ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

このブログ運営者は産業と医療の中間領域のようなところでカウンセリングを行っている、世界の謎を解き明かす心理職です。

これまで司法、教育、福祉分野での心理職経験もあります。

このブログのテーマは僕が専門としている心理学に加え、スタートしたばかりの公認心理師制度の検証、カウンセリング全般についてです。毎日更新を目指しています。誰も読まなくても書きます。もし評判が悪ければ反省してやはり毎日書きます。コメントは他者の誹謗中傷でなければ掲載します。僕へのクレームは大歓迎。掲示板がわりに使っていただいて構いません。

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今日も一日
いろいろあった

明日もまた
いろいろあるね

それでも
明日は新たな一日

せめて夢では鳥になろう

明日こそ本当に飛べるかも

おやすみなさい
💫 

◯ 第3回公認心理師試験合格率について

関係記事.「公認心理師試験合格者数/受験者数=合格率」
※ 本記事の続編です。⬆️続編なのでより詳細に分析してあります。

1.緒言

これはやはり気になるところです。受験した人、これから受験する人、心理職を志す人は「自分の選ぶ道は誰しもが通過できる平易なものだったのか?それともラクダを針の穴に通すがのごとく難しかったものか?まあそこまできかなくともそこそこのものだったのか?を客観的に評価できる材料を提供したいと考えています。

推定なんだか大物の一刀両断S女史 とは話し合い、はっきりと数字まで出して話しているのですが、みなさんに予想数字をここで開示して動揺させるようなことは望んでいません。

では何のためにこの記事を書くのか?というとそれぞれの受験生の方々、時間やお金、心身を疲弊させずにただ何となくこの試験を受けた人はとても少なかったと思います。たいていの人が血のにじむような努力をしてきたのではないかと思います。

心理職を目指すみなさんにこの資格を取って欲しい、心理エッセンスを持って他職種の人も誇りを持って心理院卒者同レベル知識を持ってこれまでの仕事に取り組んで欲しいです。

数字は人が思索を巡らす上での参考になります。どうしてもこの資格を持たなければ就職に不利、そういった人は合格率が高ければ「よし、一念発起してみんなも取れる資格にチャレンジするか!」 

あるいは「誰もが取れる資格ではない。だからこそ頑張ってみようか」いずれにせよ前向きな気持ちになって欲しいと思います。どのルートにせよ大学院卒の心理学知識を身につけて心理職になる、臨床心理スピリッツを身につけて協働できる人たちが増えるのならばウェルカムです。

さて、いつも耳が痛くなるような数字の話をします。<一度不合格を体験した人の合格率は再チャレンジすると必ず落ちます。例えば医師国家試験。受からなければただの人、どころか人未満のように罵倒されることもあると聞きます。

最新の医師国家試験は新卒94.9パーセント、既卒69.2パーセントでした。「なんだ、既卒でも7割受かるなら高いじゃないか」と思うかもしれませんが、不合格者は医行為全くできないので注射もできず、インターンにもなれません。

公認心理師は第1回、第2回、第3回となるとだんだんと不合格再チャレンジ組も滞留してきているはずです。Twitterにも「リベンジです!頑張ります!」と書いてあるプロフを見ますが「やめました」は見ません。そもそも諦めた人はプロフに書きません。

この不合格者群が全体の合格率を押し下げることも考えられます。個別性は全く無視して書いてます。1度落ちた人は学習が深まっていて次に受かりやすいことも十分ありえます。時間が取れないなどその人の学習を阻害する属人的要素が解決されていなければそれまででしょう。

2.試験問題の評価

試験問題の難易度を評価することが合格率の評価につながってきます。確かに第1回試験は手っ取り早く点を取りやすい試験でした。第2回試験は難しすぎるという評判。第2回試験の際、仕事がものすごい忙しい中を社会人夜間大学院を卒業したK女史がいました(学部は心理学部)
僕:難しかったでしょ?
K:え、そう?
僕:どのぐらい取れたの?
K:8割ぐらいかなー

と人によってさまざま。

今回の試験を現役心理師国立博士号取得P君に解いてもらったら「この試験はないよなあ、ムズイ、7割5分しか取れなかった」とも言っていました。彼は医療機関でパシパシ心理検査をやっている人です。

この人たちは「すでに資格を取っている人たち」です。 

第3回試験についてもまたさまざまな人たちから講評や感想が聞けるでしょう。 

さて、Gルートの人たちはもうとにかく必死でした。仕事をしながら関係分野をさらっていく。今回の試験「なんでこんな問題でるのよお!」と文句言いながら高得点取れた人もいます。

