ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

このブログ運営者は産業と医療の中間領域のようなところでカウンセリングを行っている、世界の謎を解き明かす心理職です。

これまで司法、教育、福祉分野での心理職経験もあります。

このブログのテーマは僕が専門としている心理学に加え、スタートしたばかりの公認心理師制度の検証、カウンセリング全般についてです。毎日更新を目指しています。誰も読まなくても書きます。もし評判が悪ければ反省してやはり毎日書きます。コメントは他者の誹謗中傷でなければ掲載します。僕へのクレームは大歓迎。掲示板がわりに使っていただいて構いません。

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◯ 「死ぬほど追い詰められた人」への支援方法とは?公認心理師試験ケース問題対策

公認心理師試験は「まず話を聞く」「相談する」「共感する」を選択しておけば正解点を取れることが多いですが、実際の例外は多々ありますし、出題者側も引っかけを狙って来ると思います。

「仕事を辞めたい、あまりにも仕事がきついので辞めるか死ぬしかない」人に対して僕は「◯◯社のために死ぬのは辞めましょう、仕事のために死ぬのは馬鹿らしいですよ。それよりも生きる方法を考えましょう」と言っていますが実際のところはいかがでしょうか。

他の心理職の方々がどう話しているのか、あるいは言われた側の人たちがどう感じるのかは知りたいところです。

「そんな簡単に行かない、辞めるわけには行かないじゃないか、辞めたら家族も食べさせられない、このカウンセラーは何を言っているんだ」(中年層)

「何も次にしたいことが見つからないからもうダメだ。綺麗事ばかり言われても何も役に立たない」(若年層)

という感じ方は当然あるでしょう。

試験なら「じっくり苦しさを受容して聞く事」が正解です。

厚労省の自死に向かう人を救うためのガイドラインは山ほど多くあり、厚労省の検索ワードで「自◯」と検索するとものすごくたくさんの資料が出てきます。

あっちでこんなことが書いてあり、こっちでこんなことが書いてあるので一体どっちだ、と思いますが本当はどれも正解のはずです。

「さ、初診患者さんにとりあえず質問紙心理テストで査定するか」というやり方を実際やっている病院は多いのですが試験ではこのやり方は誤答でしょう。

追い詰められた人に「大丈夫ですよ」と裏付けのない保証をするのも誤答扱いされそうですが、「今までわけわからなくてもトンネル抜けられたでしょ?だからまた抜けられるんじゃないの?」

というのは僕なりの、クライエントさんと信頼関係ができていればこその介入をする事もあります。

でもこれも誤答でしょう。

「見たところ元気そうだから大丈夫だね」(→もう死にそうなのに勝手に決めつけるな!→誤答)(「大丈夫元気になれるよ!」→そうかな?でもいつも会っているカウンセラーがそう言ってくれるんだったら何とかなるかな?→誤答)

「どうですか?眠れてますか?食べられてますか?調子はどうですか?」(バイタル-生命サイン確認+オープンクエスチョンで開かれた質問→正答)

クライエントさん「この前◯◯って方法で死のうとしたけど死ねなかったんです」

カウンセラー「はあ、そんな方法じゃ死なないですよ(内心焦り)」

ク:「じゃ、カウンセラーがダメだって言うんだったらどんな方法で死のうかなあ」(死に方を探し始めるので誤答)

精神科医「死ぬのは甘えだ!地に這いずってでも泥にまみれても働け!生きろ!君も大人だろ」(絶対に誤答だけど、クライエントさんによっては号泣して持ち直すこともありあり)

家族に連絡をしなくてはならない、職場によっては危険業務から本人と周囲の人々の生命を守るために守秘義務を外さなければならないこともしばしばです。

公認心理師にとってクライエントさんを守りながら信用失墜させない行為とは何か?

日本医師会では精神科に限らずインフォームドコンセントのための様々なガイドラインが定められていますが、公認心理師には何もありません。

カウンセラーは人の命を預かる仕事です。

国家資格になったこの仕事がどの方向に動いていくのかまだまだ課題は山積しています。

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◯ 病院公認心理師Nさんの憂鬱+公務員心理職たちの不安定な生き様

