カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

◯ 公認心理師試験発表日時の意味するもの

11月30日は金曜日です。

午後2時から合格発表として、ほかの厚生労働省の主管する国家試験と同様に試験をインターネットでも見られるようにしたということです。

金曜日の発表というのは行政の手間を最小限に省くという意味ではさまざまな意味合いがあります。

金曜日、午後2時というとほぼ世間では仕事中で夕方にならないとネットで合否確認ができない人もいるかもしれません。

最初の試験で受験者がこれだけ多いので、サーバーの不具合で何が起こるかわからない(と言っては失礼ですが)不合格者からの電話問い合わせも殺到するかもしれません。

試験不合格者はマークシート採点なので、何を言ってもクレームは通らないですし、今から合格にしないと死ぬとセンターに言ったとしても点数は一切覆りません。

ドライなようですが、それが試験というもので、金曜夜から土日を挟んで、早ければ月曜日には合否通知が発送されるでしょう。

書面を見ればまあ納得はするわけで、合否結果もわかるわけです。

この時点で受験者のみなさんが抱いていた疑問は問い合わせる必要がなくなる、だから金曜日午後から発表というのは行政の主管する試験発表日時にとしては問い合わせの対応に応じなくてもいいので合理的なのです。

心配なのはサーバーの負荷と厚生労働省のサーバーの強さなのですが、行政機関なのでかなり強いサーバーを使っているのではないかと思うの一方で、大丈夫という保証はありません。

現任者講習申込みの段階で全くサーバーにアクセスできず苦労した人も多いと思います。

ネットゲームをやる人によるとサーバーがダウンしてしまうと、そこのサイトによってはいつサーバーが復旧するかわからず、いわゆるゲーム廃人の人は恐慌状態に陥るそうです。

僕らも3カ月間待っての結果発表ですから、つながらないとなると焦るかもしれません。

なぜこんなことを書いているかというと、最初の試験、大人数が受験した試験なので「何が起こる可能性があるか誰にもさっぱりわからない」というのが実情だからです。

「今回の試験結果はネットでは確認しない、結果は結果として合否通知はかならず届く、それならば気長に待つ」という人も何人か見たり、ネットでもそんな人が見たらいるということを聞いているのですが、それも手だなあと思います。

さて、今から何をしたところで(受験直後もそうでしたが)試験結果が変わるということは決してありません。

精神保健福祉士試験は試験日から合格発表日までは約1カ月です。

北海道組追加試験は12月16日試験、発表が1月31日と、試験から発表までのスパンは初回より短いです(といっても追加試験受験者のみなさんにとってはかなりの精神的負担を強いられていると思いますが)。

公認心理師初回試験は9月9日試験、11月30日発表ということを推察してみると、受験者数が多いから事務手続きが煩瑣になることを予想して長めに期間設定をしたことがひとつには考えられます。

穿った見方をすると試験の合格ラインを決めていたのかもしれません。

あえて僕はブログでは書かなかったのですが、さまざまに検討した結果、ケース問題を重視するという視点からはケース問題に傾斜配分をつけて知識1:ケース3など配点をがらっと変えている可能性もあります。

みなさんを悩ませてきた厚生労働省公認心理師カリキュラム検討委員会報告書の記載、

「3.合格基準 全体の正答率は 60%程度以上を基準とする。基本的能力を主題とする問題の正答率は、試験の実施状況を踏まえ、将来的に基準となる正答率を定める。」

の後段、「基本的能力を主題とする問題の正答率」を基準となる正答率を定めるというのはどう解釈すればいいでしょうか。

医師国家試験ほか国家試験のように、全体的にある程度の合格点が取れていたとしても、基本問題の中にゼロ点科目があったり、レベルの低い点数しかその問題の正答率が低ければ落とされてしまうということを意味しているのだと思います。

このあたりは「将来的に」とされているのですが、今回絶対検討しなかったとも言い切れません。

不安材料はいろいろありますが、少なくとも2回目以降の試験では検討課題になるでしょう。

人的、機械的、試験の基準と不安に思われることばかり記載してしまったのですが、僕はそういった事柄を踏まえても、関係各所から今回の合格率については割と楽観論でいいのではないかと思っています。

