ひなたあきらの公認心理師でポン!

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

このブログ運営者は産業と医療の中間領域のようなところでカウンセリングを行っている、世界の謎を解き明かす心理職です。

これまで司法、教育、福祉分野での心理職経験もあります。

このブログのテーマは僕が専門としている心理学に加え、スタートしたばかりの公認心理師制度の検証、カウンセリング全般についてです。毎日更新を目指しています。誰も読まなくても書きます。もし評判が悪ければ反省してやはり毎日書きます。コメントは他者の誹謗中傷でなければ掲載します。僕へのクレームは大歓迎。掲示板がわりに使っていただいて構いません。

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「支え合う家族・夫婦で支え合い、そして子どもたちを支え、笑顔で明るい家庭を過ごすには?」

※ 本稿は近代中小企業様に投稿させていたものです。僕はこのブログの大きなテーマとしていて、メンタルヘルスへの影響が甚大な新型コロナについて取り上げています。今回出版、及びインターネット上に掲載していただいたことについて感謝申し上げます。

 
「近代中小企業」
発行:中小企業経営研究会
https://www.kinchu.jp

(元原稿)

1.はじめに

6月19日、政府は都道府県をまたぐ移動を許可、これによって観光産業が息を吹き返し、世の中も明るいムードになることが期待されています。その反面で日々変わる感染者数の増減が発表されています。場合によっては第2派流行があるのではないかと懸念されています。これまで休校されていた学校は登校可能になりましたが、予断を許せない状況であることには変わりありません。

ソーシャルディスタンスを守り、「3密」を回避しながらなるべく自粛を続けていくことには変わりないのです。こういった中、家庭人でもある経営者はどのように家族に接し、明るい雰囲気作りと自粛を両立させていけばいいのでしょうか?

従業員にも安定した家庭の中で過ごし、明るく生き生きとして働いてもらいたい、そのためにも企業のリーダーが範を示したいものです。

2.沈滞ムードにならないための家庭の雰囲気作りとは?

休校からだんだん開校となってきた今、子どもたちも元気に学校に行き始めました。そうするとすっかり元の生活に戻ったような錯覚を抱いてしまいます。専業、兼業でも主婦(夫)は子どもの昼ご飯を心配しなくていい、ストレスをためながらずっと家族で顔を合わせていなくてもいいということでほっとしているかもしれません。

ところがスーパーやコンビニに行くと相変わらずビニールの仕切りがあり、並ぶ時にもソーシャルディスタンスを開けて、と今の生活は元とは異なっています。

ニュースは再流行しそうだとか、ワクチンや治療薬はできるのか、海外では爆発的な感染のおそれあり、と見る番組ごとにばらばらの報道をしています。様々な報道に接していると不安にさせられたり、もう危機は脱したのだと思う事になったり、人々は気持ちをかき乱されてしまいます。

企業リーダーは家庭でも大切な舵取り役でそして水先案内人です。混乱する世間の情勢に流されて家族が不安定にならないためには、経営者であるリーダーとっては家族のマネジメントも大事な仕事です。

今は全て良くなったと喜ぶ時期ではなく、世界ではまだコロナは大流行しています。その中で家族を支えるためには正確な情報を知り、家族の不安や心配に対して親身に共感することが大切です。日々洪水のような情報が飛び交う中で、正確な情報を拾い上げましょう。そして家族が知りたい事実をきちんと伝えておく心構えも大切です。正確な事柄というのは「日本ではこの状態はだんだん立ち直りつつあるけれども決して油断はできない」という事です。

子どもは大人の立ち振る舞いを見ています。そして大人を頼りにしています。配偶者もあなたを頼りにしています。ですから大黒柱が揺らぐと他の家族も影響を受けるということを心に留めておきましょう。

家族が「沈滞ムードにならない」工夫というのは無理をして場を盛り上げるということではありません。家庭はお互いの感情が影響しあってひとつの有機体のような動きをします。今回外出が制限されてストレスがたまった、そして自粛ムードが解けたからもっと自由にしたい、まだ慎重にするべきだ、家族といっても一人一人は違っているのですから考え方が違うのは当たり前です。

