフィス安いし会議室も借りられるからプレゼンもできるし。名刺に書いてあるオサレな地番は大事だよ」

僕「はい。なりきんさんってどうやって若くしていろんな大企業から仕事取って講演会とかやっているんですか?」

金成「なりきんじゃなくてかねなりね。まず最初は普通に病院に勤めてたんだけどね、たまたまね、まとまった伯父の遺産入ったから。ほら、人生一回しかないじゃん?それで一発勝負に出たのさ」

僕「かねとりさんって最初のとっかかりはどうやってお客さん取って来たの?」

金成「僕の名前わざと間違えてるよね?まあ性急に聞こうとしないでちょい待ってよ。僕ね、病院にいたときから開業目論んでたから、おんなじようなEAP個人企業と仲良くするために勉強会とかで人脈作る、これ後から話すけど大事ね」

僕「はあ」

金成「それからね、まず簿記2級とファイナンシャルプランナー取った。社労士は勉強だけしてみた。経営戦略大切なのね。」

僕「ほう」

金成「で、まあ君との仲だから特別に教えるけど最初は市民会館の小会議室とか借りていろんな講演会やるのよ。これは一般向けね。客は一人でも二人でもいい」

僕「はあ」

金成「それはそれで儲からなくてもいいわけ。自腹で。ただ、メンタルヘルス関係の講演実績になるでしょ?」

僕「はい」

金成「そしたら大手企業に格安で「メンタルヘルス啓蒙活動している事業やってます」って言って電話営業して売り込むの。1,000件電話すれば何件かはけっこう福利厚生部門は食いつくから、一講演1万円でもいいからやるの。でもこれはお試し初回料金ってことは強調するの。で、こんな大企業で講演したってことは実績になるからパンフに載せられるし。で、次からは1講演30万円ね。」

僕「はい」

金成「あとねえ、同業者と仲良くなったら官公庁とか社団とか独立行政法人の入札に参加するんだよ」

僕「うん」

金成「メンタルヘルスプログラムパッケージね。一回落札すると300万円ぐらい粗利取れる。」

僕「へえ」

金成「だから他社2社の見積書、社印が入ったもの持ってるんだよね」

僕「えっ、なにそれ」

金成「ほら、官公庁って3社見積相合わせが必要だからさ」

僕「ふん」

金成「形だけでも数社から見積書取ったってが必要なの。でもメンタルヘルスプログラムなんてそうそうクライエント企業もやり方変えたくないからさ」

僕「うん」

金成「だから前やってもらった業者にまた落札して欲しいワケよ」

僕「談合?」

金成「人聞きが悪いなあ。お互いの業務効率化と均質化サービス安定のためだよ」

僕「いろいろ大変なんだねえ」

金成「まあメンタルヘルスは個人で法人を相手にするCtoBのやり方がコスパがいいね」

僕「ふーん、よくわからないけど」

金成「ま、飛び込みでの問い合わせもあるからリスティングはセグメントに訴求力があるものにしてSEO対策や被リンクもばっちりやらないとね。サチコンもどんどん工夫していかなきゃだし」

僕「リストラのセメントは砂丘でシステムエンジニアかあ。ドモホルンリンクルなんだね。幸子さんも大変だなあ」

金成「ひなたくん、ひとつもかぶってないしひどすぎるからそれ。どう?ところで今の仕事やめたら完全請負で仕事紹介するよ」

僕「あ、じゃそれで」

金成「メール相談とライティング1件350円、電話相談は1件1500円出来高、電話ない日はゼロね」

僕「・・・キッツいなあ」

金成「個人事業主だからね。合名会社が今はいろいろとお得なことも多いよ。ま、わからないことがあったら聞きに来たまえ。開業コンサル友人だから初回無料にしとくよ。そのあとは40分6万円。あとうちフランチャイズもやってるから。初年度ロイヤリティゼロ円顧客月30人保証制度もあるよ」

僕「・・・いや、僕の能力ではもったいないぐらいの話なのでご遠慮させていただきたいと・・・」

金成「うん、友だちにも紹介しといてね」

僕:(この人について行ったら丸裸どころか莫大な負債ができそうだなあ・・・)

金成「君、それ心の声のつもりでもきちんと声に出てるから」

僕「あ、じゃ、今日はこれで」

金成「うん、近いうちにまた僕からどんどん連絡するからね」

僕「あ、いや、どうも、今日はありがとうございました」

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◯ 公認心理師試験に見るクライエント中心主義神話の崩壊

このところカウンセリングのデメリット面についてばかり書いていますが、カウンセリング至上主義に対する謙抑性の大切さは第1回公認心理師試験、特に事例問題の大切な要点として出題されていたような気がしました。

「多職種連携」というのは、独走するな、スタンドプレーをするな、という意味です。

医療、学校では医師や管理職教員が頂点で、スクールカウンセラーは毎日子どもと会っている担任よりも謙抑的、黒子でなければなりません。

さて、職種間連携ばかりではありません。

公認心理師に必須の生物学-社会-心理モデルは日常の臨床活動でも正しいです。

誰が真のクライエントなのか?

