ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

このブログ運営者は産業と医療の中間領域のようなところでカウンセリングを行っている、世界の謎を解き明かす心理職です。

これまで司法、教育、福祉分野での心理職経験もあります。

このブログのテーマは僕が専門としている心理学に加え、スタートしたばかりの公認心理師制度の検証、カウンセリング全般についてです。毎日更新を目指しています。誰も読まなくても書きます。もし評判が悪ければ反省してやはり毎日書きます。コメントは他者の誹謗中傷でなければ掲載します。僕へのクレームは大歓迎。掲示板がわりに使っていただいて構いません。

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◯ なぜ変人が公認心理師・臨床心理士には多いのか

関係記事: 実は公認心理師・臨床心理士にも常識人がいた!

臨床心理士は大学院卒の資格、受かるかどうかわからないのに大学院で臨床心理学を専攻する時点で一般就職を捨てています。それは一途な思い、というよりは、思い過ごし、思い詰める、自分は向いているのではないかという思い違いという人たちを見て来ました。

そもそも大学進学の際に同じ偏差値ならランクを落としても法学部、経済、経営に進学した方が就職もいいのでその時点で変わり者なわけです。

さて、そうやって思い詰めて心理職になった人はたいてい変わり者です。僕は自分でも思うのですが、きっとこの仕事以外にはもう何もできないなと思っています。

僕の周囲に限るかもしれないのですが、最初に就職したところにずっと勤めている心理職の人はほとんどいません。一般企業人の転職率は50代までに平均1回というニュースを見たことがあります。心理職は常勤公務員でもどこかいい転職先を狙っている人が多いです。心理職2人になると転職話が必ず出ます。というわけで僕は心理職5領域掛け持ち含めて12の職場を経験しました。

公務員でも腰掛け感覚、このフリーダムさはまるでバックパッカーアルバイトを転々としているがごとくです。学校の先生は学校を出てそのまま教師になるから世間を知らないと言われていますが、心理職も全然社会のことなんか知りません。

僕なんぞもハローワークに週イチ、もちろん非常勤でカウンセラーをやっていましたが、「正規雇用に就職したい」という人たちに細かく詳しく手取り足取り、ES(エントリーシート)や履歴書、職務経歴書の書き方、面接の受け答えの仕方を教えていました。あれは心理学を学んだから、というよりもこれまで130事業所に自分が就職内定を取るのに使った知識と経験とハッタリが役立ったのでしょう。

心理職は貧乏なのに本を買ったり研究会にお金をかけて行ったり、論文を書いたり学会発表をしたり、一文の得にもならないどころかお金を果てしなく払って勉強します。英語論文でと深掘り心理士(師)はわからないことを調べ始めるとどこまでも泥沼にハマります。

この前学生時代に読んでいた本をブ◯ック◯オフにダンボール10箱、315円で売りましたがまだ千冊ぐらい本があります。年間書籍、研究、学会参加費は数十万円ぐらい。はっきり言ってドMの変態だと思います。
先輩は本を買い過ぎて床が抜けたと言っていました。

というわけで女性は家庭を支えなければならない稼ぎ手であるはずの男性心理職を結婚相手に選んではイケません。給料が安いのにふらふら転職ばかりしていてしかも研究道楽で家計を苦しめるというとんでもない人種と結婚してはいけないと世の独身女性には切に訴えたいです。

そして心理職だから人の話をよく聞く優しい人かというと全くそんなことはありません。連射式マシンガンのように心理職はよく喋ります。私生活、仕事での不満、転職話など放っておくと何時間でも喋り続けます。

知人や薄い友人ならまだいいですが、こういう輩を絶対にパートナーに選んではいけません。この人たちはまず人の話を聞きません。しかも職場で先生と呼ばれているにもかかわらず大した待遇でもない、大学院卒専門職なのでプライドだけは異様に高いです。一緒に暮らし始めたらこの一見笑顔で親切な人は、愚痴と自慢話ばかりを話してあなたはそれを聞き続けることになるでしょう。もしくは自室を作ってそこに籠もってひたすら本や論文を読んでなにやらパソコンに向かって何か意味不明なことをしています。

私生活でも何もかも1人で決めてしまいます。職場でもその傾向があります。特に心理1人職場(僕もそうですが)カウンセラー室に閉じこもっていると、ほかの医療スタッフやコメディカルが何をどうやっているのか、病院全体的の運営がどうなっているのかさっぱりわかりません。

