カウンセラーひなたあきらが公認心理師について考えてみた

新制度公認心理師の検証をしばらく続け、この制度がよりよいものになるための問題提起を行いつつ、カウンセリングの在り方について考え、最新の情報提供を行っていきます。 ブログ運営者:ひなたあきら メールアドレスhimata0630★gmail.com(★を@に変えてください。)

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◯ 第2回公認心理師試験平均点は?

まず合格率8割の第1回試験について受験者の平均点を振り返ってみます。

第1回試験平均点は日本心理研修センターから公表されていません。

わかるのは合格点138点ということだけです。

ここで正確に平均点を予測するには、果たして受験者の点数が正規分布曲線に従っているか、標準偏差、分散(点数のばらつき具合)や歪度がわからない、ということでどんな仮説を立てても統計的検定ができません。

もちろん日本心理研修センターは平均点を把握しているでしょうけれども公表されていません。

そこで以前本当にざっくりと勘で平均点を求めようとしたのですが、160点前後だろうという曖昧な数値しか推測できませんでした。

第1回試験、回答入力式のサイトでの平均点が170点少し欠ける程度、今回は平均点が15点程度低いと入力者から聞きました。

回答入力式サイトはそれなりに意識が高かったり、自信がある受験生が入力しているので点数は高目に出るでしょう。

多分実際の得点平均は入力サイトからマイナス15点ぐらいと思います。

漠然としていますが第1回試験を解いた受験生も第2回では15点から20点程度のマイナス得点だったと聞いています。

そのあたりが平均得点なのではないかという、根拠の薄い僕の周囲のサンプルにしたがって行った予想です。

そうすると平均点は高く見積もっても140点から145点前後、これは受験者の方々が相当に焦るのは理解できます。

120点〜130点前半の方々も多かったと聞いています。

今後も多分公表されないだろう第2回試験平均点ですが、第1回試験と全く合格基準点を同じとして138点を堅持してしまうと多分合格率は50パーセントかそれ以下になってしまうでしょう。

どこの諮問委員会でも公認心理師の望ましい合格率については出ていません。

正答率は6割程度としてあっても、合格率については何のガイドラインもないのです。

だから合格率何パーセントにしようが試験実施側の自由です。

試験難易度の設定も実施する側の自由です。

第1回試験は合格率80パーセント、第2回試験は50パーセントでも何の法律にも規則にも反していません。

だから合格率はどなように定めてもいいのですが、不公平感が募れば試験の価値は大幅に下がると思うのです。

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(ちみちゃんと見に行った百日草)

◯ 第2回公認心理師試験は本当に難化したのか?

「第2回試験がそれほど難化したとは思えない」「ひなたさんが想定している平均点の算出基準は何なのか?」「レベルを下げて合格させるのはどうかと思う」など僕の見解への疑問、異論を含むコメントやメッセージもあります。

対面でも「あれ、書いてあることはそういうことでいいの?」と直接聞かれることがあります。

第2回試験は本当に難化したのか?

という点について検証してみたいと思います。

全ての問題について検証はできませんが、曖昧な選択肢が多かったことは確かだと思います。

実際の問題を振り返ってみます。

問2はケア会議です。

平易な問題かもしれませんがどんな対応をするべきかという設問で、適切な対応を選択させるのは知識問題というよりは配点3点の事例問題がふさわしいと思います。

問3、心理学史です。

頭の中に心理学史が入っていれば解けます。

ただし、設問のような形でいつの時代が主な心理学かというずばりの解答に基づくテキストの文言はありません。

そしてこの心理学史問題には価値観が入っています。

自分が拠って立つ学派にとらわれてしまうと正答は出せません。

問10、これは感情に関するモデル・説を問うています。

どの公認心理師受験テキストでも見たことがない用語でした。

問35、公認心理師の責務、法文上罰則と行政処分の違いを理解しておかないとならないですが、司法心理関係者よりも純粋に法律論を理解しておく必要があります。

問37、メタ記憶的活動、記憶モニタリングについてきちんと理解している受験生がどれだけいただろうと思いました。

問39、思春期クライエントとのかかわりについても、困難な問題ではないですが本来事例問題かと思います。

問45、SOAP、診療録の扱いはきちんと学んでおけばいいという事はわかりますが心理の問題かなと思いました。

問56、女性更年期の特徴について試験前に勉強して知識を得られた受験生はいたのかなと思います。

以上、これはほんの一例です。

統計法、脳科学、発達心理学、各省庁から出ているガイドラインを全て読むだけでなく論文まで遡らなければ解けなかった問題もあると思います。

精神医療以外の医療知識全般を問う問題もあります。

基本的な心理学的知識や法律は全分野にわたって理解しておく必要があり、落とせません。

心理テストは100種類以上を網羅して使用法、目的を理解しておかなければなりません。

それに加え、紛らわしい選択肢のうち、レミニセスバンプ、COGNISTAT、ジストニア、トラウマティック・ボンディング、怒りの進化心理学、運動視のMcGurk効果、マッハバンド、McCollough、ソマストタチンなどの(僕が感じた難語)をどれだけの人が理解していたのかと思います。

