カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

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◯ 公認心理師・臨床心理士 心理オフィスk北川清一郎先生 心理師に望むこと、クライエントさんへのメッセージ

北川清一郎先生は横浜で心理オフィスk を構えている臨床心理士、公認心理師の先生です。

以前から北川先生のブログ

https://s-office-k.com/

を読んで「面白いなあ」「わかりやすく説明してあるなあ」と感心していたのですが、ご多忙の中時間を作っていただき電話インタビューをさせていただきました。

北川先生の学会発表にも参加してパンフレットもいただいておりますので、パンフレットも参考にしながらの質問です。

僕「北川先生は精神分析がご専門ということですけど、最近ではHSPの記事を書いたりPTSDやあらゆる相談に対応していらっしゃいます。これらを全部精神分析でカウンセリングしていらっしゃるんですか?」

北川先生「もちろん精神分析がメインなのですが、どんな相談内容の方でもベースとなるのは精神分析的な理解ですね。」

僕「あの、週7回午前10時から22時までというのはすごく利用する方にとっては便利と思うのですが大変なのではないでしょうか」

北川先生「11人のスタッフで手分けしてやっていますね。私は週5回です。」

僕「EMDRのような高度なトラウマ治療もやってらっしゃるんですね」

北川先生「私も含めて3人EMDRができますので対応しています。」

僕「個別カウンセリングだけでなく講座や研修、講義もやっていらっしゃる?」

北川先生「幅広く対応するようにしていますね」

僕「えっと、心理職にとっては開業というのはひとつの将来の『夢』のようなものだと思うのですが、開業には何が必要でしょうか?」

北川先生「ある程度のキャリア、経験、そして覚悟ですね。」

僕「先生のオフィスのカウンセリング料金は世間相場からすると破格値に思います。特に院生・初心者向けのスーパーヴィジョン・個人分析が3,500円というのは安いですね」

北川先生「院生に対しては教育の一環として行ってます。後進の指導は必要です。ボランティアのようなものですね。」

僕「同業者の開業の方々と研究会を行ったりとか?」

北川先生「開業領域とは限りませんね。医療、スクールカウンセラーの方とも一緒に研究会に出ています」

僕「最後に公認心理師の方々やクライエントさんたちにお伝えしたいことはありますか?」

北川先生「新しく公認心理師になった方は心理経験の深さの差が激しいですね。心理療法経験が浅い方にはきちんとトレーニングを受け、個人療法を受けたり研究会などで横のつながりを大事にして欲しいと思います。クライエントさんがカウンセラー選びで困った時には、これから心理療法家を選ぶ上では公認心理師のみの資格ではなく、臨床心理士の資格も持った人がいいと現時点で思います。」

僕「お忙しい中どうもありがとうございました。」

※ 最後の〆の言葉は新公認心理師の中では手厳しいと感じた人もいるかもしれませんが、クライエントさんのことを考えると現状では最善の選択と思いました。

余計な事ですが(以前も書いたのですが)HPを見るとスキンヘッドで「怖い先生なのかな?」と誤解する人もいる(かもしれません)ような気がしますが、心理臨床学会で見た時は大変優しくて笑顔が似合う先生でした。

またインタビューに答えてくれた際にもとても丁寧で物柔らかな声と雰囲気を醸し出していて信頼できる先生だなあと思いました。

さて、開業領域の先生方には機会があればまたお話をお聞きしたいと思うのですが、僕にとっては北川先生のブログをいつも愛読しているので、まずはお電話でお話を伺うことができて大変勉強になりました。

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◯ 京アニ事件から考える公認心理師の役割・加害者臨床

京アニ事件で加害者が医療スタッフに対し「こんなに優しくしてもらったことはない」と感謝の気持ちを述べたそうです。

この事件の動機などの解明は捜査機関や専門家に任せるとして、僕が感じたのは、医療者や臨床家というものはどんな加害者に対しても決して差別せず、全力で対処して行くということです。

どう考えても社会的には許されない犯罪をした人々がいる、犯罪行為はそれ自体が行動嗜癖となっていることが多いです。

そうすると世間からは同情の余地がないサイコパスと思われてなお自尊心を低下させた人が累犯者となることもあります。

心理臨床家にとって、犯罪のトラウマを負った被害者を1人救うのに何十年もかかり、それでも死を遂げてしまう被害者は多いです。

犯罪経済学という学問分野があります。

犯罪者を逮捕、勾留して裁判にかけて刑罰を与える、更生プログラムに参加させる。

あるいは判決に不服があれば二審、三審まで進む。

例えば1人の重大犯罪者に対して裁判を行い、死刑執行が行われるまでには1億円かかるという試算があります。

こういった、犯罪が社会に与えるマイナスのコストを行刑面だけで考えるのではなく、被害者が治療を受け、救われて欲しいわけです。

そう考えると、例えば何百件という犯罪を繰り返すことで知られている小児性愛犯罪者1人を更生させることができたなら、どれだけの被害者が救われたかと思います。

加害者臨床は困難で、相手に共感をしていくことが時として難しい分野です。

「負い目」「引け目」「劣等感」「自尊心の欠如」「他者への共感力の乏しさ」「自己中心性」等々様々なネガティブワードで犯罪者は更生可能性を捜査機関、裁判官、行刑機関に否定されていくことが多々あります。

加害者臨床に携わった心理職ならば、どんな加害者でもその更生したいという気持ちの真実と、そして見えてくる光明に心を打たれたことがあるのではないでしょうか。

犯罪者は一度ラベリングをされてしまうと立ち直るのが困難になっていく一方です。

彼らは犯罪を24時間起こしているわけではありません。

加害者臨床にかかわる心理職には、その動機の陰に隠れているその人の傷ついたプライドの理解、本当はあったはずの自己承認欲求や自己肯定感を強めて更生の道を見つけ出して欲しいと思うのです。

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◯ 日本心理臨床学会第39回大会

心理臨床学会がパシフィコ横浜で2020年8月27日(木)〜30(日)に開催されます。

それについて会員への案内が手元に届き、学会ホームページにも詳細案内が掲載されました。

正会員26,877人を誇る心理関係では最も大きな学会で、年2回開催されていた時期もあったのですが、あまりにも大規模大人数が参加するので現在受入れ可能なのは横浜パシフィコと神戸ポートピアになっています。(第40回も横浜パシフィコ開催)

昨年の一般公開プログラムを見るとわかるのですが、学会テーマは身体性が中心になっています。

今年僕が気になるのはこれまで非会員だった新公認心理師がどの程度新会員となって学会に参加するだろうということです。

例年7,500人から8,000人の参加者なのですが、公認心理師ホルダーの方々がどれだけこの学会に加入して参加するのかは気になるところです。

臨床心理士は学会参加すると更新のためのポイントになるのですが、公認心理師のみの資格ホルダーはそういった縛りはありません。

ただ、心理臨床学会は公認心理師制度の後押しを従前からしています。

そして今回公認心理師となった方々の中で例えば短大や専門学校卒でも心理実務8年以上、それから実務経験が心理臨床学会が定めるものと異なっていた場合(産業関連などは判定が難しいかもしれません)、果たして入会が認められるのだろうか?

という疑問もあります。

せっかく心理業務に長けた実務家も多く合格している公認心理師試験です。

また、公認心理師試験そのものも研究法や統計も多く出題されていて、科学者―実践者モデル (scientist-practitioner model)の視点が重視されているように思われます。

優れた臨床家は優れた研究者にもなり得るという考え方です。

この機会に多くの新公認心理師の方々が研究活動に参加して欲しいなあと思うのです。

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