僕「いつも資料送信してもらってありがとう」

Nさん「あのさ、うちの病院ね」

僕「うん」

Nさん「前から『臨床心理士資格持ってればこの先定年まで雇用するから』って事務長から言われててね、だから現任者講習も交通費も宿泊代も受験料も一切出さないよって」

僕「うん、そう言ってたね」

Nさん「院長が朝礼で公認心理師登録証持ってくるように言ったのよ」

僕「うん」

Nさん「ほら、公認心理師の保険点数加算いろいろあるじゃん?」

僕「あるね」

Nさん「だからね、心理室のメンバー全員っーても数人だけど全員公認心理師登録証の原本持って来させられた」

僕「うーん」

Nさん「これからは公認心理師と臨床心理士両方持ってる人しか取らないって」

僕「そういうとこ多いらしいね」

Nさん「なんかさあ、自腹で公認心理師取らされて検閲されたみたいな」

僕「もし持ってない心理士いたらどうだったんだろうね」

Nさん「期限付きで取らないとクビ?ほら、うち常勤と非常勤と混ざってるから」

僕「うーん」

Nさん「たまたまね、うちの病院って院長一族のワンマンじゃん」

僕「そうらしいね」

Nさん「なんか不意打ちっつーか騙された感半端ない」

僕「なんか資格手当とか出るの?」

Nさん「まさか。クビが繋がっただけよ」

※ 心理職は特にワンマン経営者のところに勤務していると右往左往させられます。

どんなに患者さんたちから評判がよくて流行っていて立派な著作を出していて学会の大物でたくさん論文を書いているボスがいい人とは限りません。

医師は治療者、経営者、上司、研究者と様々な顔を持つ事があります。

院長とケンカして失職しそうになったら「ヤバっ」と思ってすぐ転職する人もいます。

その点公務員心理職は無資格でも一旦勤務し始めたら、悪事を働かない限り首相でもその人をクビにできません。

ところが心理職公務員はなぜか、ではなく理由があって次々と退職しているのも現実です。

国家公務員総合職は全国転勤の嵐です。

単身赴任できなくて、と育児や介護があっても一カ所の任地に留まろうとすると相当な冷や飯を食わされて耐え切れず辞める人もいます。

地方公務員も児相は平均夜9時のところも多いですし、心理区分採用で児童福祉司と心理司兼任で燃え尽きる人たちも多いです。

組織の中で心理1人職場だと「何それ?」的な扱いをされていつまで経っても外様扱いされる事もあります。

臨床心理士30年の歴史がこれから公認心理師の歴史に書き換えられていくと思うのですが、少しずつでも良い方向に変わりゆく何かがあればいいと感じています。

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◯ 公認心理師試験ブループリント・隠されたキーワード/医学領域/公認心理師が身体疾患に上手に介入できる患者さんの病態理解知識

公認心理師試験において、身体疾患に心理職がどのようにかかわればいいのか、何の医学知識が必要なのでしょうか?

過去3回実施された公認心理師試験には医学知識が多く出題されていました。

そこで僕なりに身体医学知識と心理知識で何が必須キーワードなのかを考えてみました。

1.精神心臓学

⑴ A型パーソナリティ(既出)

せっかち、追い詰められたような感覚、長時間労働、攻撃的競争心

これらは冠動脈発生率を上昇させます。

⑵ パニック障害・過呼吸

動悸、破滅的認知、窒息感

過呼吸は心因によるものとWPW症候群のように致死的な心臓疾患があるので「さあリラクセーション呼吸法をしてみましょう」などと心理職がやっていると患者さんがその間に重体になりかねません。

⑶ 小項目キーワード

抗不整脈薬、βブロッカー、降圧薬、ジギタリス配合薬、シルデナフィル/これらの用法、副作用、交互作用、心臓科リエゾン

⑷心臓手術後の精神的情動発作、手術後のせん妄(心臓に限らない)

除細動術連続はPTSD症状を生じることがあります。(死を感じさせるような恐怖症はPTSDになり得るという事です。)

⑸ 治療

精神科治療薬はベンゾジアゼピン系や抗精神病薬等あらゆる薬物が適応となることがあります。

心臓移植等で障害受容が必要な場合心理職が治療チームに入る可能性があります。

2.精神腫瘍学

腫瘍前段階のがん恐怖症も介入対象となります。

リビングウィル、緩和ケア(既出)、キューブラー・ロスKubler-Ross Eの否認-怒り-受容段階、アンヘドニア

・がん種別による心理的介入と知識

婦人科がん、乳がんの家族歴、遺伝子マーカー、子宮がん検診におけるパパコロニー塗抹試験と羞恥心による検査アドヒアランス、前立腺がん(検査アドヒアランススクリーニングへの直腸診への抵抗)、ホジキン病不妊の不安、膵臓がんの不快感、脳腫瘍、腫瘍マーカー、オストメイトによるADL低下、骨髄移植のレシピエント、ドナーへの心理的介入

3.精神腎臓学

・小項目

せん妄、末期腎疾患(ERSD)、クレアチニン、糖尿病性腎臓病、CPK、透析による性障害、腎疾患と精神科リエゾン、向精神薬投与

※ 以下、小項目用語だけを列挙します。

ブループリントには出ていない隠された小項目用語を網羅していけば知識は増えます。(心理テストは予測できた部分が多かったと思います)

・火傷、外傷のPTSD、四肢切断によるファントム幻影、保存-退避(副交感神経の賦活)、否認

・産婦人科

不妊、男性の精子検査拒否、つわり(妊娠悪阻)、切迫流産-安静臥床の心理負担、妊娠中の虐待率上昇、妊婦への抗精神病薬適応不適応(ベンゾジアゼピン、定型精神病薬)への抗コリン作用、抗パーキンソン薬による催奇形性、うつ病罹患率は妊婦に高い(統計値15%)、妊娠中絶、産褥うつ、精神病、更年期(既出)ホルモン補充療法

・消化器

過敏性腸症候群IBSとストレス、IBD(炎症性腸疾患)、摂食障害致死率最大値20%、潰瘍とストレス、難病クローン病CDと潰瘍性大腸炎UCの心理ケア

・急性間欠性ポルフィリン症、ウィルソン病、肥満へのウェイトウォッチャー、ダンピング症候群

・内分泌

内分泌障害、コルチゾール過剰(クッシング症候群)全身性エリトマトーデス(SLE)、甲状腺機能低下、亢進、バセドウ病、糖尿病の心理ケア、ループス精神病、ステロイド精神病

・脳外科

脳血管、脳梗塞、多発性硬化症MS

・関連

全身疼痛、慢性疲労症候群、線維筋痛症と認知行動療法、身体表現性障害、虚偽性障害(詐病)オピオイド鎮痛剤副作用と疼痛解消による心理的影響(疼痛がないのはこんなにひどい外傷なのにおかしい)

※ ケース問題に出そうな領域としては

疾患による失われた機能の悲嘆、喪失、疾患との共存、痛みや悲嘆を感じていることの正常性を伝えること、疾患を医療スタッフに向ける怒りの理解です。

また、疾患解説サイトとして
MSDマニュアルプロフェッショナル版があるのでオススメです。

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB

参考文献:身体疾患の精神科医療 臨床ガイド 日本評論社

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