たとえ誰かがストレスがたまってイライラしたり怒り出したとしても、家庭内のムードメーカーはきちんとその苛立ちを真剣にじっくり聞いて受け止めます。家族全員が他のメンバーから尊重されて、大切にしてもらう権利があるのだということを忘れずにいたいものです。

企業経営者の方々は取引先や従業員ともこういった繊細なやり取りをしたことは多々あったはずです。筆者のような心理カウンセラーから見ても企業リーダーの中には、すぐにでもプロのカウンセラーになれそうな人格識見が優れた人たちが多いのにはいつも驚かされています。企業リーダーこそが家庭の上手な運営者ではないかとも思っています。

企業経営者は人心掌握のプロです。企業はトップダウンで意思決定をして遂行しなければならない場面もありますし、それは必要な事です。しかし家庭ではトップダウン方式は好ましくないことも多いです。どの家族も自分の行動は自分で決めたい、自分の考えていることを相手に表明したいという欲求があります。そしてその意向をきちんと受け止めることも大切です。

世間が大きく揺れ動いていても家族がそれに巻き込まれないためには、ストレスがあってわがままな事をいう家族メンバーがいたとしても「それはお前が悪い」という言い方をしないように心がける事が大事です。こういった時には「I meaning(アイ・ミーニング、自分はこう思うんだけれども」という言い方や態度が有効です。

例えば「お父さん(お母さん)としては行動制限が自由になったとしても家族で夕食は食べたいし、みんなで仲良くしたいから、6時半までには帰ってきて欲しい。そういう風にして(考えて・思って)くれると嬉しいんだけどなあ」とあくまで自分目線から適切な言い方(心理学的にはアサーティブな表現といいます。)だと「そうか、お父さんはそんな風に家族を大切にしようと考えているんだ」とプラスの意味で受け止められやすいです。

3.夫を、妻を支え合う思いやりのある夫婦関係が大切に

夫婦は家族内では子どもたちを支えて、そして夫と妻はお互いを支え合います。夫婦でうまくやっていくために大切なのはセルフケアです。会社のことで頭がいっぱいで心ここにあらず、帰宅しても配偶者の言う事も生返事で聞いていて、真剣に受け止めていない、そうすると相手も不安になります。この事態で日本そのものがぐらついているので、経営者としても冷静でいられない時があるのはよくわかります。

しかし、健全な家族関係を作りたいのなら夫婦関係が良好な事が前提です。そして夫婦関係を健全にしたいのであれば、まずは自分のメンタルケアが大切になります。企業経営者の方々はこの時期切羽詰まっている精神状態にあっても、明るい笑顔を忘れず、楽観的でいられるようなゴールを定めていけば理想的です。

だからといってこの時期は明るい話題ばかりではないのが当たり前なので、「今何が(企業を経営していく上で・経済上の問題として・従業員の生活を守っていく上で)心配なのか」悩んでいる事をきちんと配偶者に伝えておくといいでしょう。

企業経営者の配偶者は、相手が何をしていても上の空で、一体何を考えているのかわからない。という事では不安が高まるばかりです。人は曖昧な情報しか持っていないとより不安になります。人は「完全に把握したい。完璧でありたい」と望むものですがそれは無理なことです。ただ、曖昧なままにしておくよりはお互いに情報を知っておくことが望ましいわけです。企業においては従業員と、そして取引先や顧客との間でもコンプライアンスの一環として情報共有が大切になっていますがそれは家庭もまた同じで、家庭では特にお互いのメンタルについての情報を知っておくとコミュニケーションがスムーズに進みます。

そしてこの時期はかなり女性に負担がかかっていることに留意しておいた方がよいかと思われます。男性の経営者であれば妻のことを、そして女性の経営者であれば自分についてきちんと気配りをしましょう。

妻は母親でもあり、また夫の両親からは嫁としての役割も期待されています。兼業主婦でも専業主婦でもまだ日本においては女性は家事労働の担い手として期待され、育児ばかりでなく介護者になるかもしれません。新型コロナで外出がなかなかできない、ステイホームは女性の仕事を増やしたと思います。買い物や家事は家のことがよくわかっている女性、ということになると一気に負担が増えていたでしょう。