公認心理師でも多職種連携や主治の医師の指示が強調されているのはそういうバックボーンあってのことでしょう。心理職は心理が専門なのでカウンセリングや心理検査は自分の独断でやりますがほかのことはできません、無能と言ってもいいです。

さて、この事態に危機感を抱く心理職もいます。そうすると今度は過剰適応しようとして事務長や総務課長とサシで飲みに行き、仕事に溺れて夜中まで仕事を作り出して研究をやります。5時まではカウンセリング漬け、それから検査検査のまとめや論文作成です。帰宅するのは午前様。そうすると待っているのはメンタル崩壊、家庭崩壊です。

もしあなたがクライエントなら、カウンセリングを受ける際、なんでも心理が原因だと思い込むカウンセラーには気をつけてください。胃潰瘍はストレスのせいだ。確かにそれもあるかもしれません。肩こり、腰痛も心因が関係あるかもしれません。全身疼痛もそうです。常にカウンセリングを勧めてくる心理至上主義には巻き込まれないでおきましょう。内科や整形外科にまずは行ってください。

※ 付け足し。あくまでこれは僕が自分を振り返って反省してみただけでタイトルは実はウソでした。ほとんどの心理職はまともで人格的に高潔な人な正常人だけです。
(おしまい)

※ おまけ
心理師A:あのさ、公認心理師試験で、すぐに精神科につなげる必要性がある発言が「あなたたちは私の秘密を知っているでしょう」(思考伝搬)っていうのがあったよね。
心理師B:確かにあれは精神科に急いで紹介しないとね。
A:ただ、あれ、そのあとなんて言えばいいんだろうね。
B:受容的に「はい、私たちはもちろん何でも知ってます」とか?
A:お前いろんな意味でぶち殴られるぞ
B:「さぞそれはお辛いでしょう」はどう?
A:うーん、寝酒飲んで毎朝1時間ジョギングかな?
B:お前もそのネタ引っ張るなあ。
A:「何でも知ってる、あなたはそう思っていらっしゃるんですね」
B:「はい」って言われて終わりだろ。

⭐︎ こういう場合には家族に連絡してから受診を勧めるというのが正解かなと僕は思います。

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◯ 心理療法各論

元々公認心理師に求められる心理療法支援として、来談者中心療法、行動療法、精神分析、夢分析、箱庭療法、遊戯療法、芸術療法、家族療法、動作法が要求されていました。
(公認心理師カリキュラム等研究ワーキングチーム)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000154461.pdf


ところで、現任者テキスト記載のとおり催眠療法が科学として始動し始めた19世紀半ばを心理療法の黎明期としています。

近代的心理療法の成立は、19世紀半ばに確立した催眠法、メスメリズムから発展し、研究者たちによって催眠は生体磁気によるものではなく、純粋な心理的な問題としてとらえられることになりました。

催眠磁気説をすべて否定して催眠に取り組んだのはアンブロワズ・オーギュスト・リエボーLiebeault,A.A.、
ヒポライト・ベルネームBernheim,Hです。ジャン・マルタン・シャルコーCharcot,J.M.で磁気説への揺り戻しはあったものの、催眠の有効性を医学会に広め、ピエール・ジャネJanet,Pが無意識の存在をフロイトよりも早く発見していました。

◯ ヒューマニスティック・サイコロジー

精神分析、行動療法とは異なる潮流から生まれてきたカウンセリング理論が1960年代にカール・ロジャーズ
Rogers, C.Rによって提唱された来談者中心療法パーソンセンタードアプローチPerson Centered Approachです。
ロジャーズの心理学は職業カウンセリングの流れから始まりました。

来談者中心療法は、「単に話をうなずきながら聞く」というものではなく、Rogersの提唱した3概念によるものです。

1 純粋性(自己一致)
聴き手自身が心理的に安定していて、ありのままの自分を受け入れていること。防衛的になったり、虚勢的にならず、率直な気持ちと態度で話し手に向き合えていること

※ クライエント自身は傷ついて不安な、自己不一致の状態にあるわけです。

2 受容的態度
批判や非難の目を向けることなく、受容的な態度で話し手に接すること。話し手をひとりの人間として大切に思いやること

3 共感的理解
話し手がどのように感じているか、考えているかを、できる限り正確に知ろうとするこ と。カウンセラーが理解したことを相手に伝えること、表面的に同調や同感するのではな く、話し手の「ものの見方・考え方」にそって理解しようとすること

(出典:木村周『キャリア・コンサルティング 理論と実際』雇用問題研究会2010年39頁以下、209頁)