目の前にいるクライエントではなく、クライエントが虐待している子どもや家族が真のクライエントです。

社会のルールは本人の心理状態至上主義では動いていません。

裁判所や児相ではよく聞かれる言葉ですが、「◯◯してくれなかったら死にます」というのは脅しかもしれませんし、本気かもしれません。

その主張を1時間以上繰り返す当事者に対し、業を煮やした心理職が「あなたが死んでしまうかどうかは残念ながらそれはこの件の行く先とは関係ありません」と言ったところ「上司を呼べー!」と大騒ぎになるという話は現実にあります。

目の前にいるクライエントは心理職にとってはコンプリメント、賞賛を与えなければならない唯一の対象というのが原則と思われがちですが、原則外のルールはたくさんあります。

個人カウンセリングだけをしているとそのあたりに目が行きにくいです。

クライエント「というわけで飲んでは妻に暴力を振るうのは自己嫌悪に陥って、もう金輪際やめようと反省しているんです」

カウンセラー「何回もお会いしてきましたが、そんな風に思えるようになったのが◯◯さんの良さですよ」

ゆったりとそんな話をしている間に当の奥さんはどんどん気持ちをズタズタにしていき、子どもを虐待しているかもしれません。

奥さんは体も傷だらけになって、怖いので暴力を振るわれて骨にヒビが入っても病院に行かず、シェルターに入ろうとしているまさにその瞬間かもしれません。

カウンセリングの役割が目の前にいるクライエントさんの個人的心理的問題解決だけだと思っているととんでもないことになりかねません。

「やっと職場の上司のパワハラもなんとかかわせるような気持ちになれて受け流せるようになって」

という発言に対し「▽さんもだんだん気持ちが落ち着いてきて冷静になれたんですね」

と言っている当のクライエントさんが毎日ツイッターに上司の名前を実名で書き込んでいて「俺をうつ病にしたパワハラ男だ!」とつぶやいていて、もうその人は社会的に取り返しがつかない状態になっているかもしれません。

学校でいじめ加害者のカウンセリングをしているといじめ加害者の気持ちはよくわかりますが、それを性急に周囲に訴えてもいじめっ子の校内での立場は良くなりません。

家裁や矯正施設での少年たちは更生教育に真面目に取り組んでいても再犯可能性は必ずあります。

司法分野では、世論は必ず加害者を攻撃します。

いくら加害者に対する同情を抱いて、犯罪に至る動機を了解できても社会防衛的視点も必須です。

カウンセリングをすることでクライエントの心情が変化し気持ちが和らいだ、だから周囲がクライエントを理解してくれるようになったというのは理想です。

「カウンセラーがカウンセリングをすることでクライエントさんが社会や家庭から孤立するのを助長している危険性はないの?」

というのは大きな命題です。

カウンセリングのコストについて考えてみます。

カウンセリングは保険外適用だとかなり高額です。

誰がカウンセリング料金を出していて、その人はお金を払うことについてどう思っているか。

カウンセリングを受けるために仕事を休んで来ていることが会社からどんな目で見られているか、それは目の前のクライエントさんが語らないエピソードです。

カウンセリングは時としてクライエントさんを中心に考えるあまり、回りの人がクライエントさんをどんな目で見ているかがわからなくなります。

だからこそカウンセリングという行為そのものがクライエントさんを結果的に追い詰めていないか?をカウンセラーがはっきりと認知しておかないといけません。

要支援者と公認心理師法ではクライエントのことを言いますが、真の支援とは何なのか、カウンセラーがクライエントの立ち位置を危うくして社会や家族からスピンアウトさせていることは多々あると思います。

当事者を巡る関係介入こそが仕事という意味では福祉関係者は専門家です。

病院は家族、職場の意見を聞く場合もありますが、その人たちが患者さんの対立当事者だと双方代理行為になるので医師も心理も本人だけの気持ちを聞くことに終始している場合があります。

多くの病院のルールですが、何百キロも離れた病院まで患者さんを送迎した職場の人を「守秘義務がありますから」と患者さんに対し、職場の人を診察室に入れていいかどうかの意向も聞ずに門前払いする医療側の対応はいかがなものかと思います。

クライエントさんの症状はクライエントさんが置かれている社会的状況によって増悪することもあります。

環境からクライエントさんを守るのか、環境へと介入するのがいいのか、少なくともクライエントさんの言葉の向こう側から環境との関係について敏感に察知することが必要と思うのです。

