ひなたあきらのおけまる公認心理師たん

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。ほか心理学全般についての考察も進めていきます ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

このブログ運営者は産業と医療の中間領域のようなところでカウンセリングを行っている、世界の謎を解き明かす心理職です。

これまで司法、教育、福祉分野での心理職経験もあります。

このブログのテーマは僕が専門としている心理学に加え、スタートしたばかりの公認心理師制度の検証、カウンセリング全般についてです。毎日更新を目指しています。誰も読まなくても書きます。もし評判が悪ければ反省してやはり毎日書きます。コメントは他者の誹謗中傷でなければ掲載します。僕へのクレームは大歓迎。掲示板がわりに使っていただいて構いません。

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日本心理臨床学会第41回大会について考えてみた

日本心理臨床学会第 41 回大会案内が正式にホームページに掲載されました(会員向け情報)。

また、僕の自宅にも同案内が郵送されてきたわけですが、詳細は会員向け情報ということでここでの記述は割愛させていただきます。

ただ、次年度の学会は心理関係の学会に限らず、どの領域の学会もウェビナーなど非対面方式で行われることから推察していただくしかないというのが、なんとも歯切れが悪いのですが、僕が今の段階で言えることです。

新型コロナウィルスも第 5派が過ぎ去り今小康状態にあるものの、政府ほか関係者一同がこれで安心しきったというわけではなく、諸外国では 2回ワクチン接種者でもブレイクスルー状態でデルタ株感染が猛威を振るっていること、さらに最近は感染力が高いのではないかとされオミクロン株まで発現しているこの状態は予断を許さないものです。

年内からワクチン第 3回接種が始まるということで医療従事者にもさらなるブースター効果を狙っているものの、第6波がやってこないという保証はどこにもありません。

そんな中、対面での学会で万が一感染を広げるようなことがあれば大顰蹙を買うこと間違いなしで、学会そのものの存在意義が問われることになるでしょう。

思えば新型コロナが流行以来、日本経済は大打撃を受けました。僕が不定期的に投稿をさせてもらっている「近代中小企業」でもコロナ編における企業リーダーのあり方について何度か書かせていただいており、さすがにこのコロナ不景気で公務員ボーナスも削減(これについては「公務員だけが得をしていいわけではないのだから削減は当然」という意見と「コロナ治療・予防に当たっている医療従事者や職員の賞与まで削ってしまうのはおかしい」という二論に分かれるでしょう。)されることになりました。

新型コロナの流行は多くの人命を犠牲にして経済活動を停滞させ、世界中の人々のメンタルに大きなダメージを与えたわけです。

これだけ全国区で感染症が広がると安全のため、流行以来遠隔で Zoom で研修や研究会が行われるようになりました。公認心理師試験の現任者講習会も Zoom、また、臨床心理士資格認定協会が認める臨床心理士の資格更新研修も Zoom 研修で可能となりつつあります。

考えてみれば遠隔地で集合で研修を行わなければ資格更新ポイントにならないというのも酷な話で、臨床心理士は全国にいて、へき地、離島で活動している臨床心理士もいるわけです。いつも集合で泊まり込みで、という研修会では公認心理師のダブルホルダーでも更新制の資格を捨てたくなるのは当然で、これまでがいわば特殊な環境だったとも言えると思うのです。

さて、こういった時代なので新型コロナを機に学会や研修会等が本来あるべきひとつの姿に収束したとも考えられます。全国の参集者が遠隔で一同に会することができるのは、交流会や懇親会や個別のあいさつなどはできないまでもデジタルを介しても参集できるメリットは大きいです。

実際、カウンセリングという人類が脈々と行ってきた営みであっても対面とは違ったさまざまな制約はあるものの可能だったということが明らかだったということがより鮮明になりました。

全国の心理職のメンバーで自主的に遠隔での研究会や話し合いを持って SNS も遠隔ソフトも活用して、新たな道を探したり励まされたりということがなければ実は僕自身も開業を決心するに至ることはなかったのではないかと思います(いずれ記事にするかもしれません。)。

約3万人の会員数を誇る日本心理臨床学会は対面で毎年 7,000 程度の参加者がいました。遠隔参加になったということで参加人数がどのぐらいになったのかはわかりません。ただ、これまで臨床心理士の牙城とされていたこの学会(むしろこの学会から臨床心理士の職能団体日本臨床心理士会が生まれたとも言えます。)の細則を見ると現任者他職種 G ルートの人たちでも入会が認められない場合が有り得ると読
み取れます。

心理学修士号を所有する者、心理学専攻学部 2 年以上の実務経験を有する者、他心理臨床業務経験を8年以上有する者、ということで、公認心理師だからといって学会に入会できるとは限らず、入会に当たっても理事会判断による審査が必要になるということです(2021.12.2 事務局に電話確認済)。

僕としてはせっかくなので他職種 G ルートの人たちがこれまでどんな活動をしてきて、今後どんな心理臨床活動を行いたいのか、ということについて聞いてみたい気もします。