来談者中心療法は、当初非指示的療法(Non-Directive Therapy)として始まったのですが、ただうなずいてオウム返しをしている(説教するよりその方が求められていることは多いのですが)わけではありません。

受容、支持、共感をする、クライエントの心的な鏡としてカウンセラーはクライエントの気づきを促進します。

もっとカウンセラーは主体的にクライエントにかかわり、クライエントが自己成長すること、自己洞察を達成していくというプロセスに助力していくことが求められています。

後年Rogersはエンカウンターグループ等一対一のカウンセリング以外の治療要素も取り入れていきました。それがRogersの心理療法の名称の変更につながった理由の一つでもあります。

Rogersの流れを汲むカウンセラーの一人は、バージニア・アクスラインAxline, V.M.の遊戯療法で、遊戯療法の8原則を来談者中心療法の概念を援用しながら作り上げました。

1.治療者と子どもとの間にラポールがあること
2.治療者は子どもの表現を受容していること
3.治療者は子どもが内的世界を表現できるよう自由な雰囲気を作ること
4.治療者は、子どもの示した感情を反射、子ども自身の気づきを促す。
5.治療者は、子どもが自分の表現や行動に責任を持つようにする。
6.遊戯療法の主体はあくまでも子どもで、治療者はついていく。
7.遊戯療法は子どものペースでゆっくりと進むものであることを受容する。
8.制限行動は構わない。定められた遊具を定められた時間と空間で使用する。攻撃行動は認めない。

◯ フォーカシング(focusing)
出題委員専門分野ということで取り上げておきます。フォーカシングは来談者中心療法から派生したカウンセリング技法です。

創始者はGendlin,E.Tで、Rogersとともにフォーカシングの研究を進めていきました。人間の生活は刻一刻と変化していく体験とそのプロセス、体験過程Experiencingの中にあり、意識、無意識の境界の中に注意を向けることで身体的にそれが感じられるようになります。今ここで自分に何が起きているのか、言葉にならないもやもやとした感じへの気づき、洞察が目的です。

体験は象徴化されて受け手にフィードバックされるのですが、それが滞った場合には心理的困難に陥ります。フォーカシングは、集団でも実施可能な技法ですし、やり方を覚えて数十分間通勤電車の中でやっている人もいます。

クライエントの気持ち、身体感覚、何か感じているものをフェルトセンスと呼びます。そのフェルトセンスがなんとなく胸やお腹の中に感じられるようにクライエントがなるのをカウンセラーは待ちます。

そしてそのフェルトセンスに一番ぴったりと来る言葉(ハンドル)が見つかったらフェルト・シフトと呼びます。

ぴったりと来る感じが体感される、気持ちの中でもすとんと落ちて得心するという状態です。フォーカシングは一度フェルトシフトが手に入った状態でもフェルトセンスに問い掛けをしていくことで体験を深めることができます。このようなフォーカシングは最初は聞き役がいた方がいいでしょう。

フォーカシングを行う人をフォーカサー、聞く側をリスナーと呼びます。リスナーが主体的にフォーカサーに対してガイドをすることもあります。このようなフォーカシングの効果は

自己理解や気持ちの整理
意思決定
自分自身の尊重
リラクセーション
感受性、創造性の向上
共感性を育てる

等です。

フォーカシングはカウンセラーを育てる感受性訓練ともなっているために、まずはカウンセラーがフォーカシングをすることが勧められています。

フォーカシング指向心理療法 (Focusing Oriented Psychotherapy)

は、ジェンドリンがフォーカシングだけをセッションの中で行うのではなく、クライエントが自らのフェルトセンスに気づいた時に体験過程が動いていくことになります。

フォーカシングありきでなく、カウンセラーとクライエントとの信頼関係の醸成、傾聴が体験過程の変化を生み出し、無理に最初からフォーカシングを行わなくてもフォーカシングのエッセンスを包含しているフォーカシング指向心理療法は可能です。

ヒューマニスティックサイコロジーの一環の動機付け面接法については過去にこのブログで触れています。

◯ ゲシュタルト療法

精神科医Perls,F.S.とその妻ローラによって創始された精神療法です。
今・ここ、いかに、なにを話しているかを問題にし、過去にとらわれない精神療法です。

過去のものを過去のものとして認識してし、今ここで過去のトラウマについて話しているクライエントの今ここでの状態にも注目をします。だまし絵ではよく図と地の逆転が起こるのですが、図ばかりに注目していると地に何があるのかわかりません。その逆もまた然りです。ゲシュタルトの本来の姿に気づき(Awareness)が達成されたとき、洞察ができます。

