◯ 「死ぬほど追い詰められた人」への支援方法とは?公認心理師試験ケース問題対策
公認心理師試験は「まず話を聞く」「相談する」「共感する」を選択しておけば正解点を取れることが多いですが、実際の例外は多々ありますし、出題者側も引っかけを狙って来ると思います。
「仕事を辞めたい、あまりにも仕事がきついので辞めるか死ぬしかない」人に対して僕は「◯◯社のために死ぬのは辞めましょう、仕事のために死ぬのは馬鹿らしいですよ。それよりも生きる方法を考えましょう」と言っていますが実際のところはいかがでしょうか。
他の心理職の方々がどう話しているのか、あるいは言われた側の人たちがどう感じるのかは知りたいところです。
「そんな簡単に行かない、辞めるわけには行かないじゃないか、辞めたら家族も食べさせられない、このカウンセラーは何を言っているんだ」(中年層)
「何も次にしたいことが見つからないからもうダメだ。綺麗事ばかり言われても何も役に立たない」(若年層)
という感じ方は当然あるでしょう。
試験なら「じっくり苦しさを受容して聞く事」が正解です。
厚労省の自死に向かう人を救うためのガイドラインは山ほど多くあり、厚労省の検索ワードで「自◯」と検索するとものすごくたくさんの資料が出てきます。
あっちでこんなことが書いてあり、こっちでこんなことが書いてあるので一体どっちだ、と思いますが本当はどれも正解のはずです。
「さ、初診患者さんにとりあえず質問紙心理テストで査定するか」というやり方を実際やっている病院は多いのですが試験ではこのやり方は誤答でしょう。
追い詰められた人に「大丈夫ですよ」と裏付けのない保証をするのも誤答扱いされそうですが、「今までわけわからなくてもトンネル抜けられたでしょ?だからまた抜けられるんじゃないの?」
というのは僕なりの、クライエントさんと信頼関係ができていればこその介入をする事もあります。
でもこれも誤答でしょう。
「見たところ元気そうだから大丈夫だね」(→もう死にそうなのに勝手に決めつけるな!→誤答)(「大丈夫元気になれるよ!」→そうかな?でもいつも会っているカウンセラーがそう言ってくれるんだったら何とかなるかな?→誤答)
「どうですか?眠れてますか?食べられてますか?調子はどうですか?」(バイタル-生命サイン確認+オープンクエスチョンで開かれた質問→正答)
クライエントさん「この前◯◯って方法で死のうとしたけど死ねなかったんです」
カウンセラー「はあ、そんな方法じゃ死なないですよ(内心焦り)」
ク:「じゃ、カウンセラーがダメだって言うんだったらどんな方法で死のうかなあ」(死に方を探し始めるので誤答)
精神科医「死ぬのは甘えだ!地に這いずってでも泥にまみれても働け!生きろ!君も大人だろ」(絶対に誤答だけど、クライエントさんによっては号泣して持ち直すこともありあり)
家族に連絡をしなくてはならない、職場によっては危険業務から本人と周囲の人々の生命を守るために守秘義務を外さなければならないこともしばしばです。
公認心理師にとってクライエントさんを守りながら信用失墜させない行為とは何か?
日本医師会では精神科に限らずインフォームドコンセントのための様々なガイドラインが定められていますが、公認心理師には何もありません。
カウンセラーは人の命を預かる仕事です。
国家資格になったこの仕事がどの方向に動いていくのかまだまだ課題は山積しています。