ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

このブログ運営者は産業と医療の中間領域のようなところでカウンセリングを行っている、世界の謎を解き明かす心理職です。

これまで司法、教育、福祉分野での心理職経験もあります。

このブログのテーマは僕が専門としている心理学に加え、スタートしたばかりの公認心理師制度の検証、カウンセリング全般についてです。毎日更新を目指しています。誰も読まなくても書きます。もし評判が悪ければ反省してやはり毎日書きます。コメントは他者の誹謗中傷でなければ掲載します。僕へのクレームは大歓迎。掲示板がわりに使っていただいて構いません。

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公認心理師協会副会長から主治医師の指示に対する挑戦状

日本大学文理学部心理学科教授津川律子先生は、同大学臨床心理センター長、臨床心理学専攻主任である他、日本臨床心理士協会会長、日本公認心理師協会副会長の要職を務める方です。

その津川先生の「面接技術としての心理アセスメント 金剛出版 2018」は、公認心理師制度導入正式決定、試験直前に上梓されたものです。

「臨床家のあり方とは」という臨床哲学がちりばめられた書籍となっています。

別に津川先生が心理職に表立って「挑戦状」を突き付けているわけではありません。

ただし、公認心理師法第42条第2項の「主治の医師」の指示とクライエントさんの利益や守秘義務が相反した際の心理職の働き方について見ていると津川先生の対応から、公認心理師の動きというものを見ることができます。

以下、津川先生のあげたものの中から今回取り上げたい事例です。

この著作中p171、【事例から学ぶ➃】「うつ病」内、事例3.「ひげボーボー状態の男性」のケースです。

医療機関の知人から紹介されたこのクライエントさんは、津川先生先生が勤務する地域の相談室にやって来ました。

津川先生はカウンセリングをするに当たって主治医の了解を得ることについてクライエントさんから了解を取ります。

そこで津川先生は自分の名刺を添え、カウンセリング開始許可申請書などをしたためてクライエントさんの男性に渡します。

次回セッションの際、クライエントさんは封筒ごと津川先生が書いた書類を返納しました。

クライエントさん曰く「カウンセリングは受けていいけどその手紙も名刺も持って帰ってくれ」と医師に言われて受け取ってもらえなかった。

理由は医師が外部機関と連携したことがないから、というものでした。

ひきこもりがち、内気なこの青年は主治医について「その先生、僕に似てるんです」と述べます。

津川先生はその行為を「主治医をかばう」傷つけないようにするという意味で、青年クライエントさんと主治医の間に素晴らしい人間関係が構築されていると判断しました。

さて、この文献を元に心理職仲間と議論したのですが、この場合、どのように対応するのが正解だっただろうか?

という話をしました。

津川先生の見立てではこの青年はコミュニケーションに課題を持っている。

僕が思ったのは、そうであればこの青年は主治医に津川先生からの提供書を渡さなかった、渡せなかったのではないだろうかということです。

津川先生が書いているとおり、この青年は主治医と津川先生との板挟みになっていました。

主治医に連絡をしなければ、医師に無断でカウンセリングをすることになる。

カウンセリングはクライエントさんにとって有益なものか、場合によっては有害なものになるかもしれない危険性を常に持っています。

他機関で勤務する治療者2人の間にいるクライエントは違った指示を受けて忠誠葛藤の問題に直面するかもしれません。

だとするとなんとかして医療機関と連携を取りたいものですが、内気な青年は主治医に気を遣い、そして津川先生に気を遣っています。

産業領域心理職の友人は「こういう時にはどうしたらいいんだろうねえ」

と言いました。

僕は「公認心理師法だけじゃなくて医療安全の視点から見たらどうなんだろうね」と答えました。

クライエントさんが主治医とカウンセラーの双方を傷つけたくないと思ってこのような対応をしたと考えるなら、クライエントさんに「ごめんね、悪いけどきちんと直接主治医の先生と連絡を取ってあなたのことを話しておきたいの。主治医の先生と私の方針がが違ったら、あなたが困るでしょ?」