ステイホームが解けてから、それまで気を張り詰めていたのが一気に気が緩んで体調を崩しやすくなることも考えられます。男性はきちんとこういう時に女性をいたわり、きちんと家の事に手を出して家事育児などに取り組む姿勢が期待されます。

新型コロナを乗り越えるためには夫婦がお互いのことを心配し、心身の状態を十分に気遣うことが大切になってくるでしょう。結束力が高い夫婦はお互いのメンタルを支え合います。それは経営者にとってはかなり心強いことです。「なぜうちの妻(夫)はわかってくれないのか」という不満を抱くよりも、まず相手を理解していこうという対話の努力が身を結ぶでしょう。

4.子どもを不安定にさせないために

危機場面では大人よりも子どもの方が敏感に反応して情緒的に不安定になったり、体調を崩しやすくなります。

イライラそわそわする、大人たちがいつもと違う様子なのに気づいて子ども帰りをして甘えたり泣いたり、という変化が起こります。

子どもは心の不調を身体に表しやすいです。食欲が一気になくなったり、反対に食べ過ぎたり、睡眠が乱れることもあります。休校によるステイホームと登校の繰り返しがあれば生活のリズムが乱れ、それは心身面への悪影響も及ぼすのです。

情報共有のことについて書きましたが、それは子どもにとっても同じです。なるべくわかりやすい言葉がけをしましょう。家族は変わらずに仲良くやっていけること、確かに新型コロナは怖い病気だけれども対策をきちんとすれば感染の危険性はぐんと減る、手洗いを励行すること、ひとつひとつ子どもの不安をときほぐすように質問に答えてあげましょう。

そしてこういった場面だからこそ大切なことを子どもには覚えて欲しいと思います。今医師、看護師など医療従事者が治療の最前線にいます。そしてさまざまな市町村でコロナに感染した家を特定してくれ、そうしたら近寄らないようにするから、という人々が役所に押しかけています。

医療従事者だからコロナに感染しているのではないか、だから医療従事者の子どもとは同じ学校には通いたくない、コロナに感染した人のそばには近寄ってはいけないなど差別と偏見が世界中で問題となっているのです。

医療従事者は命がけでこの病気から人々を守って救おうとしている、そして感染者でも治癒したということで退院していればもう何の感染力も持っていない人です。命を大事にするという情操教育を行い、そしてどんな場合でも差別はいけないという事を教える絶好の機会です。

子どもにとっての休校、そして休校明けは生活のリズムが変わったので精神面での不安定の原因にもなります。

これまでは友だちに会えなかったからじっと我慢していた、また友だちに会えたというとテンションが上がり過ぎてしまう場合もあります。学校が始まったとしても家庭のルールは守らなければいけません。門限を伸ばす必要もないですし、きちんと普段通りの生活を規則正しくさせることが子どもの安定につながります。

子どもは親の思うようにはならず、それはステイホーム期間もそうでしたし、解けてからもわがままを言うかもしれません。育児にかかわる親にとって、親も人間ですから当然腹が立つことはあるでしょう。躾のために叱る事は大切ですが、感情のままに当たってしまうと子どもは怖がってしまい、心に傷を残してしまうことになりかねません。子どもが通っている学校は教員がこういった相談にきちんと対応してくれるでしょう。学校にはたいていスクールカウンセラーも巡回しに来ています。または別の相談機関を紹介してくれるかもしれません。親としての自分を振り返ってみて、冷静さを失っているかもしれないと思ったら、まず学校に連絡してみることをおすすめします。

4.自粛しながら家族内で煮詰まらないための工夫

自粛がある程度解けていけば家族で外出することも可能になります。それでも大勢で集まって3密が守れなくなるような生活はできないわけです。だから大人数で集まってわいわいと遊ぶ、飲食をする生活はまだできないものの、このステイホーム期間を通じて多くの人々がオンラインで人とつながる手段を獲得してきました。