新卒受験生、これは有利かと思ったら経験値がないので事例センス問題解けない+正当的これまでの旧態依然の心理教育、バイトデート課題 や勉強会で時間が取れず点数取れず。

「第1回→第2回→第3回」と難化したという評価はあります。

2.受験者層の推移

Gルート受験者がひとつの鍵を握っています。

第1回試験では12,531人のGルート受験者が合格、合格率は72.9パーセント、第2回試験では4,728人、合格率は41.8パーセントでした。
さて、毎年10000人程度が現任者講習を受けています。

さて、もろもろひっくるめた第1回受験者、この人たちはどういう層なのかというと「必須資格だ」とすぐに資格を取った人、意欲的に(情報を集めて「あ、受験できるから頑張らなくちゃ)Gルートの人が早目に情報を得た人たちです。第1回試験は易しかった。だから無勉強で心理あまり関係なくセンスだけで合格できたわけではありません。

第3回受験者は、新卒+新規Gルート+Dルート含む分野かかわらず再受験者になっていました。

新規Gルートの層を想像してみます。第3回第4回の現任者講習は1万人程度、第4回の現任者講習受講者も1万人程度です。この人たちの所属は?動機は?実は僕にもいまひとつわからないです。と書いて置きますが炎上はイヤなので書きません。

臨床心理士と公認心理師の2023年3月推定人数 を書いた浅井伸彦先生はご自身なりの推計を出しています。

これはひとつの見方として参考になるでしょう。

さて、肝心の合格率ですが、問題困難さによる正解率と受験者層のレベルに依存します。ということで想像してみてください。

そして合格率数値がどうであってもこの資格を取りたい人はこれから出てくるであろう数字を想像して、励みにして頑張って欲しいと思います。

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こころ
水の如く。
 

第3回公認心理師試験出題傾向分析

1.序

今回の公認心理師試験について出題傾向を分析してみたいと思います。さて、僕は心理のことしか知らない、世間を知らない駅で切符の買い方もわからない生粋の臨床心理プロパーです。

さて、そんな僕が2018年からずっとこの公認心理師試験を勉強してきて、受験テクで乗り切れる問題は結構ありましたが「とにかく内容が難しかった」と思います。

そして内容から全体の出題傾向分析をしてみます。

2.全体総括

⑴ 知らねーものは知らねーよ

まあこれに尽きます。知識問題でさんざん書いてきたのですが医学わからん、知らない学者、学説の名前ごちゃごちゃ出てくるのもわからん。

ア.医学領域

医学プロパーのための問題は肥満とグレリン、レプチンの関係、心身症、糖尿病、甲状腺機能低下、抗精神病薬、睡眠薬、副作用etc…

「何だ、これじゃあ看護師有利じゃん」と思った心理専修者もいたかもしれません。

そこで看護師さんに医学問題の難易度を聞いてみました。「医学問題としてもマニアック」。この看護師さんは従来から出ていた脳神経系解剖学についても「医師国家試験レベル。だけど大抵の、脳と関係ない分野に進んだ医者は全て忘れる」と言っていました。

というわけで医学プロパーにもラクな試験ではなかった、ということです。

イ.福祉領域

福祉もGルート受験生は多かったです。あの、福祉と言っても児童、老人、障害者とさまざまな分野に分岐しています。受験生が全ての領域の福祉制度に詳しいわけではありません。

そこで某福祉士の答え合わせを見せてもらったのですが、さすが福祉士、知識問題はなんと6割…ギリの点数でした。そんなものです。

ウ.教育領域 

教育現場で働くスクールカウンセラー、現役教員も多かったと思います。で、学校保健安全法、同施行規則や文部科学者指針、小学生段階のキャリア教育・発達について詳しい教育関係者ってどれだけいるの?と思いました。

エ.司法

すみません。問141.非行理論は司法にかかわっていたことがあるにもかかわらず全く勉強していませんでした。まああとは司法領域で働いて来た人ならなんとか。って少数派じゃん。と思いました。

オ.産業領域

僕は産業−医療系領域で働いているのですが、はっきりと「これ」と思って解いたわけではなく「昔どっかでやったなあ」という潜在記憶に基づいて解いていました。事故防止委員会に公認心理師が入ることはないだろうなあ、と思いながら。