ワークショップ形式で行われることが多く、エンプティチェアーという技法を用いて、空の椅子に対し、話しかけたい相手がそこにいると想像して会話を行い、クライエントの洞察を援助します。その手法から交流分析とも近縁です。


◯ 感情焦点化療法
(Emotionally focused therapy ; EFT)

感情の持つ側面は、自己の中の他者でもあり、自己を攻撃するものにも自己を構成するものにもなります。

EFTは、神経科学や基礎心理学の最新知見、「空の椅子の対話」「二つの椅子の対話」というゲシュタルト心理学を応用したとも考えられる特徴的な技法、多様な心理療法の統合によって、感情をコントロールして自己変容を迫ります。

ゲシュタルト心理学、認知療法のエッセンスも取り入れた統合的アプローチであります。感情だけが変化しても認知が変わらなければ効果は期待できません。

コミュニケーションに焦点化する精神療法であることからカップルセラピーにも多く使われています。

◯ 実存的心理療法

実存心理療法はヴィクトール・フランクル Frankl,V.Eによって創始されました。ニーチェ、キルケゴール、ハイデガー、サルトルら実存的哲学者の影響を受けた心理療法です。

「何故そこに生きているのか」を考えながら、患者の生きていて見ている世界に治療者自らも身を投じてみるということです。フランクルの提唱したロゴテラピー(ロゴセラピー)の概念は、「意志の自由」をまず考えます。

人間は必ず環境に束縛されていますが、それな対する態度を選び取る意志の自由があります。関心の喪失、興味を失うということは意味への意志を失っているということです。

したがって自己実現するに当たっても意味への意志を持っていないと達成はできません。それらを経て生命の意味を見出すことができると、ユダヤ人収容所に収容され、母と妻を喪ったフランクルは考えました。(この収容体験の前からロゴテラピーの理論は出来ていたと言います。)

それら生きる意味の再規定が実存主義心理学の目指すところと言えるでしょう。実存主義心理学は人間が生きている根源的な意味の問いかけを行います。したがって、死の不安、孤独感、自由がゆえの選択のおそれ、意味という実存的テーマを話し合います。

セラピストであってもクライエントであってもその苦しみは同じこととして、セラピストが自己開示することもある技法です。

実存主義心理学者にはRollo,May、
Ellenberger,H.F.
Binswanger,Ludwig
「生きられる時間」の著者である
Minkowski,E
らがいます。

◯ システム論的アプローチ

家族療法は、患者のみに働きかけていたのに対し、家族を1単位として見て、問題をいる、例えば不登校の子どもは夫婦問題を反映し、夫婦が共同して子どもの問題に当たらせるために不登校となっていることがあります。

こういった場合、カウンセラーが何も背景を考慮せずに子どもを学校に復帰させると今度は夫婦が自分たちの問題に直面化して離婚の危機に陥ることがあります。

問題、症状はお互いに関連し合って変化し、その意味合いも変わってくるのです。問題を抱えているクライエント=この場合は不登校の子どもをIP(Identified Patient)と呼び、カウンセラーは家族全体を統合されたシステムとして治療介入します。

家族システム理論はBateson,GのDouble bind理論に負うところも多く、子どもに優しい声で呼びかける母親がひどくこわい顔をしている、言葉と非言語的コミュニケーションが全く違っていればそれはDouble bindとなり、統合失調症の子どもを作り出すと言います。家族システム理論はコミュニケーション理論です。

解決志向アプローチは、
Steve de Shazerとらが開発した心理療法です。

「何が問題か」ということを突き詰めてもそれは問題解決にはならない、むしろ有用な解決法を考えるのが近道という考え方です。

このアメリカにあるBrief Family Therapy CenterのSteve de ShazerとInsoo Kim Bergらが開発した、Solution Focused Therapyをモデルにして発展している新しい心理療法です。(Solution Focused Approach,SFAとも言います。)

何が問題かということを探求するよりも、どうやったら一番手っ取り早く解決できるかということを探ります。

SFAの技法ではねぎらいcomplementを使い、例外探し(なぜその時には症状が起こっていないのか)をして、例外がわかればそれを続けさせるという手法を使います。