元々公認心理師法43条にも資質向上の責務が書かれているので、日本心理臨床学会にはぜひ協力して欲しいと思う反面、資格取得をしたということで満足するのではなく、他職種 G ルート合格者の人たちは資格取得に至るまでのこれまでの心理支援活動、そして今後の心理支援活動の見通しなどについて自主シンポジウムを行ってくれないかな、それよりも学会主催でそういったさまざまなバックグラウンドを持つ公認心理師の活動についてプログラムやシンポジウムを組んでくれないかな、と思うわけです。

遠隔学会との話とまぜこぜになってしまいましたが、心理臨床学会そのもののハードルが下がることで国民に対し、臨床心理学がより近い存在になって欲しいと考えています。

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新卒公認心理師受験者の苦悩

1.はじめに 

新卒 E ルート受験者の方々については、第5回受験でかなり厳しい戦いを強いられることになります。というのも院卒者の卒業が3月、試験が7月に予定されているわけですから、これまでよりも短い時間が公認心理師受験のための勉強期間になるわけです。

本年度の臨床心理士試験の筆記試験日程が10月9日だったことを考えるとダブル受験者にとっては少し息をつく間があるだろうと思ってい
るわけですが、何しろ公認心理師試験の受験日程が卒業してからかなり早くなっています。果たして第4回Eルート 85.5パーセントの合格率をそのまま維持しきれるのだろうかと心配になっています。

現在 M2 の院生たちは修士論文作成の真っ最中、ぎりぎりまで論文を作成していることを考えると(だいたい修論〆切は1月ぐらい)果たしてこの難関の試験に対応できるだけの勉強時間があるのだろうかと思っています。

2. 新卒者のアドバンテージ

とは言っても新院卒者にはそれなりのアドバンテージがあります。まず、学部のころからみっちりと基礎心理学を叩き込まれていること、どの学部でも統計法、実験法、調査法は必修なので、泣きながらだろうが無理やりにでもこれら文系学生にとっては苦手科目を克服し切らないと進級はできなかったでしょう。

公認心理師試験に出題されない科目もあります。たとえば精神分析学やロールシャッハの投影法検査の細かな実践、解釈です。これをディスアドバンテージととらえるのかもしれませんが「心理学という学問をどのように、どうやって、どういう発想で学ぶのか」についての発想について学んできたわけです。

これは公認心理師試験に必要な「純粋な学問的なセンス・感覚」を身につけ解く上ではとて
も役に立つものと考えます。

3.現状

Gルートの人たちの合格率は第4回試験では 55.7 パーセントでした。今年の現任者講習受講者が約2万6千人、かなり気合いを入れて受験をしてくる人たちが多いでしょう。再受験組は満を持して「どうしてもこの資格が欲しい」と一生懸命になって大枚数十万円支払って予備校を利用している人たちもいます。こういう人たちの本気度合がどの程度というかというと、かなりの本気です。

公認心理師とよく比較される精神保健福祉士についても試験はなかなかに難しく、合格率は2021年、64.2 パーセントでした。しかしながら受験生たちは大学や専門学校でこの試験に受かるため、この試験向きのほぼほぼ受験対策の授業を受けながら学生生活を過ごして来たわけです。

現在臨床心理士・公認心理師課程を置いている大学院においては寡聞にして聞かないのですが(臨床心理士一次論文試験が免除される専門職大学院の動向をこれから見ていきたいところです。)「臨床心理士試験向け・公認心理師試験対策」の正式な授業やゼミを置いている大学院はありません。なぜならば大学院というのは学びの場であって試験勉強をさせてくれる場ではないからです。

実際、精神分析学も投影法等公認心理師試験には出題されない心理検査法についても脈々と臨床心理学の先達たちが研究に研究を重ねて受け継がれてきたもので、それを「試験範囲でないから」と大学院から切り捨てることは不可能です。

そして長年研究の場として機能してきた大学院は「博士課程前期」でもあり「博士課程後期」で博士号を取得するのが前提の場でもあるということです。

4.課題

現在公認心理師課程を置いている大学院のほとんどは臨床心理士も取得できる課程を設置しています。臨床心理士と公認心理師のどちらが心理資格として有力なのか、つとに話題になっていますが、多分、ここ数年は臨床心理士、あるいは臨床心理士及び公認心理師のダブルホルダーの方が心理職として就転職するときには有利という情勢が続くのではないかと考えられます(ハローワーク求人などの資料参照)。

ただ、公認心理師養成大学院教員、また院生にとっても、修論、膨大な時間の実習とその指導、指導を受けること、授業も受けながら臨床心理士公認心理師双方の必要所定科目を取得して修論を書くというのはかなり重圧であると考えられます。

5.おわりに

こういった僕の懸念事項は第 5 回試験で新卒者がどの程度の合格率となるのかということで再度見直しの機会があるかもしれません。ただ、ほかの医療系専門資格と異なっているのは、臨床心理学課程を置いている大学院はほぼほぼ受験対策はしないので必要科目は教えるけれども受験対策まではしないだろうということです。

