カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

「公認心理師の会」特許庁出願の審査経過について令和元年7月5日に審査登録を経て商標として正式登録されています。

誤報記事について削除、公認心理師の会をはじめとした関係者のみなさま方にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

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◯ Gルート現任者公認心理師の強み・弱み

1.序

あちこちで心理専門職の心理プロパー公認心理師、そうでない非心理専門職公認心理師との対立構造がクローズアップされているように思います。

心理専門職の人たちは縄張りを荒らされたようで面白くない、専門知識がそれほどなく、非専門家は心理テストが取れない。

「心理テスト取れないからやっておいてよ」「心理テストの取り方教えて」と言う発言があれば確かに心理職の琴線に触れるでしょう。

そしてもしそんな事を言えばそれは有資格者になったというだけで専門性がないよというその人の弱みを露呈していることにしかなりません。

ただ、現実に非心理専門職の人たちが公認心理師資格を取得しているのも事実でお互いにただ争っていてもなんだかなあと思うわけです。

5年後の制度見直しを見据えた上で、非心理専門職の方々が公認心理師を取得したことの意味合い、資格の活用、元々の心理職との協働協調体制について考えた方がはるかに生産的だと思います。

2.非心理専門職が公認心理師を所有することのメリット

⑴ 多資格所持者は横断的視点の人間観・制度を理解することができる

こういった人々は多いと思います。

元々福祉、医療、教育などさまざまなバックボーンがある中で活躍してきた人が高い心理的専門知識を持つことで、心理専門職が何をやっているのかわかる。

心理専門職の強みも弱みも理解した上で心理専門職をチームの一員として考えるとより円滑な協調体制が取れるのではないでしょうか。

⑵ 資格取得のために学んだ知識の習得を仕事に生かす

これも大きなメリットです。

心理職を長年やっているとどこでどんな知識が役立つかわかりません。

医療、教育、福祉、司法、産業5領域は無関係のようで実は深くかかわることがあります。

認知症老人専門施設でも成年後見人の申立てがあると家裁が調査の申入れをしてくる場合があり得ます。

心理職同士でも思わぬかかわりがあるでしょうけれどもこれが関係領域職種になるとさらに輻輳してかかわりが出てくる、その時に「心理職の考えていることや立場はよくわかる」と思ってもらえればそれは非心理専門職の強みです。

そしてお互い仕事もやりやすくなると思うのです。

3.結語

非心理専門職の公認心理師受験機会はあと3回に限られています。

また、すでに行われた2回の試験でも多くの非心理専門職がいるはずです。

「初回試験はたやすかったから資格の価値が低い」という意見もすでに聞いたことがあります。

多分、ですが3回目以降の試験は2回目と同じ水準の難易度と思います。

Gルート非心理専門職の合格者を生かすのも生かさないのもその資格を取得した人、そして周囲の環境によるところが大きいでしょう。

とある大規模クリニックでは臨床心理士が公認心理師を取得したことと同時に、作業療法士、精神保健福祉士が公認心理師を取得したことを心理に理解が深い院長自らが大変喜んでいました。

単にクリニックの箔付けということではなく、スタッフが心理専門領域の知識を身につけて資格を取ることが患者さんのためになるという考え方で、僕はこれはこれで十分に納得できる考え方だなあと思います。

この資格の価値は新卒者が心理職の第一線として働いていくであろう10年後、20年後までわからないし、評価も定まらないものだと思っています。

互いに争うよりも、磨きあって新しいものを構築していくことが将来につながっていくと思うのです。

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◯ 「後ろから撃たれる」公認心理師

精神科医の先生方も多く公認心理師資格を取得されたと思います。

精神科医の仕事が「大変だな」と思うのは3分診療をせざるを得なくても患者さんは高い共感を求めているということです。

福祉担当者はクライエントさんにできる事とできない事をはっきりと伝えなければならないです。

教員公認心理師もカウンセリングだけでなく生徒指導、教科指導も大切な仕事です。

それは心理職にとっても同じことで、産業場面で働いてきた心理職に「転勤や配置転換させて」とクライエントさんが訴えてもどうにもならないことはあります。

医療場面の心理職でも「盗撮されていて自分の考えが全部周りに漏れているんです」という訴えに「わかります。そういうことはありますよね」とは言えません。

「そんな苦しみはとても辛いでしょう」と言っても納得してくれない人もいるわけです。

以上に述べたのは全てカウンセラーとクライエント側の信頼関係の問題です。

そして倫理面について考えてみます。

医療や福祉側がスタンドプレーを行うと大問題になる場合もあります。

「虐待や被害の事実を知ってください」と言われても医療機関は事実認定の場所ではないのですが、それが確固たる妄想に近い信念なのか、真実なのかわからない、「じゃ、関係者を呼んじゃえ」ということをクライエントさんの了解を得ないで行う専門家は実際にいます。

それがバレたらもちろん信頼関係はズタズタですが、その結果としてカウンセラーが職場の長、所属団体、所属学会全てにクレームを入れられてその団体の弁護士が調査に乗り出すこともあります。

また、実際に訴訟が提起される事もあります。

これらは全て実話です。

もし僕が同じ目に遭ったら仕事を辞めて所属団体全ても脱退してしまうのではないか?と思います。

患者さんやクライエントさんは医療者やカウンセラーの言うことを常にはいはいと聞いている無力な存在ではありません。

自分の病気を調べる、社会制度を調査するためならばインターネットやあらゆる相談機関を駆使して自分を守ろうとする当然の権利があります。

チーム学校による集団守秘義務を文部科学省で謳っていても「スクールカウンセラーの人にしか話していない自分の権利が守られてないじゃない?」と思う児童生徒保護者は当然出てくるでしょう。

守秘義務、信用失墜行為を公認心理師法で調べてくるクライエントさんも当然いるわけで、さて訴えられた際には誰が守ってくれるか、誰も守ってくれません。

タラソフ事件のようにカウンセラー側が敗訴する前、もしケースマネジメントに迷った場合に相談する機関はどこにもありません。

公認心理師に対する異議申し立て機関はどこなのか、そして事実の審査機関も判然としていません。

しかし罰則適用だけが厳しく行われる可能性があるとしたら、国家資格取得によって与えられる権限とデメリットはあまりにアンバランスではないかと思うのです。

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