これが優等生的回答です。

そうしたがる心理職も多いでしょう。

ただし、そう言った途端にもうカウンセリングに来なくなってしまう、その発言そのものが十分にこの青年にとっては侵襲的です。

さて、津川先生はどうしたかというと、この青年の気持ちを慮りながら、青年を追及せず、最終的には主治医とも連携を取っていきました。

主治医の判断が仰げなかった=公認心理師の悪、としてしまうと公認心理師はどんどんクライエントや患者さんを追い詰めて「言うことを聞けなかったらカウンセリングはしません」という冷たい対応になってしまいます。

それは国民が望まない公認心理師増だと思うのです。

公認心理師の自由度は文字通りクライエントさんの運命の生殺与奪を握っていると思うのですが、いかがでしょうか。

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読む復習・森田療法 内観療法 動機付け面接 ストレスチェック 公認心理師試験

◯ 森田療法

・開祖
森田正馬医師

自身が東京帝国大学医学部在学中に仕送りが途絶え金銭的に困窮する。

「勉強をやるしかない」と医学の勉強に没頭して葛藤を吹っ切る。

この体験が元になる。

森田療法理論=神経質理論

(森田療法の適用範囲も神経症(不安症、強迫症、パニック障害、不眠症、心身症)が中心であり、神経質性格がターゲットに)

ヒポコンドリー性基調(自己の心身に病的なものが存在するのではないかという果てしない不安。

このヒポコンドリー基調を鍛えることが森田療法の目的

神経質性格は「とらわれの機制」が働いていて自分はこうでなけらばならない、死ぬのではないかという観念にとらわれる。

・「悪いことが起きるのではないか、不安で仕方ない、心臓がドキドキする」→実際に心臓に神経が集中するので具合が悪くなる→精神交互作用

症状を取り除くのではなく「あるがままの自分」を受け入れること

・森田療法入院治療の実際

1.絶対臥褥期

狭い個室で寝た切りになり3日間〜1週間程度全く何もさせない。苦悶の時期
「煩悶即解脱」

2.軽作業期

軽作業をしながら日記を書く、治療者がコメントをする、外を眺めるでけなど活動制限。こだわりを捨てる。

3.重作業期

薪割り、大工などの汗をかく作業をひたすら行う。

無心に体を動かして喜びを感じる。

読書は軽い内省を過度に促さないもの。

4.社会復帰準備期

日記、読書療法。

森田療法は不安を打ち消すのではなく、不安をそのままにして不安とともに生きていくことを目標にしています。

◯ 内観療法

1950年代に吉本伊新が浄土真宗の「身調べ」という修養法から発展させた。

他者視点、脱我

集中内観療では他者から「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」を課題として考えさせる。

両親、家族、恩師

内観療法は1週間半畳スペースで外観刺激を断つ。

上記3つをひたすら3年〜5年範囲で思い出し、1時間ごとに3分〜5分程度で治療者が報告を受ける。

朝6時から夜9時まで

治療者はクライエントに共感、激励、毅然とした父性的態度といたわりの母性性を共存させる。

クライエントの症状には言及しない不問的技法。

適応病理:不安障害、解離、身体表現性障害、神経症、心身症

日常生活の中で行う「日常内観」もある。

◯ 動機づけ面接-Motivational Interviewing,MI

元々動機付け面接は、カウンセリングの中でも問題意識が薄い、アルコール依存患者や犯罪加害者について行われているものです。

治療アドヒアランスが薄い糖尿、禁煙などの生活習慣病への応用も期待できます。

変わろうという意識が薄い、あるいは変わりたいけれども変われる自信がない、変わったらいいことがあるのか?という疑問を抱いているクライエントが対象者となります。

このようなクライエントが変わりたいう意識を引き出すためには、治療者側の強制ではなく、クライエント自信が変わりたいという自己動機付け発言(チェンジトーク)が必要になります。

チェンジトークはDARN-Cが必要になります。

Desire 変化への欲望、希望、願望
「一体変化したらどうなれるか?」

Ability 可能性、過去の成功経験を思い出し、できる能力があると信じること

Reason 変化する理由、変化できたときのプラス面は?