第2回目試験まで日もなくなって来ました。

一定ラインに達すれば必ず合格できる試験です。

受験生のみなさんは、この試験に要求されている独特のセンスを見切って合格を手にして欲しいものだと思っています。



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公認心理師・臨床心理士の就・転職の仕方

新卒で恵まれた就職をして、そこで長く働ければそれに越したことはないのですが、心理職はさまざまな理由から転職を繰り返します。

新卒就職時に安定した職場を探すことができて長く働ければそれが一番です。

公務員、大学病院に勤められたらそこでずっと就労することが一番です。

安定した公務員職場でも昨日触れたようにセクハラ、パワハラがあったり、働き方改革?なにそれ美味しいの?という長時間荷重労働の職場があります。

国家公務員ならヒラでも2年に一回全国移動、地方でも自治体の端から端まで移動させられる場合もあり、職場の安定=長期間勤められるというわけではなく、女性の心理職はそれで泣く泣く辞職することもあります。

心理職は元々職場のパイが少なく安い時給、安月給ということから、もっといい職場を探して転職を余儀なく繰り返す人々が多いです。

さて、そして医療、教育、福祉、司法、産業の領域で仕事をしているとその領域を超えての転職は難しいです。

同じ領域内でもピンポイントで求人募集していることがあり、どうやって入り込めるの?というような募集があります。

「産婦人科心理業務10年、5人以上の部下を持った管理職経験3年以上、医療事務業務に明るく、医事統計業務にも長けている者」というようなハードルが高い募集もあります。

僕自身ハローワークに非常勤相談員として勤務していた経験があります。

履歴書、職務経歴書の書き方、面接の受け方などをコーチしていたことがあります。

僕自身も求職者としてあちこちを渡り歩いてものすごい数の履歴書を送り、多数面接も受けて領域を超えた転職をしてきました。

僕がした求職方法で一番固いのはコネです。

口利きをしてくれる人がいればそれが身元や能力の保証にもなるのでそれが最も有効です。

あと、万人にはおススメできない転職方法としては電話営業です。

医歯薬系薬剤メーカー、医薬機器、出版社、求人媒体はあちこちの病院やクリニックに飛び込み営業をかけています。

そこで僕も100件以上あちこちに採用面接応募をしたら「あ、今ちょうど人探ししてたところ」と奇跡的に雇ってくれた病院がありました。

一般就職のコーチを大学生にしていたこともあるのですが、志望動機と自己PRだけが大切と中谷彰宏氏が言っていたのは本当です。

志望動機や自己PRの中に自分の長所を織り交ぜる、「あなたの短所は?」といった意地悪そうな質問には「なかなか人に頼まれると断れなくて引き受けてしまうことですね。忙しくなるけど達成した時には喜びを感じます」

と答えると「依頼された仕事は嫌がらずにきちんと完成させる人」という長所アピールになります。

心理職の面接もほぼほぼ一般企業面接と変わらないところがあります。

新卒ポテンシャル採用ならば「一緒に仕事をして協調性があって働きやすい人か?」も大切で、テキパキとした受け答えができるかどうかという地頭の良さも見られます。

中途採用も同じです。

中途採用ならば管理職として採用されるかもしれませんし、心理テストができるという即戦力も重視されます。

心理職の場合、新卒でも学歴はあまり重視されません。

中途採用の場合はなおさらです。

心理職は掛け持ちで仕事をしていた経歴が多いので転職回数はそれほど大きな問題にならないことが多いのですが、「何か問題を起こしてヤメたの?」と思われるのはまずいです。

履歴書や職務経歴書に「◯◯社メンタルヘルス部門事業廃止のため」とか「夫の転勤のため」「育児のため」「介護」と誰でも納得できるような理由を書きます。

不思議なもので文書の中に理由を書いておくと面接官は「あ、そうなんだ」と納得して面接ではあまり突っ込んで来ないのであらかじめ書いておくことがおススメです。

あちこちの就職サイトで言われているように前の勤め先の悪口は絶対に書きません、言いません。

不満ばかり抱きやすく、すぐ辞めてその就職先の悪口を言いふらすのではないかと警戒されます。

それから、公務員を辞めた人については「何故辞職したの?」という照会があっても官公署以外には答えません。

嘘の経歴はダメです。

内定後に「じゃ、前の勤務先の在籍証明書出してね」と言われることがあります。

在籍証明書には職印の押印を求められます。

職印は絶対に手に入りませんし、ハンコ屋さんでも作れません。

もしなんらかの方法で不正に職印を押せたとしてもそれは有印私文書、有印公文書作成同行使で間違いなく実刑判決が出る重い犯罪です。

と、心理職の就職も一般の就職とあまり変わらないところ多々あります。

心理職が領域を超えて転職をする時は福祉⇄教育ならばそこで発達障害当事者を多く見てきた経験、産業⇄医療でも多くの精神疾患を対象としてきて他医療従事者と連携を取った経験、司法は法に明るいことがアピールポイントになると思います。

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