もうすぐですが、このあたりはどうにもならないことはならないし、なるようになると気楽に過ごすしかないでしょう。

僕はクライエントさんによく言いますが「悲観的であることや破滅的に物事を考えて今までいいことがありましたか?」

と問いかけるとちょっと考えてから「ない、なかった」と答えます。

僕らも同じと思っていくしかないわけです。


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◯ 中元日芽香さんから再考・公認心理師資格の重み

関連記事「元乃木坂・中元日芽香さんのカウンセリングと公認心理師の専門性

心理カウンセラー中元日芽香さんに関するゴシップめいた記事が目立つのでどうしても読んでしまいます。

その信憑性は?というところもありますが、所感などを書いてみます。

まず彼女がスカイプでのカウンセリング用に設けた公式サイトがあります。

どのコースでもいいので「予約はこちら」というボタンを試しにクリックして、スケジュールを確認しようとすると「現在予約できる日程がありません」と出てきます。

相当な予約申込みが殺到しているのだと思います。

乃木坂46を引退してからしばらく時間を置いて、心理カウンセラー宣言をしてのマスコミへの再登場です。

1週間当たり11時間の限定カウンセリングということです。

前回中元さんは「何の資格もない」と書きましたが、心理関係の講座でなんらかの民間資格は取得しているようなのでその点については訂正させていただきます。

ただ、当たり前ですが大学院レベルの勉強をしたわけではありません。

心理学、カウンセリングという響きは若い人には相当に魅力的なのでしょう。

世の中には星の数ほど通信教育や協会が主催している民間のカウンセリング資格があります。

中元さんがカウンセリングを始めるにあたって必要なのは資格でなく、元々の知名度だったので、ビジネスとしてはクリアしています。

ファンの人からは「余計なお世話だ」と言われそうですが、乃木坂46をしばらく体調を崩したということで休止していた中元さん、彼女の状態は大丈夫だろうか、とも心配します。

心理職の仕事は自分の心身の状態が良くないとベストな仕事にはなりません。

学生さんで「自分が病んだ経験があるから心理の仕事をしたい」という
人がいます。

確かにすっかり立ち直って、あるいは病を抱えながらも必死にクライエントさんのために頑張っている専門家もいます。(双極性障害のケイ・ジャミソン、BPDのマーシャ・リネハンなど)。

心理職を志すクライエントさんの中には自らの病の重さに負けて心理職になる前に挫折してしまう人、心理職になれても続けられない人もいます。

人の話を聞くこと、アドバイスをすること、関係機関との諸調整はかなり神経を使う重労働で、プロでも燃え尽きてしまう人がいるのはみなさんもご存知のとおりです。

この辺りは始動していく公認心理師が十全にレジリエントな(タフな、打たれ強い)活躍を期待される場面です。

公認心理師は大学院で専門教育を受けていたこと、5年以上の経験値が必要など、厳しい資格要件があります。

「投げ出さない」「見捨てない」、クライエントは自由にカウンセラーを選べますが、カウンセラーはクライエントを選ぶ自由はありません。

医師が診療拒否をできないのと同じことです。

心理の教育を徹底して叩き込まれているプロと中元さんの心理カウンセリングはきっと違った種類のものとなるでしょう。

どんなに苦しくてもお金にならなくても、選り好みせず、投げ出さずにカウンセリングをやりおおせたら中元さんの決意は立派なものですし、その意気込みも伝わってきます。

本業の心理職からは中元さんに対する批判が多いことは承知していますが、「ファンサービス」ではなく心理カウンセリングをやっていくのならば、学ばずに自力で困難点をいくつも乗り越えなければなりません。

公認心理師にも今後期待される、心理職が行っている専門技能や教育に基づくカウンセリングと、そうでない民間のカウンセリング、役に立つものには何でもすがりたいというのがクライエントさんの心情です。

専門職よりも民間のカウンセラーを選ぶクライエントさんも多くいることは周知のとおりです。

だからこそ心理職としては中元さんに学び、自らの専門性と、クライエントさんに利するために何ができるのかを見つめ直す必要があるのかもしれません。


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公認心理師養成大学課程人数から初回合格者数を類推

公認心理師養成大学の教育課程を予備校の案内から見てみると、すでに100校ぐらいが名乗りを上げています。

現段階で100校ということは今後対応をしていく大学や院も多くなるでしょう。

大学ごとに公認心理師課程履修者をセレクションするところも多いと聞いています。

いろいろな大学のホームページをアトランダムに見てみました。

2年次に学年で45名を選抜して履修させる予定の立教大学のように割と大人数受験カリキュラムを計画している大学もあります。

(探すとまださまざまな数字が出てくるかもしれません)