それは大学の「学問の場」という姿勢に加え、とてもではないですが、公認心理師課程を置いている大学院の実情としては科目を教えるのがやっとで人員が少なく、実習先も少なく青息吐息で、なんとかやっていっているということを知っているからです。

これが第6回試験になると5月に試験、第7回試験になると3月試験で、大学院側と学生側で、この超ショートスパンの体制にどこまでついていけるのだろうかということについて不安に思うのです。

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○ Gルート他職種公認心理師受験生の真剣さ

1.緒言

Gルート他職種受験者と院卒臨床心理士からのお互いの反発があり、陰性の感情を持つという悪循環が起こっています。ですが第1回試験が始まってからGルート他職種受験者を見ていると、実に真剣にこの公認心理師資格を取りたいという人たちもいます。

法律関係とか財務関係の資格やらなんちゃらの資格を取って、公認心理師の資格を取る人も確かにいて「どうやって受験資格を得たのさ、これってどうよ」と思われがちな人もいるわけですが、本人の内心はわからないわけで資格マニアなのか本来の相談業務に公認心理師資格をプラスしたいのかもしれないので一概に否定するわけにもいきません。

2.実情

3福祉士の人、言語聴覚士、作業療法士、看護師保健師が公認心理師の資格を取りたいのはなんとなくわからないでもないような気がします。

初めてできた心理の国家資格で学校に行かずして一発で資格を取れればそれは僥倖でしょう。仕事に深みも出ると思います。

ただ、僕のような心理職で心理で飯を食っている人間からすると、また周囲の心理職にも聞くと、じゃあ○福祉司etcの資格を取りたいの?と聞くと答えは「別に…」という人が多いわけです。

まあこれも不思議と言えば不思議なのですが、心理の国家資格というのはなかなかに魅力があるのだろうと思います。

確かに世の中には心理のよくわからない?心理資格があふれていて「なんちゃら傾聴アドバイザー」やら「メンタルヘルス心理カウンセラー○○士」みたいな資格は専門学校や通信講座にあふれています。

それだけ心理資格というのは魅力的です。ところが福祉関係で「○○福祉ケア士」みたいな怪しげな資格は聞いたことがありません。

3.Gルート他職種受験生の真剣さ

以前書いたことがありますが福祉職をやりながら後見人を行い、今度はストレスチェックテストをすることになったMさん、自分で福祉施設を立ち上げながら心理テストもやることになって一生懸命に勉強会に出ているK君、この人たちは十全に公認心理師資格を活用していると思います。

また、僕の知り合いで10年ほど前に臨床心理大学院に入り直して看護師から臨床心理士になった人もいます。「お給料は?」と聞くと「かなり減ったけどやりたい仕事だったからいいの」とのことで笑っていたので、それには感心したものです。

現状について書くと、今各種予備校があります。新卒者でも予備校を活用して受験する人もいますがGルート他職種の方々は心理学の基礎の基礎から勉強しなければならない。

それに加え、例えば福祉、看護なら現実的な対応をしなければならないところで心理職の対応はまず受容傾聴しながらアセスメントをしてまずなんでも医師の指示を受けて(この試験独自の感覚ですが)という、どれも当たっていてどれも間違っているような茫漠とした選択肢を選ばなければならないセンスを鍛えなければならないということで大変苦労してこの試験問題に当たるわけです。

そう考えると予備校を活用するというのはそれなりに賢い選択で、他職種Gルートの人はあと1回しか受験資格が残されていないのですから(1年前、どえらい人に「延長措置はないの?」と聞いたら「ない」と明言されました。)なかなか点数が伸びない人にとってはそれもひとつの選択なのかなと思います。

さて、ここで本題なのですが予備校は数十万円かかります。それでも必死で心理の門外漢(と言っては失礼かもしれませんが)この資格を取ろうとする彼らの姿勢は必死です。

家事の合間に録音を流しながら勉強したりなんとか仕事と仕事の間の時間に勉強したりと実にその努力する姿勢は真剣なものです。

だから心理職の人たちの中で確かに自分たちのテリトリー、エリアを荒らされる気持ちになる人もいるはいるのでそれはわかるわけですが、ただ「受けられるから受けて取っちゃえ」という半端な気持ちで受けて受かるような試験でないことは心理職のみなさんがいちばん良くわかっているのではないでしょうか。

人によってこの資格を取る動機はさまざまです。本当に他職種から心理職に転換した人も何人か知っています。

また、この資格を取得することによって心理のセンスを身につけられた、ということで他職種の仕事を続ける中で心理スピリッツを生かしている人もいます。

4.結語

他職種Gルート受験者に対する毀誉褒貶があるのは事実、公認心理師資格を取得するのならば自分の領域でより専門性を認められる学会資格などにチャレンジしてみたらどうか、その方が平易だし、仕事に直結するから、という見方も確かにあります。

しかしながらこの資格を取るために本当に石にかじりついてでも、何度も挑戦したり予備校に大枚払って自分が持てる全ての時間を注ぎ込んでいるのを見ると一概にこの人たちの努力を否定してはいけないなあ、その人なりの動機付けがあり、資格を取りたいという理由が何かあるのだなあと思うわけです。

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