⑵ 基礎は落とせなかった。

まあそれに尽きます。ただし、基礎心理学はできているものとして考えます。これは他職種Gルート参戦者、そして基礎固めに弱味があった心理専修者にも言えることです。厳しい言い方をすると基礎ができていないとどうにもなりません。   

何をもって「基礎」とするかは人によって解釈が分かれます。僕は自分が知ってる=基礎、と思ってしまうので「基礎心理学」の基礎でもないのですが、基礎心理学は当然わかっているのが前提、という試験だったのでそこを固めるのが難しかった人には厳しかったと思います。

頻出心理テストも落とせなかったです。そして今回のMMSEのように実際に心理テストをやった人でないとわからん、という問題は新卒者にも他分野心理専攻者、Gルートには過酷でした。それ以外の心理検査は従来通り。ただしGAD-7は「勘弁してちょうだい」と思いました。

ホント知らんわと思ったのはT.Kittwoodのパーソンドセンターアプローチによる認知症の理解、F.Herzbergの2要因理論、Procaskaの多理論統合モデル、CDR認知重症度評価検査、A.D.Baddleyのワーキング・メモリ・モデル、U.Neisser仮定の5つの自己知識、
J.E.M arciaとかわかりませんでした。

新卒受験生いわく「雑学王試験?」うむ、と納得しました。

3.事例問題難易度

事例問題は臨床センスを問う問題と事例モドキ専門的知識問題が入り混じっていました。専門的知識問題はわかる人にはわかる、わからない人にはわからない。そんなものでした。

あとセンス問題はいつも言われているように、そして僕も思っているようにこの試験は机上の空論ならぬ「紙上の空論」を問うものでした。
のでこればかりビシバシ職人として研究してきた僕はまあまあ問題かなと思っていました。

やはり新卒受験生にセンス問題は難しい。僕が今回一番の名問題と思っていたリストカット女子。

新卒受験生と会話してみました。これが事例センス問題に関する精神分析的BPD経験orセンスvs非経験orそんなことされたら泣いちゃいそうカウンセラーの試金石と思ったからです。

僕:あれ、俺一番の名問題と思った。ドラマティックで。
受験生:カウンセラーが笑ってる時点で解く気失せた。ワケワカメ。
僕:若い?カウンセラーは「ワタシ、プロだからリスカの痕見ても大丈夫、驚かないわよ」と強がり。
受:うむ
僕:んなもん必死で助けて欲しくてリスカしてくる女子高生されたらどう思う?
受:…
僕:死にたい助けてって毎回言ってて「ワタシそんなの聞き慣れてるわ」と言われたらどう思う?
受:あ
僕:そりゃ怒鳴るだろ。最後に縋り付いてきたこの子を見捨てるのか、という問題。児童虐待は逆。感情を入れずに淡々と聞く。
受:ほへー

※ 今回の試験はぶれ直したのかどちらかというと精神分析系エッセンスも入って認知行動療法離れしたのかな?と思いました。ここは雑学王+過去問徹底+基礎、正答率高問題落とさず、センス磨きでないと捨てざるを得なかった問題のカバーができなかった。なかなかの難問揃いという感想を持ちました。



◯実施間近「親子サポートプロジェクト」

さて、以前から公認心理師高木誠美さん、光戸利奈さんほか僕も企画から関与してきた中学受験生の親子のための「親子サポートプロジェクト」が12月27日昼12時30分から開催されますので最終アナウンスをします。
なお、当企画で使用していた「ココロラボ」の名称は金子書房様のこころにかかわる多様な情報発信を行って好評を得ている
「こころ・ラボ」

とは一切関係ありません。

こちらは
研究所として、オンラインを中心とした心理・教育・アセスメント等のセミナーや講習会、ワークショップの実施のほか、出版物とWebメディアを組み合わせた形で、心理学をはじめとする各領域の最新研究の報告や最前線の実践紹介、心理検査などの情報発信を進めていきたいと考えています。

(金子書房:こころ・ラボホームページから引用)

金子書房プロジェクトは研究、セミナーなどを行う大変優れた、心理学のみでなくこころ全体から広がっていく、全ての人々に役立つ情報プラットフォームです。

誤解された方がいらっしゃるのではないかと思いこの場でお詫びいたします。金子書房様「こころ・ラボ」様にご迷惑をおかけしたことと、今回のセミナーに金子書房様企画と思い、申し込んだ方については大変申し訳ありませんでした。事後でも申し出ていただければキャンセル料全額返金いたします。個別の方々に対しても確認をします。

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