「もし明日の朝全て問題が解決していたら何にあなたは気づくか?」ミラクルクエスチョン、

前回と症状が同じ、もしくはひどく悪化していたとしても「そんなひどい状況の中、どうやってやり過ごしたのですか?」コーピングクエスチョン

つらさをスケーリングするクエスチョン、「どうやって生き延びられたのですか?」サバイバルクエスチョンが使われてます。

Brief Therapyは稀代の催眠療法家、Erickson,M.によって施行された技法です。問題解決技法の施行がそのまま問題を維持させていることがあります。

問題焦点型(MRI=Mental Recerch Instituteモデル)は、現在用いられている解決行動自体が問題を維持、再生産させる偽解決になっているとみなし、そして、問題を問題として見なすコミュニケーションパターンに焦点化します。

Ericksonはよくパラドクスに満ちたメッセージをクライエントに処方しました。解決を悪化させるようなパラドキシカルな行動や症状処方は、そこで起こっていた問題をリフレーミングしてプラスの意味合いに変えることができます。

◯ 森田療法
東京帝国大学医学部を卒業した精神科医森田正馬(まさたけ)が1919年に創始した神経症のための心理療法です。
森田自身が学生時代は重度の神経症だったという自省からこの治療方法を編み出しました。

伝統的な入院森田療法では3日間の絶対臥褥期で狭い部屋で動かない、その後軽作業期、作業期を経て社会復帰を目指します。通院森田療法は日記指導を重視します。

森田療法の真髄は「ありのまま」の自分を受容することから始まります。大きな変化を期待するのではなく、道端で一本の野に咲く花を摘み取り、一輪挿しに活ける、ほんのごくわずかの変化が大切だと言います。

神経症、不安症に特化した森田療法は「目的本位」あるがままに振る舞えば今日やることを認知してそれを行う、また、いつまでも恐れているだけでは変化をしない。

森田自身が学生時代に味わった恐怖はがむしゃらに勉強することでのりきれたのですが、恐怖に思い切って突入することが大切だと説きました。

◯ 統合的アプローチ

コンピテンシーでも重視されていますが、一つの学派に拘泥してクライエントの望まない支援を行うことは本旨に反します。

(現任者テキストから引用)

1.異なる学派の基礎理論を検討、元の学派の良さを保ちながら一貫した新しい理論を構築する。

2.学派を超えて個々のクライエントの特徴に適合する治療技法を選択する技法折衷主義

3.学派を超えて共通する治療要因を明らかにすることを目指す共通要因的アプローチ

4.1つの学派に準拠しながら別の学派の知見を徐々に取り入れて行くこと

です。

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♯公認心理師あるある

1.そもそも誰も公認心理師を知らない

臨床心理士を従来雇っていた機関だと、医療機関は保険点数の関係で敏感な経営者もいます。が、ほとんどの医師は知らない、特に若手20代〜30代の研修医終えたてで精神医療を学ぶのに必死だった層はまだ公認心理師の事を知らないことがままあります。現任者講習会でも多忙な勤務に追われている若手精神科医は見なかった、自分で開業をしている年配の精神科医が多かったような気がします。

精神療法に興味があり、心理職に対して上手にアウトカムを求める医師とは仕事がしやすいです。

また、医療機関外に勤務している心理師が心理情報提供を文書で行うと返類書が心理師に返ってきますが「公認心理士」と師の名前を間違えるのは当たり前、「公民心理士」と大変現代社会倫理に資するような呼称を拝命することもあります。

主治の医師の指示については今でもずっと悩んでいて知人心理職数十人に情報提供として現在抱えている問題点を一斉送信しましたが特にリアクションなく、心理職ですらそうなのですから、多職種連携と言われつつ公認心理師制度を誰もが知らないのが当たり前、特に医療、福祉などの保険加算がない機関ならば知らない人は多いでしょう。となるともちろん公認心理師特有の責務、義務についても知られていないわけです。

2.今みんな忙し過ぎてそれどころではない。

新型コロナウイルス、COVIT-19対策には今医療機関に限らずどこの組織でもおおわらわで対応しています。医療現場では管理職スタッフがチームを組んで通常診療活動以外にも病床確保、入院した際の隔離要領、スタッフの安全管理対策など国家、地域行政と連携して考えることが山積しています。

厚生労働省の職員もずっと泊まり込みが続いてそうですが、地域保健所の知人もげっそりとしていて、これで集団食中毒でも発生したらどうしよう?と。ノロウイルスは冬場に猛威を振るいやすいので要注意です。保健所担当者はノロウイルス発生現場検査にも行くのですが、どんなに消毒しても菌に接触してしまうこともありとある担当者は「私この冬2回ノロウイルスにやられたのよ」と以前聞いたことがあります。