多分GPA Grade Point Average(成績)を考慮したり、試験、面接を実施して公認心理師養成に適合する学生をセレクションすることになるのでしょう。

この数は実習先の確保、実習担当大学教員の数にもかかってくると思います。

さて、2019年大学入学者が2025年に公認心理師カリキュラム大学院卒資格を得て公認心理師を受験するのに何人が新卒者として受験できるようになるのでしょうか?

勝手な僕の予想ですが、各大学は心理にかかわらず志願者を集めるのに必死です。

少子化社会に命がけで公認心理師養成課程を準備するので、現在臨床心理士指定大学院プラス専門職大学院と同じだけの受験者数が出てくることになるのではないでしょうか。

そうすると2,500人ぐらいが卒業者、仮に6割程度が合格すると考えると1,500人前後が新課程公認心理師となることが予想されます。

翻って初回試験〜5回目までにはどの程度の合格者が出てくるのか僕なりの論理で、臨床心理士試験を参照しながら逆算してみます。

初の大学院レベル専門資格としてスタートした臨床心理士は今回の公認心理師とは経緯が異なりました。

現任者を認めるという意味で臨床心理士試験を参照してみます。

初回臨床心理士試験は昭和63年第1回目試験では受験者数1,861人、合格者数1,595人、合格率86.6パーセントで、以来6〜7割程度の合格率となっています。

臨床心理士有資格者数は現在まで累計で34,504人です。

それに比して公認心理師試験は受験者数6〜7万人と言われています。

この中には臨床心理士以外にも臨床発達心理士、学校心理士、特別支援教育士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、小中高教員、精神科看護師、保健師、精神保健福祉士、社会福祉士などが含まれていて、かなりの現任者がいます。

心理業務に携わる心理職のための心理臨床学会は28,303人(2016年現在)です。

心理臨床学会は公認心理師制度に絶対的権限を持っているわけではないですが、発言は多くしています。

心理臨床学会と長年の確執がある日本臨床心理学会もこの制度に対して相当の発言権がありますし、公認心理師制度創設を推進してきた日本心理学諸学会連合会の会員数も相当なものですから、その数は多いでしょう。

臨床心理士は平成18年までは現任者ということで大卒後5年以上の臨床経験がある対象者に受験資格を与えていました。

今回公認心理師は既存の心理資格を持っていたからといって何の優遇措置もない試験です。

しかしスタート段階である程度以上の数を確保しておかないとなりません。

実働しないけれども試験点数だけ良かったから合格した公認心理師は相当数出て来るでしょう。

実務に当たっている現任者をかなりの数確保しておかないと立ち行かなくなる制度だと僕は考えます。

今後公認心理師養成大学院がその年度に合格者数を出した2,500人のうち合格者が6割の1500人出るとしましょう。

心理職が一生働ける期間を仮に35年程度あるとすると1500人×35年で52,500人となります。

これから先公認心理師を社会内に確保しておいて行き渡らせるためには初回の試験でそれだけの数の公認心理師が必要になります。

仮に今回の受験者を65,000人とするなら、52,500人の合格者数を出すためには80パーセントの合格率を必要です。

こういった計算はあくまでも思考実験に過ぎません。

公認心理師制度は公認心理師養成大学制度がうまく軌道に乗り、その卒業生が公認心理師の中核として活躍していくまでがライセンスの信頼性を担保していく過程となるでしょう。

確かに初回公認心理師試験合格者が玉石混交になることはあり得るのですが、それでも多数の合格者を出しておかないと間に合わないと思うのです。

公認心理師制度は、自殺者、精神疾患患者への適切な対応など今後数十年後の国家の心理行政を考えていく上でも中核となる制度です。

均一な質の合格者でないと当初は現場での混乱もあるかもしれません。

これだけの数を必要とする公認心理師制度をいかに上手に運営していくかが行政側の大きな課題として残されていくでしょう。


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