Need 逆に変化しなかった際のデメリット(失業、離婚、逮捕、入院等)

Commitment 結果を出すための具体的手順

・動機付け面接の原則

1.共感
まずクライエントが言うことを否定せずに話を聞く

2.矛盾を広げる
共感しながら話をクライエントにしてもらっているうちに、明らかに矛盾している発言をクライエントがしていることを気づいてもらう。

治療者が矛盾を指摘するわけではなく、あくまでクライエント自身に気づいてもらう。

3.言い争いを避ける

非難することはクライエントの自己洞察を阻害する

4.抵抗を手玉に取る

変化しようとすると抵抗が出て来たり、対社会、対人関係での軋轢が出て来てしまいます。

そこで「自分はダメだ」というのではなく「そこまで頑張っているんですね」と抵抗を逆に励ましの材料に使うこともします。

5.セルフエフィカシー(自己効力感)を支持する

小さなことでもクライエントが達成したことを賞賛します。

・動機付け面接におけるOARS

O=Open ended question
自由に自分の気持ちを話せるようにする。

A=Affimation
是認、変化への意欲ある発言を是認する。

Refrectlve listening
おうむ返し、さまざまな言い方でクライエントの言い方を言い換えて動機付けを高める。

Summarize
要約してどの時点にカウンセリング経過が位置しているのか、クライエントの現状を共有する。

治療者はあくまでクライエントに寄り添っているだけで、上位ではない。

目標はクライエント自身が洞察に達成すること。

治療者はクライエントが自主的に変化への意欲が湧くようにガイドする、クライエント中心主義。

作業同盟を結び、計画は動機付けが高まる理由についてだけでなく、むしろ「いつ、どうやって変わるか」に焦点を合わせる。

◯ ストレスチェック制度

2015年12月実施

労働安全衛生法第66条に新たに規定、事業者が毎年1回医師、保健師、厚生労働省大臣の研修を受けた看護師、精神保健福祉士、歯科医師、公認心理師が実施するストレスチェックテストを施行、その後希望者に対して医師の面接を可能とすることを義務付ける。(事業所内部または外部委託)

テスト結果の回収は事業場が行ってはならない。

結果の第三者や人事担当者の閲覧は厳禁。

ストレスチェックテストの結果は医師等から直接本人に通知される。

本人の同意なしに事業場への通知をしてはならない。

医師などの実施者は高ストレス者に対し、面接指導必要者を本人あてに通知する。

結果も医師等が保存。

事業場は医師等の面接結果を5年間保存する義務。
※ 医師との面接実施を希望した時点でその本人のストレスチェック結果は事業場に提供されます。

ストレスチェックテストの結果高得点だった者のうち、申し出者は医師の面接を受けることができる。

申し出者について事業者は不利益な扱いをしてはならない。

実施義務 (労働安全衛生法だけでなく、安全配慮義務違反で労働契約法にも違反するおそれあり)

参考: 労働契約法第5条「従業員が安全・健康に働くことができるように配慮する義務」

対象:50人以上の事業場は実施あり(ちなみに50以上というのは、産業医を選任すべき事業場でもある。労働安全衛生法施行令)
このストレスチェック制度対象には地方公務員、私立公立学校を含む

50人未満の事業場で実施する場合にも本指針に従う義務あり。

ただし、50人未満の事業場については報告義務なし。

罰則は50万円以下の罰金(未実施、報告せず、虚偽報告)

50人というのは「正規社員」という意味でなく、常態として雇用している契約社員、パート、アルバイトを含みます。

(1年以上契約、就業時間4分の3以上)

労働基準監督署への報告義務

解雇、雇い止め、不当な配置転換の禁止

職場環境の分析とアドバイスを受けることができますが、集団規模が10人未満の場合には個人の特定が可能になってしまうので10人未満全員の同意がなければ結果を入手できません。

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お手軽読む復習 司法面接 医療法 医療事故 児童福祉施設・公認心理師試験直前

◯ 司法面接とは、虐待を受けた児童に対し、虐待の事実があったのかどうかを確認するための面接です。

通常の心理面接と違ってケア、治療的な側面は持っていません。

あくまでも虐待があったのかどうかという事実確認のための面接です。

この面接の実施者は

・検察官
・警察官(心理警察官以外も含む)
・児童相談所職員
・家庭裁判所調査官

が考えられます。

虐待の事実の調査というだけで子どもに対し侵襲性があるのでこの司法面接は1回だけ子どもに対して行われます。

子どもは「じゃあ、お父さんからひどいことされたんだね」と誘導されるとそのままに「うん」と言ってしまう、または「知らない、わからない」と回答を拒否することが多いので「何があったのかな?」等open questionで訊きます。