それは自粛がある程度緩められてからも使用できる手段です。オンラインやSNSで仲のいい人たちとつながり、そして苦しい、苦しかった期間を耐えてきたことをお互いにねぎらい励まし合うのはあちこちに出かけなくてもオンラインでも可能です。

家族がそのメンバーだけでさまざまな物事に対処しようとするよりも、他の人々の支援を受けた方がはるかにうまくことは多くあります。筆者のような心理カウンセラーもこうしたご家族の相談に乗る事は多いのですが、健全な家族ほど早めに相談に来てきちんとご自身たちで解決方法を見つけていらっしゃるようです。

ぜひ様々な工夫をして企業リーダーのご家族の方々にこの場面を乗り切り、明るい未来を見られるようになって欲しいと願っています。

今回もPDF にて原稿を編集、掲載していただきました。どうもありがとうございました。

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いくつもある答えの中から
どれを自分の答えに選ぶかなんだね ☪︎⋆


◯ ゆるゆる受ける公認心理師試験

1.序

大学院卒程度の試験なので、この試験は難しいと何回も繰り返して書いてきたので、それはそうのとおり事実なのですが今受からなければ死んでしまう!とまで死に物狂いにならないかというと、そこまで命がけの試験ではありません。

勉強するのはいいのです。しかしながら、焦って勉強するとヒューマンエラーの原因になります。頑張れば頑張るほど生理学的な疲労感が増加します。そして自己認知的には「よし、とりあえず頑張ってやろう!」と言いつつ、客観的には明後日の方向を向いた勉強をしかねません。

試験日程が決まった途端、全ての予備校やインターネットで「勉強!勉強」とやっているとこちらもやらなけらばならない強迫観念に駆られます。

そうするとストレスが多いタイプA、虚血性疾患の原因になるような生活様式になると寿命を縮めてしまいます。結果的に抑うつ的になってしまうと勉強にどころではありません。しかも難しい問題を先に片付けようとするとなにもできなくなって学習性無力感に襲われてしまうかもしれません。

したがって試験まで半年近くある今現在、焦ってとりあえず方法論も立てないまま効率の悪い勉強方法をするよりは、ゆるっと考えて、どの方法が一番いいのか検討しながらやってみてもいいと思うのです。  

2.効率性追求

Levin,Kが提唱した人間と環境の関数functionモデルは、Behavior、Person、Environmentの相関関係です。人間は環境によって規定され、実際に行動します。その人間が焦ってしまうと環境変数も変化して悪影響を与えてしまいます。

また、Kofka,Kのモデルによれば、旅人が雪原を馬に乗って宿にたどり着いた時、そこは雪原ではなく薄氷を踏むような湖の上だったということです。実際に人間を動かすのは現実場面だけではありません。現実ではないかという認知は実は現実でないかもしれません。効率性について考えたとき、マッピングといって正しい心理的空間を形作ることが大切です。

2.Gルート

の受験者はもし不合格だったとしてもなんとかなることは書いたばかりです。だからといって不合格でも大丈夫だから受からなくたもいい、と思って書いているわけではありません。むしろ切羽詰まって精神的に追い込まれた方が大変なのではないか、と思うわけです。受験者としての適格性にいろいろと言われているところはありますが、今回教員の受験者は慣れないオンライン教育を担当、さらに家庭訪問を繰り返したりしてかなり忙しかったと思います。できるところから計画的に勉強すればいいのではないでしょうか?

3.すでに臨床心理士有資格者

さきほどハローワークのインターネット検索を行ったところ、臨床心理士有資格者558件、公認心理師221件の求人検索がありました。今年絶対受からなくてもD1、D2ルートの人はまた受験できます。多分この層はかなり熱心に公認心理師試験勉強をしてきたのではないかと思います。

4.Eルート受験者

Eルートは公認心理師のための純粋培養の教育を受けてきたわけではありません。院ではその院の読書がある教育を受けてきたわけです。そしてこのコロナのせいで莫大な量の課題を提出させられているはずです。その課題が公認心理師試験と同じような科目であればいいのですが、たいていの場合院は「受験勉強は自分でやるもの」とその教授が教えたい内容を教えます。したがって今回苦労するのではないかと思います。とは言え曲がりなりにも大学院を卒業しているわけですからそれなりのアドバーテージはあるわけです。