学説、用語、人名についてもR.L.Selman、Flynn効果、E.H.Schein、J.Belskey、I.D.Yalom、PECSを事前にどれだけの受験生が理解していたかは疑問です。

難用語、各分野での正確な知識、迷いのある選択肢が多かったので、第1回試験のようにすらすらと7割8割解けた受験生は少なかったでしょう。

ブループリントの学習範囲に明記されていないし参考テキストが役に立たなかった問題群を見て呆然とした人たちもいたでしょう。

勘や国語力で解けた問題もありましたが難易度は高くなった印象を受けています。

僕が不勉強で、実はこのぐらいは常識だという受験生の人もいるかもしれません。

「この知識を抑えておくべき」というガイドラインがブループリントと実際の出題の間で乖離していたように思えるのです。

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◯ 公認心理師資格を取らない方がいい人・取る必要がない人々

これまで公認心理師試験のことばかり書いてきました。

公認心理師数が必要だと書いて来たので、公認心理師資格をどんどんいろいろな人が取得すべきだ、と僕の主張が受け取られているかもしれません。

実は受験者の中にも「取らない方がいい人」や「取らなくてもいい人」はいます。

医師はほぼ必ず医師の仕事に就きます。

公認心理師取得者のスタンスは異なります。

公認心理師は名称独占資格に過ぎないのですからタンス資格にしてしまう人もいるでしょう。

1.取るべきでない人

⑴ 多重関係が生ずる専門家

養護教諭のしている援助業務はほぼ心理と同じ仕事なので、意義は十分にありそうです。

管理職、一般の教員は公認心理師資格登録とともに教員業務に支障をきたすことが考えられます。

多重関係が生ずるので立場上資格を取らない方がいい人はさまざまな領域にいるでしょう。

⑵ 資格を取るだけで満足する人

他資格ホルダー、もしくはすでに心理以外の職に自己のアイデンティティを持っている人がいます。

教員もそうですが、公認心理師を取得すれば確かにハクはつきます。

今までしていた仕事を捨てて心理職に転職するなら心理専門家として生きることができますが、心理職はそれほどまでに魅力的でしょうか?

名刺、名札に「公認心理師」と書いてあっても「心理面接をしてください」「心理テストをしてください」というクライエントさんや現場医師からのオーダーに応えられない、やる気がない人で「あ、それできませんから」と答えるようでは「取っただけ資格」になってしまいます。

それでも他領域の人でも心理知識を得て元々の仕事の幅を広げることは意義があります。

資格取得したから心理専門家と対等以上になり、心理職と競い、プライドだけを満たすという資格の取り方は違うと思います。

僕は他職種の人も幅を広げることにも意義があると思いますが、試験実施側では違う意図がありそうです。

資格を取っても心理業務の実働人員にはならない、養成施設で指導に当たれない人は資格を取得しても戦力外とみなされているかもしれません。

⑶ 心理業務をしていないし今後もしない人

こういった人は受験を自ら辞退すべきと日本心理研修センターは考えています。

企業でも官公庁でも「◯◯相談員」という名目だけで相談業務をしていない、実質上は総務や人事の仕事をしていて、今後も心理相談をしないであろう人たちでこの資格を取りたがるもいます。

2.取る必要がない人々

医師は取らなくても業務に支障はありません。

公認心理師を取得して養成指導に当たる立場の医師は資格が必要と思います。

他資格ホルダーで自らの立ち位置がはっきりしている人、自分の職務領域だけで仕事をする人も取得する必要はありません。

私設開業をしていてキャリアコンサルタント、コーチング等で一定以上の地歩をすでに築いている人たちも無理をして取得する必要はないでしょう。

私設相談員が仕事の幅を広げるために取るならば十分に意義があることですが、資格と関係なく、ただ事務所の集客を考えるのならばそれも違うような気がします。

3.結語

資格がどうしても必要な人々に加えて、公認心理師を資格マニアのイチ経歴だけとしてしまう人々がいることを行政は把握しています。

また、他領域活躍者中、公認心理師資格を生かして将来的に心理業務を側面から支えていく人も求められていそうです。

「不合格だから職業人生が終わってしまう、取得しないと相当な不利益をこうむる」人たちはこの資格が必要です。

確かにこの試験は難しく、下方得点修正があると決まっているわけでもないので、得点率6割厳守だと軒並み元々の心理プロパー以外は合格できなくなってしまいそうです。

「不合格だからダメ、自分の人生が終わる」わけではない人々も多いでしょう。

もちろん試験は人格、人柄やや知能を問うていません。

不合格だったからといってその人の人生そのものを否定するわけではないのです。

今回心理の世界に触れた、そして元の仕事で自分を磨くというプラスのチャンスが与えられているという考え方もできると思うのです。

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