子どもの時間的概念は大人よりも弱いです。

「え、そんなことがあったの?」

と一見受容するかのような白々しい驚きの反応は子どもが「しまった」ともう口を開かなくなります。

◯ 医療法

・目的(概要)
医療を受ける者の適切な選択の支援

医療の安全を確保する

医療機関の整備によってるため医療を受ける者の利益の保護及び良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図り、もつて国民の健康の保持に寄与することを目的とする。

第一条の五

・病院とは

主体
医師または歯科医師

二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

・診療所とは

医師または歯科医師が患者を入院させるための施設を有しないもの又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

クリニック、医院も含まれます。

・他、医療法に規定される施設(医療提供施設)

3.介護老人福祉施設

4.介護医療院

5.助産所

6.調剤を実施する薬局

※ 医療法に規定されていて、公認心理師法施行令第5条で公認心理師の経験施設として(公認心理師法第7条)認められている施設は病院、診療所です。

・ 地域を支援するための病院=地域医療支援病院

地域支援病院の要件

⑴ 他医療機関から紹介された患者の診療を実施、研修として医療従事者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の医療従事者)に行わせる。

当該医療機関に勤務しない医療従事者に施設、設備を提供

⑵ 救急医療体制を備えている

・特定機能病院(第四条のニ抜粋)

一 高度の医療を提供する能力を有すること。
二 高度の医療技術の開発及び評価を行う能力を有すること。
三 高度の医療に関する研修を行わせる能力を有すること。
四 医療の高度の安全を確保する能力を有すること。

etc

・臨床研修中核病院

高度な臨床研修を行うことが可能な病院

「医療事故」

医療法には定義されていませんが

医療事故とは、医療機関が患者の死を予見していなかった状態で死亡または死産が発生した時のことを言います。

以下医療法に規定

医療事故が起きた際には遺族に説明の義務を負う

医療事故調査・支援センターに報告

医療事故調査を行う

医療事故調査支援団体に支援を求める(専門学会等)

・医療安全支援センター

医療安全に関する啓発機関・自治体が設置

・病床機能報告制度

病床の報告を毎年都道府県知事に報告

⑴ 高度急性期
⑵ 急性期機能
⑶ 回復期機能(リハビリ)
⑷ 慢性期機能(長期入院)

・「医療計画」の策定

・病床種別

⑴ 精神病床
⑵ 感染症病床
⑶ 感染症病床
⑷ 結核病床
⑸ 療養病床(長期間)
⑹ 一般病床

◯ 医療計画とは?

一次医療圏/市町村単位

二次医療圏/複数の市町村

三次医療圏/高度先進医療に対応、都道府県単位

◯ 児童福祉施設種別

※ 児童福祉法に規定

(児童福祉施設等)
第七条 この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、
児童厚生施設、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、 肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設 及び児童家庭支援センターとする。

⑴ 助産施設
妊産婦と子が入所
経済的理由等

⑵ 乳児院
乳児養育状況の安定

⑶ 母子生活支援施設
配偶者のない母子が中心(かつて
の母子寮)、退所後の自立支援

⑷ 保育所
両親共働きで保育が困難、病気で
保育が困難等

⑸ 幼保連携型認定こども園
幼稚園、保育所双方の特徴

⑹ 児童厚生施設
児童館等

⑺ 児童養護施設
親の養育が困難な児童

⑻ 障害児入所施設

⑼ 児童発達支援センター

⑽ 児童心理治療施設(旧「情短」情
緒障害児短期治療施設)
心理的問題を抱える児童を短期間
入所させて安定化を図ることを目
的とした施設

⑾ 児童発達支援センター
福祉型(心身障害)医療型(四
肢や体幹に不自由)に分かれま
す。
通所施設。

⑿ 児童自立支援施設
旧教護院、非行性のある児童を
児童相談所の措置あるいは家裁の
審判で収容

⒀ 児童家庭支援センター
他機関との連絡調整

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