文部科学省はスクールカウンセラーのような非常勤職員の雇用機会を確保、さらに子どもがいる家庭では非常勤職員でも有給を取れるような制度を今回策定しました。学校に行っても子どもは誰もいないなあ、管理職は忙しそうだなあ。と教育現場は温度差はありますが、カウンセリングという制度があることすら忘れているかもしれません。

心理職としては心理にできることはきちんと通常の、そして新規のカウンセリングは行うという本務を疎かにしないことでしょうか。そして多くのスクールカウンセラーがこういった時に子どもや保護者の心に響く不安を低減させるようなメッセージを学校のホームページなどに掲載しているのも知っています。この機会にいろんな学校のホームページでスクールカウンセラーの書いたものを見てみるのも勉強になりそうです。

今回のCOVIT-19は心理職にとっては災害と流言の中で自分のポジションをどこ置くかということをプラスに学べるチャンスとも思います。この世界ではいつ何があるかはわかりません。

もちろん嫌な事はないに越した事はないですが、何かあった際に即動できる心構えはきっと役に立つだろうと自分では思っています。サイコロジカルファーストエイドは何かがあった時に何をしたらいいのかという、社会の中で心理職の役割について考えるのには必要な視点です。

3.クライエントさんたちの方がいろいろと詳しい

医療現場では患者さんやその家族は受けている治療について大変勉強しています(喜ばしいことだと思います。)。精神薬理学に詳しい患者さんもいますし、学者のように発達障害に詳しい当事者さんも多いです。「臨床心理士資格は持っているんですか?」と聞かれたことがある人は多いのだろうかと思います。少なくとも僕は聞かれました。

目の前にやってくるクライエントさん、患者さん、当事者さんは自分が受けられるサービスを最大限有効に使おうとするのは当たり前のことです。

クライエントさんで臨床心理士制度と公認心理師制度について詳しく知っている人がいます。公認心理師Gルートが現任者ということも知っているので、もし公認ピン理師の人がカウンセラーになったらそのカウンセラーがたどってきたバックボーンを聞いてみる、聞いて納得できればいいというニュアンスでそう言っていました。

心理職が働く領域はどこもサービス業でありながら純粋なサービスでなく、ある程度のルールでコントロールされた側面も持つ現場だと思います。

医師は「ちゃんと薬飲んでね!」と言いますし、心理職も「こういう風だったらよかったかもしれませんねえ」(例)と仮定的な表現をすることがあるかもしれません。ただし、弱っている人には「なんで不可能なコトやレバタラ話をするの?」と傷付く人もいるでしょう。言葉を使う仕事におけるカウンセラーの意図は微妙に異なってとらえられるとクライエントさんにとっては侵襲性があります。

心理職が相対しているクライエントさんはただの「弱い人」でなく「弱い時もある普通の人」です。普通の人は、どんなに自分が傷つけられてもじっと黙って我慢するということはありません。怒り、悲しむのが普通です。そして知識は力です。獄中から次々に名誉毀損でマスコミを訴え、その80パーセントに勝訴したロス疑惑で有名な故三浦和義被告は全て獄中で法律を独学で学びました。

今やインターネットが普及し、中高生もきちんと自分の権利について調べることができますし、それは推奨されるべきだと思います。

傷つけてはいけない人が傷ついてしまわないように細心の注意を払うことが望ましい公認心理師あるあるの世界だと思います。

(おまけ)

臨床検査技師Oさん:学校休みになってからね、っつーその前からいつもなんだけど小5の娘がゲームばっかりやっててね。
僕:いいじゃないですか。
Oさん:今ね、学校から宿題たくさん出てるから泣きながらやってるの。
僕:頑張ってますねえ。
Oさん:できない時は教えるよって言ってるけど宿題なかったことにしてまたゲームやってる。ゲーム取り上げたらトイレでマンガ読んで寝てる。
僕:はあ。たくましいですねえ。
Oさん:高校まではフツーに行って欲しいなあ。将来の夢はYouTuberだって(泣)
僕:なれるかもしれないじゃないですか。今のうちからインフルエンサーになれるために投資しておいた方がいいですよ。
Oさん:それナニ?
僕:お父さんのクレカの番号教えてどうやったら人はネット上で課金したがるか実地で試してみるとか、金銭管理感覚を養うとか。
Oさん:えっと、ひなたさん今の話全部なしってことで。

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