5.結語

今回初めて受験をする人も再チャレンジ組もいるでしょう。再チャレンジはどの試験でも合格率は低くなると以前書きましたが、かなり苦労をして合格のためにまた苦労してきているわけです。だから決してムダな体験をしてきたとは思えないのです。ゆるっとしながら、緊張しないでコツコツと勉強してみてはいかがでしょうか。

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限られた時間の中で
何に心を委ねるかが大切なんだね ☪︎⋆


◯ 赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア   
自分を愛する[心理教育]


白河美也子医師・臨床心理士著

なぜ僕が白川先生のこの著作をブログで取り上げたかということをまず説明します。白川先生は一貫してトラウマ治療に取り組まれていて、現在はトラウマ治療専門の「こころとからだ・光の花クリニック」院長をされていらっしゃいます。白川先生のトラウマケアの書籍をぜひ紹介したかったからです。

光の花クリニックは日本では数少ないトラウマ治療専門のクリニックで、白川(西)先生他3人の医師と1人の臨床心理士が治療面接を行っています。(現在枠がいっぱいのため初診患者は取っていないとのことです。)

最近 トラウマのことがわかる本 生きづらさを軽くするためにできること も著されており、こちらもぜひ参考にしていただきたいのですが、白川先生の「赤ずきんとオオカミ」は寓話の形を取っていますが非常に含蓄のある本です。

「赤ずきんとオオカミ」と言うとオオカミさんが赤ずきんを食い尽くすもので、一方的な悪者だと思われがちですが、食べられそうになった赤ずきんは単回性のトラウマ、そしてオオカミさんもまたトラウマを負った存在として描かれています。

(以下ほとんど白川先生の著書の要約)
トラウマ後にはフラッシュバック(再体験)、回避、麻痺、過覚醒の症状が出ることが説明されています。

トラウマを負った人がトラウマそのものを消すことはでかません。この辺りはトラウマ治療専門家の白川先生は詳しいです。

しかしトラウマを負った、今現在のその被害者の生き方を変えることはできます。

トラウマを負った対象者は、トラウマの再演をすることがあります。その時にまた不幸なシナリオが繰り返されます。そのためにもトラウマにとらわらすぎない、明るい未来を見ることが勧められています。これは僕の私見ですが、今現在が明るいものであれば、トラウマティックな過去はかなり薄まるものでしょう。

助けを求めることと、支配−被支配のパワーゲームに巻き込まれないことが必要です。

オオカミさんは複雑なトラウマを負った存在として描かれています。だからこそオオカミさんは過去の繰り返しを再現してしまうのです。

白川先生の解説には、症状が完全に消失しなくても良いと書かれています。これは僕もPTSDの精神療法をしていてよく感じることなのですが、どんなに長期間力を入れても症状が完全に消失させることは難しいものです。フラッシュバックが起きること、そしてそれがどのようにして生起して、攻撃的な態度になるのかは知っておくことが大切だと本書には書かれています。

トラウマを負った人は「被害者−加害者」という一方的な認識を持ちがちですが、そうやって被害者のポストについてしまうと解離が起こり、解離の間に望まない性的関係を持ってしまうこともあり得ます。被害を深めないための対等な対人関係が必要です。

このトラウマを持った赤ずきん、赤ずきんはカウンセリングをして災害ストレスを癒やすことにしました。災害によるストレスは大きな影響人々の心に与えます。大きな影響をオオカミさんにも与えたのです。

さて、C-PTSDはICD-11で初めて取り上げられる疾患単位ですが、この疾患単位に対する批判もあります。白川先生がC-PTSDに似た概念として取り上げているのはvan der Kolk 他の「トラウマティック・ストレス」のDESNOSの概念の診断基準試案を掲載しています。

僕の書いた白川先生の名著の要約はかなり端折ってあります。トラウマとは何か、そしてそのトラウマの意味を薄めて明るい未来を見るためにはどうすればいいか、ぜひ白川先生の原著に当たっていただきたいと思っています。

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